いっそ韓国に学べ 竹島問題について日本のガッカリな現状

10日ほど前、韓国の全国紙・中央日報が日本で起きたこんな出来事を報じた。(2025年7月15日)

日本、「竹島表記」の防衛白書を小学校に配布…現地でも「懸念」

防衛省は以前から、子ども向けの防衛白書をネットで公開していたが、今回は初めて書籍にして全国の小学校に配布した。(まるわかり! 日本の防衛 はじめての防衛白書2024
韓国の立場としては、「竹島(韓国名は独島)」が日本の領土に含まれていることや、「日本海(東海)」という呼称は「事実の歪曲」だから、そんな表記のある地図が子供たちの目にふれることは大きな問題だ。

日本政府の立場や主張を子供たちにわかりやすく伝えると、戸惑ってしまう大人は日本にもいる。
白書では、防衛力の強化に必要なミサイルや戦い方などを、図や写真を使って説明しているというから、これに強い拒否反応を示す先生もいるはずだ。実際、ある学校では職員室で保管し、事実上、防衛白書を「封印」したという。
中央日報は「小さいうちに学んだことは当たり前になってしまう恐れがある」という声を紹介している。
一方、問題のあるコメントが削除される『ヤフコメ』を見ると、多くの共感を集めた意見はこんな意見だ。

・小学生のときから国防ひいては安全保障に関し教育をすることは今後の日本国のためになるのではないだろうか?
・子どもの知る権利というものもあるわけで、国が作成し検討して配布している事を鑑みると、勝手に市町村が一方的なフィルタをかけていいとはならない。
・日本が行っている政策をわかりやすく子どもたちにも伝える行為がなぜ問題なのかよくわからない。

防衛白書を図書室に置いて、見るかどうかは子どもたちにまかせてもいいと思うのだけど。

さて、これが韓国だったら、どうなっていただろう?
地図に「独島」と「東海」という表記があり、韓国政府の考えを小学生に伝える『まるわかり!  韓国の防衛』を学校に配布して、学校が“教育的配慮”から子どもたちに見せないようにしたら、国民はどんな反応をするのか。それは不適切どころか、ふざけた対応だと怒り出すに違いない。

 

1ヶ月ほど前、山陰放送が報じたこのニュースも、韓国なら考えられない。(2025年6月12日)

島根県・丸山知事 「竹島」領土権確立を国に要望 坂井大臣は一定の理解示すも…「日韓関係などへの影響を考慮する必要」逆に理解を求められる

島根県の丸山知事が内閣府を訪れ、領土問題を担当する坂井学大臣に、「竹島の日」の閣議決定や政府主催の「竹島の日」式典の早期開催などを求める要望書を手渡した。しかし、大臣は島根県の主張に理解を示しながらも、日韓関係の悪化を考慮する必要があると述べ、逆に「理解」を求められたという。つまり、そういうことは言わないでくれ、ということだ。
これに対し、島根県知事は次のように話した。

「隠岐島民を中心とする島根県民の気持ちとしては、それで分かりましたと引き下がれる話ではありませんので、引き続き要望を粘り強く続けさせて頂きたい」

もし韓国でこんなことがあったら、大臣は「親日(=裏切り者)」のレッテルを貼られ、辞職に追い込まれるかもしれない。

 

韓国には「独島は我が領土」という歌がある。
これは韓国人の領土意識を高めるための歌で、小学生のころから歌っているので、ほとんどの国民が歌詞を覚えていて、すぐに歌えるだろう。
その歌詞の一部を紹介しよう。

「誰がどれだけ自分の領土だと言い張ろうとも
独島は我が領土 我が領土」

「ハワイはアメリカ 対馬は我が地
独島は我が領土 我が領土」

「露日戦争直後 主の無い島だと
嘘をつき 言い張るのは 本当に困る」

 

カラオケの DAMや JOYSOUNDにこの「独島は我が領土」があるので、日本国内でも歌うことができる。「ネタ」としてこの歌を歌いたがる人たちがいて、会社も需要に応えているのだろう。韓国に比べたら、日本人の竹島問題への関心は、向こう側が透けて見えるくらいに薄い。

そんな状況だから、島根県の知事が国レベルでの対応を求めたら、担当大臣から韓国への配慮を理由に、逆に「自制」を求められた。国が全国の小学校に防衛白書を配布したら、「禁書」の扱いをうけてしまった。これが日本の現状だ。
自国の領土を愛し、それを守り抜こうとする心を育てる方法については、日本は素直に韓国に学んだほうがいい。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

【竹島問題】日本人は「妄言を吐く右翼」という韓国の基準

竹島をめぐる最近の日本と韓国 過激な言動・不必要な挑発

警察トップの竹島上陸に、韓国の想像を超えた日本の怒り

韓国に“矛盾”なし:反日と同時に日本に経済協力を求める背景

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメントする

目次