2025年6月25日、TOKIOが解散を発表した。メンバーの重大なコンプライアンス違反が発覚し、「再び信頼をいただき、応援いただくことは難しい」と判断したという理由で。
日本でトキオが終わった日は、韓国でユギオが始まった日でもある。
1950年6月25日、北朝鮮軍が韓国に攻め込み、朝鮮戦争の火ぶたが切られた。この戦争では、軍民合わせて500万人以上が命を落としたという説もある。
韓国語で「6・25」を「ユギオ(육이오)」と言い、この言葉が朝鮮戦争をさす。
現在、韓国と北朝鮮は「停戦中」で、戦争はまだ終わっていない。そのため、韓国では徴兵制があり、男性は約2年間軍隊に入らなければならない。休暇中でも軍人は軍服を着なくてはいけないから、以前、ソウル駅で軍服を着た若者の集団を見かけた。
韓国ではこれが日常風景になっていて、国民は何の違和感も感じない。そこが日本との大きな違いだ。
ここは軍人専用列車の入口で、軍人が移動するときなどに使われるらしい。
韓国では、軍隊が国民の平和と安全を守る代わりに、国民が軍人をサポートしている。
日本には家族割や学割など、さまざまなディスカウントがあるけれど、韓国のような「軍人割」(正式名称は知らない)なんて制度はない。
韓国で兵士には、(変更がなければ)以下のような特典が与えられている。
・テーマパークのエバーランドやロッテワールドで、同伴者まで割引料金で入ることができる。
・映画館で約半額で映画を見ることができる。
・銀行では、普通より高い金利が適用される「軍人預金」がある。
・スマホの料金でも軍人専用の割引プランがある。
しかし、国民がすべての「軍人特典」に賛成しているわけではない。
数年前、スターバックスが兵士に無料でコーヒーを提供するサービスを始めたところ、一部の女性が「性差別だ!」と怒り、炎上した。
とはいえ、こうした反発は例外的だ。 兵役中の兵士の給料はとても低く、今でこそ月給10万円以上になるが、昔は数千円しかなかった。それに、まだ朝鮮戦争が完全に終わっていないこともあり、国民が平和で安全に暮らすためには軍の守りが絶対に必要だから、軍隊に対して感謝や敬意を持っている人が多い。
広蔵市場
10年ほど前、韓国へ行ったとき、50代の男性ガイドにソウルの「広蔵市場」を案内してもらった。広蔵市場にある彼の行きつけの食堂で、チヂミを肴にマッコリを飲んで話をしていると、兵役の話題になり、彼は軍服を着た若者を見ると、軍隊時代のほろ苦い思い出がよみがえり、彼らが国のために自分の若さを犠牲にしていることに敬意を感じると言う。もし、こんな食堂にそんな若者がいたら、飲食代を出して「ツライことがあってもがんばれ!」と励ましてあげたいとも話していた。
一方、日本では自衛隊員に対する感謝や敬意が薄いのが現実だ。自衛隊員をしていた知人は、上官から「市民を不安にさせないように」と迷彩服を着て街を歩かないように言われたという。
なかには一線を越える人もいる。
ある議員が自衛隊の訓練を「人殺しの訓練」と発言し、ことし4月に不適切な発言だったことを認め、「皆さまに深くおわびいたします。申し訳ありませんでした」と謝罪した。2016年には、防衛予算を「人を殺すための予算」と表現する議員もいた。
暴言を吐く議員は韓国にもいるけれど、軍隊を「人殺し」と呼ぶような議員は聞いたことがない。これは職業差別で言い逃れはできない。。
日本で「自衛隊割」なんてサービスはなくてもいいし、迷彩服を着た人に食事をおごる必要もない。でも、自分たちが平和な生活を過ごせる理由は知っておくべきだ。
平和ボケした日本人が、今も「戦争中」の韓国に行けばそれが見えてくる。
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