【それは無理】韓国の「反日はやめないけど、関係は改善しろ」

 

桜が咲いたり新しい元号が発表されたりと、いろいろあって忘れていたけど、日本と韓国の関係はいま最悪の状態だった。
「1965年の国交正常化以来、いまほどひどい状態はない」といわれるほど冷え切っている。
なにかと意見の合わない日本と韓国だけど、この認識では一致。
でも日韓を見てみると、大きな危機感を感じているのはどうやら韓国のようだ。

きのう、中央日報のコラム(2019年04月01日)を紹介した。

過去に退行する韓日関係、これ以上は放置できない

「悪化坂」という坂を転がり落ちる日本との関係をこのまま見ているわけにはいかない。何とか前進させなければいけない。
それで「これ以上は放置できない」と力を込めるのだけど、関係悪化の最大原因である韓国の反日的言動を反省する様子はない。
慰安婦問題や徴用工問題で、韓国側が日本との約束を破ったことについてはガン無視。
韓日関係は放置できないけど、反日は放置するようだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。

日韓関係悪化にあせる韓国、でも自己中&身勝手はあいかわらず

このつぎの日、東亜日報も関係改善をうったえる社説(2019.04.02)を掲載していた。

最悪の韓日関係で大きくなる経済津波への憂慮 

韓国と日本の間ではこれまでにもいろいろな問題があったけど、今回の事態は別次元に深刻だ。
韓国側が日本政府に向かって「反省しろー!謝罪しろー!」と叫び、日本政府が韓国側に「きわめて遺憾だ」と返すだけではない。
きょねん韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じたことで、日韓の政治問題に企業が巻き込まれてしまった。
この判決は1965年の日韓請求権協定をひっくり返し、国際法にも違反するものだから、日本側は政府も企業も認めていない。認めちゃいけない。

でも韓国政府はこの事態を放置しているから、状況はますます悪化する。
たとえば、今年5月に開催を予定していた日韓経済人会議は流れてしまった。

韓国には日本政府の「遺憾砲」への耐性があるからそれはいいのだけど、「経済的ダメージをあたえられる」ということには心底おそれている。
でも、東亜日報は自分たちの過失を認めることなく、「現象面」だけを指摘する。

政治と経済の分離という不文律は比較的守られてきた。しかし、このルールが最近、崩壊一歩直前にまで来たのだ。

それを破ったのはあんたらの最高裁じゃん。
「崩壊一歩直前」って、日本企業に賠償命令を下したことが終わりの始まりじゃん。

 

不当な判決だけではなく、日本企業の財産が差し押さえられたという段階にまで来て、いま自民党のなかでは「日本企業への影響を覚悟してでも韓国に大きな打撃を与える経済制裁が必要だ」という具体的な対抗策を求める声もあがっている。

とはいえ、いまの日本と韓国の経済的な結びつきは深い。
だから韓国に対抗措置をとれば、きっと日本もダメージを負う。
でも、日韓では経済力が異次元レベルでちがうから、こうなった場合、より大きな痛みを感じるのは韓国だ。
なんとか激痛を回避したい韓国は、早急な関係改善をうながしている。

韓日両国の経済協力関係の悪化の出発点は政治なので、両国首脳が会って、絡んだ糸を解かなければならない。

 

政治家だけでなはく日韓の財界人にも、これ以上両国の関係が悪化させないことを求め、経済界でも「対話の扉を開かなければならない」とやや命令形で社説を終えている。

 

 

中央日報の「過去に退行する韓日関係、これ以上は放置できない」という報道も、東亜日報の「最悪の韓日関係で大きくなる経済津波への憂慮」という報道も結局は同じ。
韓日関係がこれ以上悪化したら、韓国経済が津波のような大ダメージを受けてしまう。だから、一刻も早く両国政府が話し合って関係を改善しないといけない。

韓国にはこうした危機感や切迫感があるのだけど、冷静な「ふり返り」はない。
ここまで関係が退行した原因は韓国側の合意違反にあるのだけど、それをどうするかについては、両紙とも何も書いてない。
そもそもそれを認めてもいない。
「2度あることは3度ある」というし、慰安婦問題でも徴用工問題でも一方的に約束を破られた日本としては、いまの韓国文政権から何を聞かされても信用できないだろう。
「いまは約束したけど、2、3年後にひっくり返すかもしれない」という相手と話し合って、どんな意味があるのか。

 

「信無くば立たず」で、まずは韓国側が信頼を回復させる必要がある。
そのためには「隗(かい)より始めよ」だ。身近なところから、言い出した者から行動を起こすべき。

日本大使館前の慰安婦像を撤去するとか、元徴用工へお金をわたすために韓国の政府と企業が基金をつくるとか、具体的な動きがないと話し合っても意味がない。
それがむずかしいなら、せめて韓国国会議長の「(天皇は)戦犯の主犯の息子」という無礼発言を撤回し謝罪させればいい。
「それは全部イヤだけど、韓国経済は危機的状況にある。だから、韓日両国は最悪の関係を早急に改善する努力をしろ」と言うのならもう一言しかない、アキラメロン。
「反日はやめないけど、関係は前進させる!」という熱意はただの矛盾。反日を「正義」と言い換えてもダメ。

「The worst is not, So long as we can say, ‘This is the worst」とシェイクスピアが言うように、「これが最悪だ」と言えるうちは、まだ最悪の状態ではない。
元徴用工らの弁護団、日本企業を追加提訴へ」という共同通信社の記事(2019/04/03)を見ると、最悪はこれからだ。

けっきょく韓国は、「To be, or not to be: that is the question(生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ)」というぐらいになるまで、反日を手放すことはないだろう。
「あきらめません、勝つまでは」の精神が好きなら、そうすればいい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。