日本に広がる「嫌韓」のモト、韓国の謝罪要求に変化あり?

 

韓国の全国紙「朝鮮日報」にきのう(2021/12/21)、旧西ドイツのブラント元首相が第2次大戦直後の5年間、アメリカのスパイとして活動していたという記事が載っていた。
でもこれは日本と関係ないから華麗にスルーするとして、意外な印象を受けたのがこの記事と一緒に掲載されていたこのコラムだ。(2010/07/20)

日本の謝罪談話、ブラントを参考にせよ

 

日本に「謝罪せよ」と上から目線で迫る内容は左派のハンギョレ新聞に多い。
日韓関係を重視する保守派の朝鮮日報は、そんな対日強硬路線とは一線を画しているけれど、10年前は同じような報道をしていたのか。

このコラムが出たとき、日本では翌月8月29日に韓国を併合してから100年目になることから、「日本の首相が韓国への植民地支配について謝罪する談話の発表を検討」していたという。
コラムはその内容にこんな注文をつける。

・周辺諸国が、「日本は本当に心から謝罪を行った」と信じるようになるまで、謝罪は繰り返されるしかない。
・侵略から100年という大きな節目の年にあっても、被害を受けた国民の心を動かすことができないとすれば、今後も空虚な謝罪は終わらないだろう。
・重要なのは、外交的表現のレベルについて調製することではなく、過去の過ちに向き合い、真に正直な姿勢で韓国人の心を動かすことだ。

過去の謝罪で、韓国がよく理想とするのがドイツだ。
1970年にポーランドを訪問したブラント首相は、ワルシャワにあるユダヤ人犠牲者慰霊碑の前でひざをついて謝罪した。
コラムによると冷たい雨が降るなか、傘もささずに涙を流しながらドイツの過去を謝罪するブラント首相に、ポーランド国民は心を動かされた。
そしてポーランド人の許しを得たことで、「ドイツは完全に生まれ変わった」という。

日本はこんなブラント氏を参考にして、来月には「真実の謝罪」を見せることで、「日本による韓国への謝罪は、今年8月に本当に最後になってほしいものだ。」と金泰翼(キム・テイク)論説委員は書く。
2010年8月29日に、日本の首相がどんな演説をしたかしらんけど、その後も韓国が謝罪要求を繰り返したことは言わずもがな。

 

ブラント氏による「ワルシャワでの跪き

 

韓国にとって、日本の「謝罪すべき過去」の代表的なものは慰安婦問題だ。
この問題に対する日韓の認識は天と地、銀河系の端からハシほどの隔たりがあって、両国関係を遠ざける大きな要因になっている。
2015年に日韓両国が「最終的な解決」を確認し、当時の安倍首相が「心からのおわびの気持ち」を表明したことで、慰安婦問題は大きな区切りをつけた。はずだった。

でも文政権がその後も、「真実の謝罪」を繰り返し求めてきたことが響いて、日本では疲労や嫌気が広がり、19年に行われた世論調査では、慰安婦問題について「韓国側」に問題があるという人は67.7%、「日本側」は3.7%という圧倒的な結果が出た。
日本では約束を破る韓国側の態度を問題視している人がほとんどで、「日本が謝罪すべき」という人は例外中の例外。
そんなことから、日本人の8割が「韓国人は信用できない」という認識を持つようになる。

この世論調査は中央日報の記事にある。(2019.02.19)

日本メディア「日本人77% 韓国人信用できない」

同じ年の読売新聞の社説も、文政権が何度も歴史問題を持ち出して非難することから、日本では「嫌韓」が広がっていると指摘した。(2019/06/12)

対韓感情の悪化 「歴史蒸し返し」への苛立ちだ

 

ただ韓国でも意見はイロイロある。
文大統領やそれに近い左派の人たちは謝罪要求をライフワークのように考える一方で、保守派の人たちはソレとは距離を置くようになった。
朝鮮日報でここ数年、日本に「謝罪せよ」なんていう、まるでハンギョレ新聞のような文章を見た記憶がない。

朝鮮日報ほどじゃないけど、同じく保守系に分類される中央日報も半年ほどまえに、文政権は韓日関係を改善するどころか、「むしろ反日情緒をあおって両国関係を悪化させた」とコラムでこう非難した。(2021.07.29)

国民を親日と反日に分け、韓日関係を心配する保守勢力を「親日派」に追い込んだ。支持者を結束させて支持率を引き上げる国内政治戦略だった。その渦中に元慰安婦や独立活動家のためだという市民団体の物乞い商売、機会主義者らが私腹を肥やした。

独が占領した仏でも「悪いフランス人」が危険だった…何のための反日

 

日本に繰り返し「真の謝罪」を要求する理由はなにか?

政治家はその姿を市民に見せることで支持を集めていたし、市民団体は寄付金などをゲットしていた。
元慰安婦などの「被害者」ではなく、自分のために活動しているコトが判明して、冷めてしまった韓国国民も多いはずだ。
本当に「何のための反日」なのか?

保守系メディアも「過去の過ちに向き合い、真に正直な姿勢で韓国人の心を動かすことだ。」と言っていた10年前と違って、韓日関係を心配する勢力を中心に韓国人の意識も変わってきているのだろう。
いまの日本人にそんなことを言えば、韓国への拒否感が広がることは3.7%という数字が証明している。
案外あちらも、謝罪要求の繰り返しに疲れてたりして。

 

 

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2 件のコメント

  • > 文大統領やそれに近い左派の人たちは謝罪要求をライフワークのように考える一方で、保守派の人たちはソレとは距離を置くようになった。
    (中略)
    > 保守系メディアも「過去の過ちに向き合い、真に正直な姿勢で韓国人の心を動かすことだ。」と言っていた10年前と違って、韓日関係を心配する勢力を中心に韓国人の意識も変わってきているのだろう。

    ははは、残念ながら、その分析は「保守派」と「進歩派(≒反日派)」の双方の構成年齢層に対する考察が抜けています。率直に言って、保守派は高齢者、進歩派は若年層に多いと思う。しかもこれから韓国社会をリードしていくであろう成績優秀な若者ほど、反日思想を強固に植え付けられている傾向にある。そのことは、韓国内で長年にわたり積み重ねられてきた反日教育の成果(?)なんです。
    ネット民の発言なんぞ、韓国社会全体の動きに及ぼす影響は微々たるものですよ。ネットの声よりもローソクの炎の方が韓国でははるかに強いのです。
    高齢者はいずれ世の中から消えていきます。したがって、今後暫くは、韓国の反日感情は収まるどころか広まるばかりであろうというのが私の予想です。別にそんなことを望んじゃいませんが。

  • >保守派は高齢者、進歩派は若年層に多い
    >成績優秀な若者ほど、反日思想を強固に植え付けられている傾向にある。

    知人の韓国人は若者層は反日にはあまり関心がないと言います。
    実際、若者層で日本の文化は人気で、ソウルにオープンした日本のイメージした施設は若い人たちで埋まっています。
    それと韓国でネットの声はとても強いです。

    「2万ウォンで日本旅行」 韓国若者世代が集まるソウル郊外の奇妙な場所
    https://japanese.joins.com/JArticle/285950

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。