日本旅行の目的は「グルメ」にあり
2025年に日本は初めて「4000万の壁」を突破した。
2024年に日本を訪れた外国人の数は約3700万人と過去最高だったが、2025年には約4268万人と簡単に記録を更新してしまった。
外国人にとって、日本はかなり魅力的な旅行先だ。
それによってウハウハになる人と、観光公害にイライラさせられる人がいるから、誰にとっても良いことではないけれど。
しかし、約9兆5000億円のインバウンド消費は日本にとっても魅力的で、これを手放すのは大きな痛手になる。
――まぁ、この辺のつじつま合わせは政府にやってもらうことにしよう。
外国人が日本旅行で楽しみにしているのが「グルメ」だ。
世界的に有名なガイドブック『ロンリープラネット』によると、外国人観光客にとって、日本旅行の楽しみの半分は日本料理を食べることにある。
日本はグルメ大国で、ミシュランの星付きレストランが世界で最も多いことで有名だ。
とくに東京には三つ星レストランが12軒、星付きの店は160軒以上もあり、19年連続で世界最多となっている。
外国人にとって日本旅行で「美食」は最大級の楽しみだ。

先日、ロンドンの郊外に住んでいるイギリス人のカップル(30代)が日本へ旅行にやってきて、浜松にも寄ったので、ボクが市内の寺や城に案内した。
それで前回、2人が日本で感じたことを記事に書いた。

今回はその続きとして、イギリス人が日本の食文化にふれて感じたことを書いていこう。
①日本で食べたかった寿司
ーー2人はこれまでに東京、大阪、京都を旅行して、日本にはもう10日ほどいるんだよね?
妻:そうだけど、警察の取り調べを受けているみたいな感じね。
ーーこれまでいろんな物を食べたと思うけど、日本のグルメは海外で高い評価を受けているのだけど、それはどうだった?
夫:なんか「圧」を感じる質問だな。
日本に来る前から、かならず寿司を食べようと決めていて、もう2回食べたんだ。
目の前で職人が握ってくれる高い店と、回転寿司店にね。
妻:イギリスで「SUSHI」は日本料理を超えて、「日本文化の代表」っていう強いイメージがあるから、ぜひ食べてみたいと思っていたの。
――それはよき。
それで本場の寿司はどうだった?
夫:美味しかったよ! でも正直に言えば、想像の範囲内だった。
妻:寿司はイギリスで大人気で、今ではロンドンに日本人が握る本格的な店もあるから。
お金を出せば、とっても美味しい寿司を食べられるのよ。
夫:でも、イギリスに比べると値段が安い。
とくに回転寿司店は信じられないレベルで、料金を見たときは、店はしっかり請求しているのか不安になったんだ。
ーーロンドンで食事をすると、カジュアルなランチで3000円、ディナーだと普通に1万円を超えるし、寿司には「高級」というイメージがある。
そんな感覚で日本の回転寿司店で食べると、バグが発生したかと思うんだろうな。
②日本で気に入ったB級グルメ
ーー日本で初めて食べたもので、お気に入りになったものはある?
夫:俺は唐揚げとたこ焼き。
イギリス料理は「フィッシュ・アンド・チップス」みたいな揚げ物が多いから、この2つは馴染みやすかった。
ーーどっちもB級グルメか。
イギリスでは寿司やラーメンほどメジャーな食べ物じゃないから、まだこの魅力に気づいてない人は多いんだろうな。
夫:大阪でホテルのスタッフにおすすめを聞いたら、たこ焼きを紹介されて、食べてみたらすぐにファンになったんだ。
から揚げはたまたまコンビニで見かけて、試しに食べたらハマった。
妻:わたしは魚介類なら食べるけど、動物の肉は食べない主義だから、たこ焼きだけを食べてみた。
それも良かったけど、わたしの一押しはメロンパンね。
ーーメロンパンは相変わらず人気だな。
日本に来て、メロンパンが好きになったという外国人が多いから、調べてみたら、あれは日本で生まれた菓子パンだとわかった。
あるドイツ人は日本のパンに不満を言っていたけど、メロンパンだけは激賞していた。
夫:これは番外編だけど、大阪の串カツ店で「二度漬け禁止」というルールを知ったんだ。
日本には独特な食文化が多いな、って思ったよ。
ーーそれをやったら、店から追い出されるっていう話もあるし、大阪では単なるマナー違反を超えて、“違法行為”になるんじゃないかな。
③日本で最高の食べ物
ーーここまでの話をまとめると、寿司は日本に来る前から食べたかったもので、から揚げやたこ焼き、メロンパンは日本で発見した美味しさだった。
これまで食べた中で「暫定1位」はなに?
妻:わたしは浜松のうな重。
ホテルのフロントで浜松の名物はうなぎだって教えてもらったから、さっそく食べてみたの。
うな重は予想していなかったから意外性があったし、味もすごく良かったから、すぐに「恋に落ちた」のよ。
夫:俺もそれがベストか、そのゾーンに入っている。
ーーイギリスにもうなぎを食べる文化はあるよね?

夫:イギリスにうなぎの料理はあるけど、それは「文化」ではない!
妻:ロンドンの一部に、ゼリー状にしたうなぎの食べ物を出す店があるだけで、イギリスではまったく一般的な食材ではないの。
夫:俺もそれを一度だけ食べたことがある。
その感想は「二度目はない」だったね。
ーーそんなトラウマがあったけど、浜松で食べた『うな重』はとても美味しかった。
夫:そう!
うなぎの調理の仕方も味付けの仕方も、イギリスとはまったく違っていたから、料理も別ものだった。
妻:正直、あんまり期待していなかったから、意外性もあって美味しく感じたっていうのはあるわね。
ところで、なんで浜松はうなぎが有名なの?
――まず、日本人は数千年前からうなぎを食べていて、いつの時代にもそれなりの需要があった。
それと130年ぐらい前に、浜名湖でうなぎの養殖が成功したから、浜松が有名になったんだよ。
夫:全国的にうなぎが食べられていて、それを調理する知識とテクが蓄積されていた。
妻:そこがイギリスのうなぎ料理と違う。
ーーまぁ、うな重でいちばん美味しいのはうなぎの肉じゃなくて、タレだって言う人もいるけどね。
夫:確かにあのタレは美味しかった!
それで、いま楽しみにしていることがある。
浜松駅でうなぎ弁当を買って、新幹線に乗りながらそれを食べるつもりなんだ。
ーー富士山が見えたら、日本体験としてはパーフェクトだな。

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