イギリス人が日本旅行で感じた”7つ”のこと|感動・不満・驚き…

明治時代にやってきて、日本各地を旅行したイギリスの女性旅行家イザベラ・バード

旅をはじめる前、彼女が横浜にあった英国領事館を訪ねたさい、日本旅行の大きな障害として次の2つがあることを聞かされた。

「蚤(ノミ)の大群」と「移動で乗る馬の貧弱なこと」だ。

実際、旅の経験が豊富でタフな彼女も、日本の宿で大量の蚤に襲われて弱音を吐いている。
当時、日本にいるヨーロッパ人にとって、この2つは「天敵」だったのだろう。

しかし、バードは女性の立場から、日本の治安についてはこう絶賛した。

「世界中で日本ほど、婦人が危険にも無作法な目にもあわず、まったく安全に旅行できる国はない」

この時から日本は二度の大戦を経験し、戦後復興をとげて生まれ変わった。
現代のイギリス人は日本を旅行して、どんなことを感じるのだろう。

 

イザベラ・ルーシー・バード(1831年 – 1904年)

 

先月、日本に住んでいる知人のイギリス人女性から、

「友人2人が日本へ旅行にやって来て、そのときに浜松市にも寄るんだって。わたしはちょうど仕事があるから、アナタが彼らを案内してあげて」

と頼まれたというか、丸投げされた。
でも、面白そうだし英語の練習にもなるから、そのオファーを受けることにした。

そして先日、彼女の友人である30代のカップルが浜松に来たので、市内の城やお寺に案内して、カフェで話をした。
ここでは夫と妻の名前をオリバーとオリビアとする。

今回はイギリスの基本情報を確認したあと、彼らが日本で感じた「7つのこと」を紹介しよう。

 

◯イギリス

面積:24.3万平方キロメートル(日本の約3分の2)

人口:6,827万人

首都:ロンドン(人口約909万人)

言語:英語(ウェールズ語、ゲール語等使用地域あり)

宗教:英国国教会等

外務省HP:英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)基礎データ

 

イギリスの街の風景

目次

1,イギリスとの違いは「コンビニ」

ーー2人はどのぐらい日本にいて、今までどこに行ったの?

オリオリ:日本に来てからもう10日ほどになるね。
成田空港に着いてから、東京・大阪・京都を旅行して浜松に来たんだ。

ーーそのなかで、日本のどんなところにイギリスとの違いを感じたかな。

妻:コンビニエンスストアね! あれは本当に便利!
夫:同感だね。使い勝手が良いから、10日間で何度も利用したよ。

ーー「不便なコンビニ」なんて、矛盾した店がこの世にあってはいけないからね。
イギリスにも日本のコンビニみたいな店はあると思うけど、それとはどこが違う?

妻:まず、商品の質が高くて、新鮮なものもあることね。
イギリスの店にはサンドイッチや飲み物、チョコレートやクリスプ(ポテトチップス)とかのお菓子が売っている。
それと比べると、日本のコンビニは品ぞろえが豊富で、全体的に「上位互換」って感じがするわ。

夫:充電ケーブルやモバイルバッテリーもあって驚いた。
もしトラブルが起きても、コンビニに行けば何とかなるって気がする。

ーー別のイギリス人もそんなことを言ってたな。
彼女の友人が日本の空港に到着したとき、荷物がまだ届いていなくてすごくあせった。
でも、空港内にあるコンビニで下着や靴下とか、そのとき必要なものが手に入ったから、とりあえず何とかなったんだって。

夫:イギリスの空港なら、きっと「詰んでた」と思うよ。

2,日本で驚いたのは「駅」

ーーでは、次のクエスチョン。
日本で驚いたことって何かある?

夫:梅田駅と新宿駅だね。
人がめちゃくちゃたくさんいたし、駅は大きくて複雑な構造をしていたからビックリした。

妻:そう!イギリスの駅とはスケールが違う。

ーーあそこは別格だから。
1日に約350万人が利用するから、新宿駅はギネスで世界一忙しい駅に認定されたこともある。

※イギリスにある駅では「リバプール・ストリート駅」がもっとも利用者が多い。
その数は1年間で約9800万人だから、新宿駅の10分の1以下になる。
List of busiest railway stations in Great Britain

ーー梅田や新宿駅は日本人でも迷うから、「ラビリンス」って言う人もいる。
ボクがまだその事情を知らなったころ、梅田駅にあるスタバで友人と待ち合わせをしたら、ちょっとした「冒険」になってしまった。

夫:ラビ…?ああ、「maze(メイズ)」のことか。

ーーあ、はい、それです。

※「maze」は迷路、迷宮、困惑といった意味。

3,日本でウンザリしたのは「人」

ーーこれまで日本を旅行していて、嫌なことや不快な経験はあった?

妻:京都がすっごく混んでいたこと!

夫:まったくだ。観光客が多いとは聞いていたけど、あれほどだとはね。

ーーそれはいかほど?

夫:まず、私たちは清水寺に行くことを決めていたから、駅を出てバス停を探したんだ。そしたら、信じられないぐらいの人が並んでいるのを見て、心が折れた。

妻:だから、歩いていくことにしたの。

ーー折れてからの回復が早い!
でも、清水寺まではけっこう距離があると思うけど、それを知ったうえで「歩く」という選択をした?

夫:もちろん。
1時間もかからなかったし、大したことはなかった。

妻:そうそう。
街の様子を見たり会話をしたりしながら歩いて、とっても気持ちが良かった!

