【中国人と靖国神社】日本で“辱華”のタブーを犯した俳優が炎上

「ホームレスの命はどうでもいい。」
「生活保護の人に食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思うんで」

最近、自身のYouTube動画の中でこんなことを言ったメンタリストさんが大炎上し、本人はすぐ謝罪したけどまったく鎮火せず。
いまの日本社会で、弱者を蔑視・差別するようなことを言ったら即アウト。
こうしたタブーはどこの国にもあって、お隣の中国では反政府的、または国民感情を傷つけるような言動は最大級の地雷となる。
それでついこのまえ人気俳優のチャーハンが、じゃなかった、チャン・ジョーハン（張哲瀚）さんが過去の”悪行”が問題され大炎上した。

この俳優の“罪”は２０１９年に来日した際、靖国神社と乃木神社で写真撮影をしてそれを自身のSNSにアップしたこと。

どちらも旧日本軍の軍人を祀る神社だから、そこで笑顔を浮かべる写真を公開したことは、中国人にとっては許せない、中華民族への裏切り行為になる。
一般国民がチャンさんを袋叩きにしたのは言うまでもない。
中国共産党機関紙の人民日報も「公的な人間がこれほど歴史の認識に欠け、民族の苦難について無知なのはあってはいけない。重い代償を払わなないといけない」と強烈に批判する。
見渡す限りの平原に立ち、３６０度から砲火をくらったチャンさんはすぐに降伏。「過去の無知な自分を恥じます」、「これからは実際の行動で愛国を示して、自分を厳しく律していきます」と謝罪や反省を述べた。

たぶん中国ではホームレスや生活保護の人をバカにすることより、この「反民族行為」のほうが重罪だろう。
この一件で彼に対する評価はガタ落ちして、１日で25社からイメージキャラクター契約の打ち切りを打ち切られた。
このへんはスピードが勝負だ。
早く契約の打ち切りを発表して愛国をアピールしないと、会社が事故に巻き込まれて大損害を受けてしまう。
中国社会において会社や製品が靖国神社と関連付けられると、取り返しのつかないことになる。

今回とはまったく別件でまえに知人の中国人と話をしていたとき、彼は靖国神社を「悪魔の城」と表現した。
あくまでも中国人目線なんだが、靖国神社には「邪悪なモノが集う恐ろしい場所」というイメージがあるらしい。
日本全国で、中国人が笑顔の自撮りをSNSにアップするスポットとして、ここ以上に非難を浴びる場所はきっとない。
もし皇居で撮影したものだったら、１日で25社から切られる大事にはならなかったはず。

でも同じ隣人でも、台湾人の見方は違うらしい。
この一件を知った台湾人が、うんざり気味にSNSにこんなメッセージをする。

「アジア某大国の某男性芸能人は東京ヘ旅行に行って、観光名所の靖国神社の前で記念写真を撮りました。
今週その理由ですべてのCMは取り消されてしまいました。原因は【辱華】です。
観光名所の前で写真を撮っただけで、売国の罪があるなんて、想像つかないですね。
台湾でも【忠烈祠】がたくさんあって、その前で記念写真を撮っても全然問題ないです。」

なるほど。
この場合は「華＝中国」だから、この行為は中国を侮辱するということで「辱華」と表現するのか。
＊日本いる中国人が、母国をボロカス批判する中国人を「精神亡国者」と呼んで怒っていた。「辱華」も似たような意味と思われ。

この文面を見る限り、台湾なら靖国神社で記念撮影をしても大きな問題になりそうにない。
中国では「辱華」がけっして触れてはいけない、最大級のタブーであり地雷だ。
中国人を相手にする企業が、絶対に避けないといけないのがこのイメージと結び付けられること。このもらい事故はこれ以上ないほどの迷惑。
ただ「辱日」なら、これに怒る日本人もいれば賞賛する日本人もいるから、ここまでの騒ぎにはならない。