いま自民党内では「今、首相が韓国に行っていいことがあるのか？」、「いや、今こそ行くべきだ」という声に分かれているが、安倍首相は韓国の平昌五輪に出席することを発表した。
そんな中、“反対派”の宇都隆史参院議員はこんなことを言った。

「ある意味危険な地域に行くわけなので、身辺警護なども含めて万全を期して無事に帰ってきてほしい」

すると韓国の全国紙・中央日報が「韓国≒危険」という認識に食いついた。（2018.02.01）

日本議員「韓国は危険、安倍首相は風邪を口実に平昌行きやめるべき」

韓国は北朝鮮に関する複雑な問題をかかえていて、何が起こるか見通せないから、もし首相が訪韓するのなら、安全に十分配慮してほしいと宇都議員と言いたいらしい。
たしかに日本に比べれば、韓国は今でも北朝鮮との戦争が完全に終わっていないから、政治的なリスクが高い。
韓国側としては「韓国は危険」という言葉は不満だろうけど。宇都議員の次の発言にもっと大きな不満を感じているかもしれない。

「相次ぐ韓国の約束不履行と不誠実な対応に、日本の国民、特に若い世代を通じて韓国への嫌悪感が広がっている」

北朝鮮との不測の事態はおいとくとして、韓国の治安は日本に比べてどうなのか？　よく外国人に「平和ボケ」とツッコまれる日本人でも安全に旅行できる国なのだろうか？

 

 

これまで何度か韓国へ行ったり、日本に住む韓国人と話をしたりした経験から言わせてもらうと、韓国は「危険な国」ではない。夜でもたくさんの人が歩いていたし、体感的な治安は日本とほとんど変わらなかった。
しかし、客観的なデータを見るとそうでもなかった。

もうすぐ韓国で開催される平昌オリンピックを前に、外務省が訪韓日本人を対象に注意を促した。

韓国：2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会開催に伴う注意喚起

＊平昌五輪が終われば、おそらくリンク先のページも消える。

 

 

隣りにあって身近に感じても、日本人にとって韓国は外国だから、注意を喚起することは必要だ。
それによると、このところ韓国では、年間の犯罪発生件数は約１８５万件であまり変化はない。治安は良くなっていないが、悪化していることもない。
しかし、以下のデータを見ると、日本と比べて「治安が良い」とは言えない。

しかしながら，主な犯罪の発生リスクを日本と比較すると，韓国は殺人が約2.5倍，強盗が約1.2倍多く発生しています。

 

個人的には、殺人事件の発生率が日本の２倍以上というのは意外だった。これだと、「韓国の治安は日本とほとんど変わらない」と自信をもって言えなくなる。
治安の面でも、「ある意味危険な地域に行くわけなので、万全を期して無事に帰ってきてほしい」と言っても大げさではないかもしれない。

韓国の治安は、人に聞いても分かりにくい。韓国関連の情報にはその人の主観や感情が入りこんでいて、言っている本人も正確な実態が分かっていないことが多い。「嫌韓」の人は実際以上に悪く言って、「親韓」の人は実際に以上に美化だろう。
このブログで韓国について記事を書くと、内容が辛口らしく、親韓の人から「お怒りメール」をいただくことがある。
先ほどの外務省の海外安全情報を載せただけでも、怒り出す人がいる気がする。
しかし、数字はウソをつかない。
「韓国では日本に比べ、殺人が約2.5倍，強盗が約1.2倍多く発生している」という客観的な事実はもっとも信用できる情報だから、それを前提に韓国で行動をしたほうがいい。そうすれば、きっと安全で楽しい韓国旅行ができる。

ちなみに、平昌五輪に行く人は、２〜３月は夜になるとマイナス２０度近くまで冷え込むこともあるらしいから、その覚悟をしておく必要がある。
それと念のために、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録しておくといい。韓国の最新の安全情報をすぐに受け取ることができる。

たびレジ：https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

 

 

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