【hentaiの国】「ラブライブ」のポスターが大炎上したワケ

 

静岡県西部に住むボクが「沼津」と聞いて、まず頭に浮かぶのはアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」。
沼津はファンの聖地になっていて、全国から「ラブライバー」という名の信者がここを巡礼に訪れる。
ラブライブによる経済効果はばく大だ。
「ゆるキャン△」で少し紹介されたぐらいの浜松市民としては、うらやましいこと山のごとし。

でも、地元の「JAなんすん」が特産品の西浦みかんをPRするために作ったポスターがいま大炎上している。
「ラブライブ!サンシャイン!!」の主人公「高海千歌(たかみちか)」をデザインしたのはよかったけど…。

 

ラブライブ!シリーズ公式ツイッターのキャプチャー

 

富士山はよし。
その前に広がる駿河湾もよし。
でも、高海千歌のスカートが短すぎる、股間のY字が不自然だといった批判が殺到。
すると今度はこれを支持する人たちが参戦して、ネットバトルが始まった。

批判と擁護のそれぞれの意見を見てみよう。

・なんで公共の場で貼るポスター絵のスカートが透ける必要があんだよ
・わー、萌え絵の股間だー、ありえないやつだー
・公式のこういう態度は女の子のファンは嫌な気持ちになるよ。よく考えて欲しい。

これに対して支持者はこう擁護。

・一部のフェミ(笑)の方々が騒いでおられますが、それに惑わされず、変わらぬ運営をお願いします。
・これを見て抗議するのは下半身に視線が行く変態だけ
・応援してます!!どんなクレームやネガキャンが来ようと私達ライバーは味方ですよ!

 

ボクの見方としてはこれはNG。
どんな風が吹けば、股間にあんなY字型の陰影ができるのか。
ラブライバーをターゲットにしぼってこの絵にしたのならいいけど、子供連れの主婦がこれを見てみかんを買いたいとは思わないだろう。
老若男女の誰もが目にする公共性の高いポスターにこれはない。
一部の「ヲタ」とそれ以外の人の需要や感性は、明確に分けて考えるべきだった。

 

数年前の絵は健全だったのに

「JAなんすん」のホームページのキャプチャー

このほうが「沼津の元気、ぎゅぎゅっと!!」がしっくりくる。
あのY字は完全に意図されたもので、一部アニメファンのエロ目線の応えたとしか思えない。

 

先ほど擁護派に「下半身に視線が行く変態だけ」という言葉があった。

この変態という日本語はいまや「hentai」という英語として世界に輸出されている。
日本でいう変態の意味なら「pervert」が近いけど、海外の外国人が「hentai」と言う場合はポルノ作品のこと。
オックスフォード辞典にも載っている「hentai」の起源は不明だけど、日本のアニメ事情にくわしい外国人が1990年代の同人誌に関係があると指摘する。

これは英語版ウィキペディアの説明。

The origin of the word in English is unknown, but AnimeNation’s John Oppliger points to the early 1990s, when a Dirty Pair erotic doujinshi (self-published work) titled H-Bomb was released

Hentai

 

エロ同人誌がきっかけで「hentai」が全世界に広がっていって、ポルノ作品の意味になったようだ。
日本で言う「成人漫画」「エロアニメ」「エロ漫」などは、海外では全部まとめて「ヘンタイ」というジャンルに分類されるのだ。
さらに日本のエロは海外とは違って特殊らしい。
くわしいことは分からないけど、「萌えエロ」のことじゃないかと思う。

知り合いのドイツ人、トルコ人、インドネシア人、ロシア人が「hentai」という言葉をこの意味で理解していたのを知ったとにきは衝撃を受けた。

海外でも有名だけど、日本とは意味が違う「ヘンタイ(変態)」

 

では、改めて見てみよう。

 

日本語も事情もまったく知らない外国人がこのポスターを見たら、「hentai」をイメージしてもおかしくないと思う。
隣の女性も、みかん大使とは別の仕事の人に見られたりして。
小学生が街でこういうポスターの前を通る状態は、日本にとって名誉なことじゃない。

