【おもてなし】日本で二重基準(≒差別)を感じ、外国人が不満顔

外国人が日本に来ると、よく接客サービスの質の高さに感動する。しない人は例外的だ。
しかし、なかには「日本人は外国人が相手だと、対応を変えているのでは?」と不満を感じる人もいる。
それはどんなことで、日本のサービスの裏側には何があるのか?

目次

日本の「おもてなし」

目の前にいる客を尊重し、心をこめてサービスをする。そんな日本の「おもてなし」のルーツは茶道にあるといわれ、長い歴史の中で独自の発展をとげてきた。
今では英語版ウィキペディアに項目(Omotenashi)がつくられるほど、この日本文化は世界にも有名になっている。が、日本人は完全ではないし、人類の究極の進化系でもない。

台湾メディアが報じた日本の「二重基準」

先日、台湾メディアの『自由時報』がこんな記事を掲載した(2026/02/01)。

日本店家服務其實超雙標? 自家人看不下去:對外國人是另一套

日本のサービスには、自家人(自国民)さえも見過ごせないほどの「雙標」(ダブルスタンダード、二重基準)があるという。

きっかけは、日本に住む日本人のネット投稿だ。その投稿者は、日本の店では日本人に対しては優しく接するが、外国人には「塩対応」をすることがあると指摘する。

・よく行く美容院に外国人の友人を紹介したら、いつもはドリンクのサービスがあるのに、その外国人には飲み物を出してくれなかった。その日本人がたずねると、スタッフは謝罪してドリンクを持ってきた。

・外国人と居酒屋へ行ったときには、自分たちのテーブルだけには「無料特典」がなかった。別の機会に、違う外国人とその居酒屋に行ったが、またもそのサービスを受けられなかった。

投稿者はこの扱いを「偶然じゃない!」と確信し、外国人に対する差別的な扱いだと怒りをあらわにした。

台湾の人々が語る日本での「差別」体験

多くの台湾人もこのエピソードに共感し、過去に日本で受けた「差別待遇的經驗(差別的扱いの経験)」を訴えた。
たとえば、ある台湾人はデパートで宝石を買ったさい、日本人の客には商品と一緒にオマケを袋に入れていたのに、自分のときにはそれが無かったという。
記事は、「かつて日本のおもてなしは国際的に高い評価を受けてきたが、最近では、サービスの質が低下したのか」と疑問を投げかけた。

日本人と台湾人の反応

このニュースに対し、日本のネット民からは様々な反応が寄せられた。

・作文ですね。
・日本人は台湾人は好きだよ、3.11の恩義は忘れない。
・今の日本人は、もう取り繕うことすらしなくなった
・別に日本人でも忘れられてサービスないのは普通にある。そこを差別と騒ぐのはどうかと。
・為替理由の外国人価格はあるだろうが、サービス自体を変えるってのはあまり聞かんな。

一方、台湾のネット民には厳しい意見を述べる人が多い。

・日本の礼儀正しい文化の裏側には、虚偽や無礼が隠されています。
・日本は19世紀に開化(近代化)して以来、常に欧米を模倣してきたため白人には弱い。一方、他のアジア人より優れていると考え、高慢な態度をとる。
・私たちが非難できるの? 台湾人の外国人労働者に対する態度を考えてみて。

680万人の日本体験

去年、どれだけの台湾人が日本を訪れたかを知っているだろうか。
その数は約680万人で過去最高を記録した。この他にも、日本に住んでいる台湾人は数万人もいる。
だから、「1年間で台湾人が日本でサービスを受けた総数」だけでも億単位の、天文学的な数字になる。「二重基準の差別的な対応をされた!」と怒る人もいるだろうけど、それは全体からみれば例外中の例外だ。

知人の台湾人は何度も日本を旅行し、東京、北海道、大阪、京都、神戸などに訪れたことがある。これまで、「台湾人だから」という理由で思わぬサービスを受けて感激したことはあっても、不快な体験は一度もないという。それがリピーターになった理由でもある。

「無料特典をもらえなかった」ことが差別になるなら、世界は差別だらけだ。
ただ、アメリカ基準ならそうなるかもしれない。数年前、テーマパークのキャラクターが黒人にハイタッチをしなかったことが人種差別とみなされ、30億円以上の損害賠償を求める訴訟が起きたこともある。

リトルロック高校事件 日本では考えられない米国の人種差別

「リピーター獲得」というビジネスの論理

なぜ日本人と外国人で対応に差が出たのか。
意図的だったとしたら、それはリピーターを獲得するためのサービスだった可能性がある。外国人には「どうせ一度きりの客だ」と割り切っていたのでは?
常連になりそうな人には笑顔を見せるが、その可能性の薄い人は「損切り」される。

店の無料特典は利益と結びついているはずだから、日本が「おもてなし」の国であっても、そのようなビジネス的な判断があるのは当然だ。
しかし、行為だけを取り上げられると、外国人から「日本人ファーストの二重基準だ!」と批判されても仕方がない。

レストランで体験した二重基準(≒差別)

外国人差別とまではいかないが、二重基準を感じたことは何度かある。
以前、5人ほどの外国人とファミレスで話をしていたら、店長らしき人がやって来て丁寧に退店をうながされた。見渡すと、確かに空き席がなくなっている。
しかし、店長はボクらより先にいる日本人グループには声をかけなかった。

別の機会に、バングラデシュ、ドイツ、スリランカ、トルコ、ミャンマー人と違うファミレスにいたときも同じことがあった。今度は店長にそれを指摘すると、「あ〜、そうですね〜」と言って、先にいた日本人グループに退店をうながした(ボクらも店を出た)。

一緒にいた外国人に聞くと、「あの態度は外国人を“ねらった”もので問題はあるが、差別というほどのものではない」ということで全員一致。
これを「かなり差別に近い」と言ったのはドイツ人だけだった。ドイツでもアジア人に対し、カフェで窓際の良い席ではなく、奥の席に案内する「プチ差別」があるらしい。
他の人は、日本人を優先する「二重基準」程度に感じていた。しかし、彼らの国にもこのくらいのグレーゾーンはあるから、特に気にする様子はなかった。

世界にある「グレーゾーン」

おもてなしの国の心を込めたサービスでも、その裏側にはビジネス戦略があるため、ときには外国人からは二重基準や差別に見えることもある。やり方や内容が違うだけで、海外でも「地元民優先」はあるだろう。
日本人が海外でそれを経験しても、「それが世の中だ」と受け入れる余裕があってたほうがいい。差別に敏感になって、「自分にも同じ無料特典をよこせ!」と主張するのはカッコよく見えない。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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