「ワールド・ポピュレーション・レビュー」が最新版の「世界で嫌われている国ランキング」(Most Hated Country 2025)を発表した。それによると、いま世界で最も嫌われている国のトップスリーは、
1位:中国
2位:アメリカ
3位:ロシア
という順番だった。
意外にも、日本は「嫌われる国ランキング」で12位とかなり高かった。そのカラクリについては、別の記事に書いたので、興味がある人はそれを読んでほしい。
さて、外国人がSNSでこのランキングをシェアすると、以下のコメントが寄せられた(原文はすべて英語)。
「トランプはいつも“アメリカ・ファースト”と言っていた。これがそうなのか。おめでとう。」
「フランスはどこ?」
「イタリアは旅行者から好かれて、イタリア人から嫌われるww」
「嫌われる国ほど強い…。これは、世界で最も影響力のある国を並べたリストだ。」
こういった反応とは別に、“世界で嫌われている国ランキング”で、日本が12位にいることについて驚く人が何人もいた。
「Japan?!? really?!?」
「How can anyone dislike Japan…」
「How is Japan even on the list?」
「Japan?! Who hates Japan?!」
「Why Japan? They produce many good anime lately」
こんなコメントに対して、誰かが簡単にこんな返信をした。
「Go look up WWII history」

日本が世界で嫌われる理由は何か?
それについて心当たりのある人は、「彼らはクジラやイルカを捕って食べるから」という現在進行形の“残虐行為”を指摘する人がいたが、それは例外。ほとんどの外国人は日中戦争や第二次世界大戦で、日本軍が中国や朝鮮半島、東南アジアで「蛮行」をしたという理由で、日本は上位にランクインしたと考えている。
では、具体的なコメントを見ていこう。
「カナダのほとんどの子供たちは、第二次世界大戦で日本がアジアでおこなったことを正確に教えられている。かつての日本は冷酷な軍事大国であり、中国、ロシア、朝鮮半島に多くの死と破壊をもたらした。日本が国際的な舞台でいくらか名誉挽回を果たしたのは、ここ60年ほどのことだ。しかし、過去の罪はまだそれらの国々に残っており、今後何世代にもわたって残り続けるだろう。」
「日本が嫌われる理由なんて、聞く必要があるのか? 第2次世界大戦中の彼らがした残酷な行為は、ドイツ軍がやったことが子どもの遊びに見えるほどだ。あなたは本当に歴史を研究する必要がある。」
「“南京大虐殺”と“朝鮮人慰安婦”で調べてみろ。」
「ビルマの鉄道(泰緬鉄道)でも多くの人が殺された。」
「日本は中国、北朝鮮、そして韓国からは激しく憎まれている。また、旧占領下のアジア諸国の中には、いまだに日本を恨んでいる国もあるだろう。」
「私はフィリピンで生まれ育った純粋なフィリピン人だ。祖父から、日本軍がフィリピン人をどう扱ったか聞いた。本当に気分が悪くなる。」
ほかにも、こんな意見を述べる外国人もいた。
「私の国は第二次世界大戦中、日本に占領されました。しかし、私にはその経験がないので、日本を憎む理由はありません。もう80年も前のことです。その時代の人の99%はすでに亡くなっているでしょう。」
「今の日本の世代は第二次世界大戦とは関係ありません。」
「日本を最も嫌っているのが韓国人と中国人です。しかし、日本への観光客や留学生の多くが彼らだと知ると、あなたは驚くかもしれない。」
今回、ボクが見た外国人の意見をまとめると、第二次世界大戦の日本、つまり、大日本帝国に対しては、ネガティブなイメージを持っている人ばかりだ。分かってはいたけれど、やっぱり外国人にとって、戦前・戦中の日本はダークサイドの存在になっている。それを現在の日本に重ねて嫌いになるかどうかは、その人の価値観や考え方による。
ただ、気になるのは、外国人が持っている大日本帝国の知識には、誇張や虚偽が含まれていることだ。「ドイツ軍がやったことが子どもの遊びに〜」と言う人は誤解しているか、意図的に虚偽を述べている。
外務省はフェイクニュース対策として、正しい歴史を伝えるために「歴史問題Q&A」をHPに開設した。そこでは特に慰安婦問題についてくわしく説明し、当時、多くの女性の名誉を傷つけたことは認めているが、「強制連行」や「性奴隷」といった事実と異なる主張にはしっかり反論している。しかし、このページができたのは2021年だから、“最近”と言ってもいい。日本の主張が外国人に浸透するには、まだ時間がかかりそうだ。

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