 

 

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13 件のコメント

  • これは私もちょっとって思いますね~。 どうしても「Y」にしたいなら私服でショートパンツにすればいいのに。
    そしたら不自然じゃないと思います。 せっかく可愛いのにー書いた人はなんでそうしたんだろう?(>_<)
    「ゆるキャン△」追っかけ配信で見てます。 

  • 股間のY型の影もさることながら。日本アニメは、この手の少女系・ロリ系のエロスに対して許容レベルが広すぎると思いますね。海外では、正常なエロスの対象にしてよいのは大人の成熟した女性だけです。少女や幼児をエロスの対象にすることは児童ポルノの一種であり、通常、犯罪行為として扱われる。この絵も欧米基準では犯罪行為にスレスレです。
    そういう観点が海外では一般的であることを、日本人はもっと知るべし。日本アニメは他のところで十分に勝負できるでしょ?

  • ショートパンツならいいですね。
    うけねらいで変な方向へ走っていったようです。
    でも結局、この企画は中止になりました。
    やっぱりみかんのPRであれはダメでしょう。

  • 日本のアニメは不必要なエロシーンが多いです。
    あれではそういう層以外の人たちを遠ざけてしまいますよ。

  • まぁこのポスター数年前のだけどなw
    なんで当時文句言わず今ごろになって言うの?

  • このポスターは2020年2月のもので、きのう企画の中止が発表されました。
    運営側も不適切だったと認めたのでしょう。

  • これに関しては反対派の過剰反応だと思います
    健全な子供ならこれを見ても性的だと感じないからです
    ただ、それはそれとして性的描写をする意味はあったのかとの疑問はあります
    Hentai的なオタクコンテンツ以外でも性描写を意図してるものは日本にたくさんあるのにHentaiだけ色々言われるのは適切な場以外で使われたり過剰な描写だったりするからだと思います
    性的描写を楽しむのは悪ではなくむしろ本能に従った善だと思いますが節度を守ることはしてほしいです

  • そもそもエロが公共の場にあってなにか問題があるんですかね?少なくともこの絵は18禁じゃないですし。

    あと、現実じゃない絵だから現実通りにならないんですよ。不自然な表現があって当たり前です。

  • みかんのPRであの股間はマズいです。
    結果的にみかんやラブライブ側にマイナスでしょう。
    公共性の高い空間にあった表現をするべきでしたね。

  • 問題があったからJA側はポスターを撤去したとおもいますよ。
    じゅうぶん魅力的なキャラだから、あんな下半身にする必要はありませんでした。

  • あともう一つ、欧米に特有の事情として、この手の「幼児エロス的な」「自動ポルノまがいの」「hentaiアニメ系列の」作品の愛好者に対する、保守的上流階層からの蔑視傾向が、日本に比べてものすごく強いですね。日本だったら「まあこの手のアニメが好きな大人も、社会的地位はどうあれ、趣味の範囲でそりゃいるだろう」程度にみなされると思うのですが。欧米諸国だとたいていその程度の話では済まない。下手すると、そんな趣味があることを知られただけで特定の世界では排除されてしまうほど、蔑視・迫害の対象とされ黙殺されてしまう場合もあります。麻薬使用歴があるよりも「ダメ人間」とみなされてしまう可能性だってあります。
    こういうのって一種の「人種差別」に近い考え方だと思うこともしばしば。
    もしも海外へ行ったなら、そういう世界もあるってことを知っておくほうがよいかもしれません。

  • これだけ炎上したのは過剰に分断させたフェミニストのせいだと思います。

    リベラルにしてもフェミニストにしても、日本だけ色が違うと思うのは私だけでしょうか?(; ̄ー ̄A

  • 見方は人の価値観の数だけあります。
    個人的にはららぽーとやみかんのPRであの股間は必要ないとおもいます。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。