韓国の考える韓日関係の改善策は、他力本願で日本に“期待”するだけ?

2019年5月7日の韓国紙・中央日報の紙面を見ると、日韓関係にフォーカスした報道がズラリと並んでいる。

・安倍首相、韓国を除いて「韓半島の非核化、周辺国と共有」
・【コラム】東アジアの未来、韓日の絆の再発見にかかる
・【コラム】文政権、韓日関係破綻すれば李明博元大統領のせいにするのか
・中国より米国側に近づいてこそ韓日関係が好転
・【コラム】日本「令和シンドローム」の正体
・「令和」の「和」は平和思想「日韓関係はゼロから改めるべき」

 

ここ最近の両国関係は、「過去最悪」と言われるほど悪化している。
この状態ではお互いにダメージを受けるが、どちらかというと、経済規模から客観的に考えると、韓国が受ける損害のほうが大きいだろう。
関係改善を訴えるこれらの報道には、そんな韓国側の“あせり”が表れている。

しかし、日本の立場から言わせてもらうと、韓国の「反日≒愛国」の体質が変わらないかぎり、大きな変化は望めない。
一方、韓国側は何かのきっかけで事態が「好転」することを期待しているようだ。

東アジアの未来、韓日の絆の再発見にかかる」というコラムを読むとそれがわかる。
ソウル市立大学の名誉教授・鄭在貞(チョン・ジェジョン)氏は、令和時代がスタートすると、短期的には韓日関係は悪化すると予想する。

新しい天皇は1960年、安倍首相は1954年生まれで、「戦後初めて権威と権力がともに戦争を経験していない世代になった」ため、これからの日本は「侵略戦争や植民地支配の負債意識から抜け出し」たからだという。

この見方は正しいが、間違いでもある。
先の戦争が終わってもう74年が過ぎている。
これは幕末から昭和初期に相当する期間で、江戸時代の行為に昭和の人間が贖罪意識を持つ必要はない。

それにこの間、日本は韓国と話し合って、二度も「最終的な解決」を確認している。
だから日本はこれから抜け出していくのではなくて、すでに多くの人が過去に区切りをつけて前を向いているのだ。

しかし、いまの韓国は違う。
文政権の韓国は「内政だけでなく対日外交でも積弊の清算が猛威を振るう」という。
「積弊の清算」というのは誤った過去を正していくという正義の作業で、日本についていえば、慰安婦問題や徴用工問題で「真の解決」を目指すことを指す。

「積弊の清算」は正義の側に立って悪を糾弾する行為だから、スカッとして気持ちがいいかもしれないが、善悪の基準があまりに韓国中心に傾いているため、いまの日本はこの動きをほとんど無視している。

韓国と日本はすぐ隣にいるけれど、視線は過去と未来と別の方向を向いている。
だから、コラムの筆者は韓日関係の改善について「奇跡」を期待するだけだ。

わずかな希望だが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍首相が心機一転し、過去をめぐる葛藤の解決を模索して共同繁栄事業を推進すれば、関係改善の道は開かれるかもしれない。

「心機一転」と書いているが、実質的には安倍首相側に方針転換を求めている。

 

しかし、これは短期的な展望で、令和時代を全体的に眺めると、韓日関係は良くなると筆者は考えている。
いま安倍首相と文大統領は「敵対」しているが、3年後に両者は任期を終えるからだ。

日韓でまったく別の人間がトップに立てば、対中国・米国・北朝鮮の観点で、お互いが「協力するのが有利だと判断し、お互い活用することになるだろう」と韓国の教授は分析する。
結論として、「3年後に期待しよう」と訴えるが、これは「あと3年間はあきらめよう」と言っているに等しい。

 

では、安倍政権と文政権が終われば、日韓関係は変わるのだろうか?
こんな言葉を見る限り、その可能性は金沢の金箔より薄そうだ。

日本で令和時代が開幕したのをきっかけに韓国と日本が過去の懸案を賢く克服し、韓日関係の歴史を相互和解の観点で新たに確立することを望む。

 

「過去の懸案」については、1965年と2015年に日韓両政府が話し合ってすでに解決しているではないか。

「相互和解の観点で新たに確立することを望む」なんて書いているが、いまの日韓関係は上の合意にもとづいて成立しているのだから、いまさら新しく確立するものはない。

大事なことは、韓日が「賢く克服し」ではなく、約束をしっかり守り続けることだ。

 

文大統領の「過去清算」に批判的なこの教授も、結局は過去にとらわれている。

「東アジアの未来は韓日関係にかかっている。だから韓日は仲良くしないといけない」と強調するが、その改善策を見ると、一周まわって結局は「過去の克服=日本の反省と謝罪」にいきつく。
日本はもうそんな議論に疲れ果て、まともに相手にしていないというのに。

 

厳しい言い方だが、「過去の懸案」は韓国内に存在するものだから、それは独力で克服してもらわないと困る。
時代やトップが変わっても、「自分で自分を変える」という発想が出てこない限り、韓日関係は3年後もきっと変わらない。

韓国側が「他力本願」から脱却して、自主的に変化することが求められる。
自分たちが歴史問題の解決に合意した事実を受け入れ、それに応じた行動をする必要がある。
それをしないで日本に歩み寄りを求めると、いつまでも「期待」しているだけで、日韓関係が好転することはない。

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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