2022年の時点で、韓国には約4万人の日本人が住んでいて、日々、SNSで現地の情報を発信している。昔からよくあるネタが「パクリ(疑惑)」だ。
たとえば、2017年にある日本人女性がソウルの街を歩いていると、「ポッキモンGO」(뽑기몬GO)というUFOキャッチャーの店を見つけた。
いやはやこのお店、もろにピカチュウとかモンスターボールのデザインとか盗用しているのでしばらくしたら消えちゃってるかも。。
「ポッキモンGO」は、本家「ポケモンGO」とロゴも色もそっくりの“丸パクリ”状態で、無関係の日本人には格好の投稿ネタになる。
「ダサソー」は100円ショップ「ダイソー」のパクリ企業だ。
ダイソーが商標権を侵害されたとして訴え、一審はダサソーが勝訴、二審ではダイソーが勝訴した後、最高裁がダイソーの訴えを認め、ダサソー側に約1300万円の損害賠償を命じた。
これは有名な話だから、上の日本人は「ポッキモンGO」を見て、その二の舞になる予感がしたらしい。ちなみにダサソーはかなり悪質で、名前や店の雰囲気、商品までダイソーとそっくりだった。
韓国の国民的スナック菓子「セウカン」を初めて見たときは衝撃的だった。
韓国では、こうした訴訟で、日本企業に不利な判決が出ることが多かった。
韓国の居酒屋チェーン「WARAWARA」に対して、「笑笑」を運営するモンテローザが店名などを使わないよう訴えたところ、揉めに揉めて、最終的には最高裁が韓国企業の商標を認める判決を出し、モンテローザが敗訴してしまった。
昔の韓国では、日本にとって理不尽な判決が多かったから、ダイソーがダサソーを倒したときは、日本人社会から驚きと歓迎の声があがったという。
いま20代後半の韓国人に聞くと、韓国では著作権の意識はかなりユルかったが、ここ15年ほどで急激に変わり、とても敏感になったという。そう言われてみれば、SNSを見ていて、韓国の「パクリ案件」を投稿する日本人は減ったように感じる。その理由は、そうした韓国側の意識の変化だろう。
韓国で知的財産を守る動きが強まった背景には、中央日報が伝える「内なる敵」の存在があるはず。(2023.03.29)
日本に輸出される人気製品もコピー…韓国ファッション、偽物に苦悩
韓国の人気ファッションブランドも日本企業と同じように、韓国内での「パクリ」に苦しんでいる。
カバーナットという有名ファッションブランドは、ネット上のフリーマーケットで色やロゴをほぼそのままコピーした商品を発見し、販売者に販売中止を要請すると、商品は姿を消した。しかし、すぐに別のマーケットで同じコピー商品が登場した。韓国ではこんなイタチごっこがよくある。
また、別のブランドは立ち上げて1年もしないうちに、文字を変えただけで、配色や技法が同じパクリ商品が出回っていることを知り、「コピー商品を作るのも問題だが、何の意識もなく流通させることが大きな問題だ」と指摘した。
デザインを盗用した製品は野放し状態のように出回っていて、偽物が日本にも輸出されていたという。
韓国特許庁によると、2022年に押収したコピー商品は37万5000点以上、被害金額は425億ウォンで、2020年(159億ウォン)の約3倍になった。
高品質でセンスの良い商品を提供し、ブランド力を高める努力をしている韓国企業を守ろうとすれば、当然、知的財産に対して敏感になる。その結果、日本企業もその浄化作用の恩恵に預かることができのだろう。
現在では、韓国にいる日本人が「뽑기몬GO」(ポッキモンGO)のような露骨なパクリを見かけることは難しいと思う。
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