インドネシア人がアパホテルに注目したわけ “APA”の由来と意外な意味

以前、知り合いのインドネシア人と話していたとき、「この前、京都旅行に行ってきた」と言うので、「一番よかったのはどこよ?」と聞くと、彼は清水寺を挙げた。下から見上げるような建物の大きさにはビックリしたし、京都市街を一望できるロケーションもよかったという。
そんな彼が泊まったのは、アパホテルだった。
そこに決めた理由は、駅から歩いて行ける場所にあったことと、インドネシア人的に「キャッチー」な名前だったから。「アパホテル」という名前を聞くと、インドネシア人としては意味が気になるらしい。

彼と話をしていて初めて知ったのだけど、インドネシア語で「何」は「アパ(apa)」という。たとえば、「これは何ですか?」と聞きたいときは、「イニ アパ(Ini apa?)」でOK。
「だれ(siapa)」「いつ(kapan)」「なぜ(kenapa)」などの言葉に「apa」が入っているのも、きっと偶然ではない。
インドネシア語には、「問題ない」や「大丈夫」を表す「ティダック アパアパ(tidak apa-apa)」という言葉もある。インドネシアに住んでいる日本人のブログを読むと、失敗して落ち込んでいるときに、インドネシア人がニコニコしながら「tidak apa-apa(気にするな)」と言ってくれて、救われたという人が何人もいる。
ただし、インドネシアの人たちは、基本的に楽観的で大ざっぱ、つまり割とテキトーだ。
知人の日本人はジャカルタで働いていたとき、部下のインドネシア人が「ティダック アパアパ(大丈夫)」と言ったにもかかわらず、実はまともに仕事をしていなかった、というオチが何度もあって、ストレスで胃がやられそうになった。

 

そんなわけで、京都旅行をしたそのインドネシア人も、ネットで「APA Hotel」を見たとき、その意味が気になった。「イニ アパ(Ini apa?)」と不思議に思ったと思われる。
それなのに自分では調べず、「“アパ”って日本語ですか?」とボクに聞いてくるところがインドネシア人らしい。
そんな日本語はないだろう思って調べてみたら、「APA」は「Always Pleasant Amenity(いつも心地よい空間)」の略であることが判明。(APA 快適・環境宣言 コンセプト

「APA」の由来は「Always Pleasant Amenity」だけど、この言葉には別の意味があるのをご存知だろうか?

 

アパホテル公式HPのキャプチャー

 

アパホテルでは、オリジナルのトイレットペーパーが使われている。これは、高品質の再生パルプで作られていて、とてもやわらかくてなめらかで、お尻がよろこぶ仕上がりになっている。
そのトイレットペーパーの包装紙には、「Always Pleasant Amenity」という言葉のほかに、「日本の中心 J APA N…APA」という文字が書かれている。

※無料画像が見つからないので、「アパホテル トイレットペーパー japan」で画像検索してほしい。変更されていなかったら、今も使われているはず。

アパホテルの「アパ」という名前の由来は、「いつも心地よい空間」というほっこりしたものだけど、インドネシア語の「tidak apa-apa」というお気楽精神とはちがって、「APA」には「日本の中心(となるホテルを目指す)」という野望が込められている(たぶん)。

 

 

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