ソニーの「PlayStation 5」は高性能でとっても魅力的だけど、7万9980円というハードルを越えることにためらう人は多い。ゲオがそこにビジネスチャンスを見つけ、今年2月から「PS 5」のレンタルサービスを始めたところ、これが今、絶好調だという。
ソニーがそれをどう思っているのかは分からないけど。
「プレイステーション」は略して「プレステ」と呼ばれることが多い。でも、ソニーはその呼び方を避けて、公式サイトやCMでは「PS」を使っている。これには、日本らしい理由があった。
そもそもこのゲーム機は、仕事で使うコンピュータを「ワークステーション」と呼ぶことから、遊びで使うコンピュータには「プレイステーション」がふさわしいという理由で名前が付けられ、一般的に「プレステ」と呼ばれるようになった。それに対して、ソニーの名誉会長である盛田昭夫氏は、「ステ」は「捨てる」という意味に通じると考え、この略語を使わないように命じたから、ソニーでは「プレステ」は捨てられ、すべて「PS」になったという。「PlayStation (ゲーム機)」
実際に「プレステと呼ぶなー」という新聞広告が出されたこともある。
日本人は昔から、言葉に神や霊力が宿っていると信じていて、口にした言葉が現実になる「言霊」を大切にしてきた。言葉の力によって幸せが生まれるという考え方から、日本を「言霊の幸(さき)わう国」と呼ぶこともある。だから、名前には敏感にならざるを得ない。
たとえば、江戸時代の1772年は明和9年にあたり、「めいわくねん」が「迷惑年」に通じるため、嫌な感じがする人も多かった。そんななか、江戸で大火事が発生して1万人以上の死者が出たため、厄払いの意味で元号が明和から「安永」に変えられた。
こうした伝統がある日本では、ソニーが「プレステ」を「捨てる」に通じて縁起が悪いと考え、「PS」にこだわるのも当然。ただ、テレビ朝日では「報道STATION」の略称の「報ステ」を使っているから、こちらは特に問題に感じていないようだ。

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