ーーイギリス人ってそういう街歩きが好きだよね。ランブリング

妻:でも、清水寺の近くになったら景色がガラリと変わって、人の大渋滞が発生していたから、疲れてウンザリしたの。

ーー(2人もそ原因じゃん!ってツッコミはナシにしておこう。)

妻:本当は日本でテーマパークにも行きたかったけど、それが理由でやめたの。
ネットを見たら、ものすごい行列ができていて、1日かけて2つのアトラクションしか乗れなかったという人がいたから。

ーー最悪のタイミングで最高のテーマパークに行ってしまったんだな。

4,日本で感心したのは「鉄道」

ーー日本で「これはスゴいな、いいな」って感心したことはある?

夫:電車だね。
「日本の電車は1分単位で正確に運行される」というのは都市伝説ではないとわかった。

妻:同感。
新幹線は時間厳守で車内はとても清潔で快適だから、日本の鉄道はとても発達していると感心したの。

ーー新幹線は今でもスゴいのか。
昔、エリザベス女王が来日したとき、「新幹線は時計より正確だと聞いています」と言って初めて乗る新幹線に期待していた。

新幹線がホームに入ってくるところを見るために、予定より早くホームに着いたぐらいだから、女王には「鉄子さん」の要素があったんだろうな。

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オリオリ:それに、人びとの秩序正しさもすばらしいね。
ものすごい数の乗客がいるのに、駅は効率的な構造になっていて、人びとは整然と行動していたから、すべてがスムーズに流れていた。

ーー経験上、インド人が日本人の規律正しさを絶賛するけど、イギリス基準でもそうなんだ。

5,日本で見たかったのは「猿」

夫:清水寺まで歩いていったせいもあって、京都では嵐山のモンキーパークにも行きたかったんだけど、時間がなくなって行けなかった。

妻:そうね、あれは残念だったわ。

ーーやっぱり、ヨーロッパ人に猿は人気なんだ。
京都に行ったら、世界遺産の神社仏閣をめぐって、日本文化の「わび・さび」の世界にどっぷり浸るのが良いと思う。

でも、数年前にリトアニア人のカップルを京都に連れて行ったとき、彼らも嵐山のモンキーパークへ行きたいと言って、実際にそこを訪れて満足していた。

いっしょにいたベトナム人は、「猿なら母国にいくらでもいる。お金を払って行く価値は無かった」と不満だったけど。
ヨーロッパ人とアジア人の認識の違いを実感した瞬間だったね。

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夫:ヨーロッパで猿は珍しい動物だし、モンキーパークみたいな施設は無いから。

妻:でも、猿が温泉に入っているのは、この上なく日本らしい光景だから、できればそれを見たかったわ。

※ヨーロッパで野生の猿がいるのは、イベリア半島南端にある英領ジブラルタルだけ。
人間をのぞけば、地球上でもっとも北に生息している霊長類は下北半島(青森県)のニホンザルだから、「北限のサル」と呼ばれている。

6,日本で印象に残っているのは「歌舞伎」

ーー今回の旅行でやりたかったことや、見たかったものって何かある?

オリオリ:カブキショー! それは絶対に見ようと2人で決めていたんだ。

ーー歌舞伎か。
日本では若者の「歌舞伎離れ」が進んでいるけど、外国人には相変わらず人気だな。
日本が誇る世界無形文化遺産はどうだったかな?

夫:まず、時間に驚いた。
上演時間を勝手に2時間ぐらいと思っていたら、じつは4時間以上とわかったから、あわててその後の予定を組み直したんだ。

妻:でも、内容はすごく良かった!
音楽や踊りは分かりやすかったし、英語のガイドもあって内容をしっかり理解できたから、本当に充実していた。

夫:それに、役者の派手な化粧や衣装も目を楽しませてくれたしね。

ーー「ビジュいいじゃん」って感じか。

夫:4時間あっても退屈することはなかったし、十分価値はあったね。

妻:日本人の観客で寝ている人がいたけど。

ーーやっぱり…。

夫:あと意外だったのは、休憩中にお弁当を食べている人がいたことだね。

ーーそれも歌舞伎鑑賞の楽しみのひとつだけど、イギリスではダメなんだ。

タイ人が「これはダメです!」といったお地蔵さん

7,日本でユニークなのは「宗教」

ーー日本を旅行していて、ほかに何か印象的だったものはある?

妻:お寺や神社では、かわいいデザインのお守りやおみくじが売られていたのを見て、イギリスとの違いを感じたわ。

夫:日本人はキュートなものが好きということは知っていたけど、宗教の世界にも普通に入り込んでいると思わなかったね。

ーー日本は「かわいい大国」だから、神や仏ともよくコラボするんだよ。
普通は汚いものでも、かわいく変えてしまうしね。

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でも、知り合いのタイ人は日本のお寺でかわいいお地蔵さんの像を見て、「仏像を可愛く表現することはタイでは許されません!」って言ってた。
日本人はタイ人と違って、信仰がユルいから。

夫:キリスト教の文化では、願い事があったら教会で祈りを捧げるだけだから、お守りのような「グッズ」が売られているのは見たことがない。

ーーロシア人も「未来を語ることができるのは神だけだから、”おみくじ”は禁止される」と話していた。
イギリスのキリスト教もそうなんだろうな。

妻:そうね。
まだ10日間しかいないけど、日本は色々とユニークな国ね!

ーー「日本は安全でユニークな国」という点は明治時代と変わっていないな。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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