【京都 vs 滋賀】決めゼリフ、“琵琶湖の水止めたろか”の威力

台湾の中心都市・台北は経済や現代文化において、他の都市とは比較にならないぐらい栄えている。（らしい）
それで台中出身の台湾人は、台北人には自分を高いステージに置いて、他を見下ろすようなところがあると言う。
それで台湾では『ワンピース』を元ネタにして、台北人を「天龍国」に住む「天龍人」と呼ぶことがある。

日本でそんな誇り高い人たちがいるとしたら、それは京都人だろう。
「京都に来るのなら、事前に下調べをするのが常識です」という考え方を持つ京都人は多く、外国人が「京都には何か観光スポットがありますか？」と無邪気に質問したら、ボコボコにたたかれた。

【日本の天龍人】京都人に“フルボッコ”にされた外国人さん

ボクは京都に４年間住んでいたから、観光客ではなく住民目線から、京都人の素の部分をそれなりに知っている。
静岡県出身だから客観性もアリ。
その経験から言わせてもらうと、京都には滋賀に対して「上から目線」の態度をとる人がいて、滋賀県民に聞くとそんな話をしてくれる。
匿名の書き込みだから無責任だけど、本音は出ているネットの掲示板（京都vs滋賀）を見ると、主に京都人によるこんなカキコがある。

・まとめてみると京都府滋賀町（琵琶湖付）。その程度の認識に落ち着く。
・滋賀県は植民地で、滋賀人を「滋賀やん」と侮蔑をこめて呼ぶ。
・滋賀には独自の新聞会社がないから京都新聞のなかに滋賀だけのページがある。
・「滋賀ナンバー」の車を「げじナン」と呼ぶ。
・滋賀県民が「京都から来ました」と言ってるのを聞くと笑ってしまう。
・新聞は京都新聞、そしてJRは京都支社。

対して滋賀県民の反応は？

・滋賀人は冗談のわかる温和な人種なので、京都人に何を言われようとも京都を敵視することはない。
・米原以南もまとめて京都線になりかけて、県民マジ切れしてましたね
・比叡山の所有権争いは永遠に続く
・べつに争っちゃいませんよ？ありゃ滋賀のもんです。少なくとも、延暦寺の住所は滋賀県ですｗ

で、「京都 vs 滋賀」の不毛な論争が続くと、滋賀県民はよくこんなことを言う。

・京都人は滋賀をバカにするが、琵琶湖疏水を止めてしまえば京都市の都市機能はあっけなく崩壊してしまう。

京都人・大阪人にバカにされた滋賀県民が、すべてを逆転するジョーカーとして放つ、一撃必殺のセリフが「琵琶湖の水止めたろか」。
日本最大のこの湖はむかしから「近畿の水がめ」と呼ばれ、京都や大阪に水道水や農業用水を提供してきた。

「それを止めてしまえばどうなるか、その先は言う必要ないですよね。自分で考えてみてください」という意味で、滋賀人はまるで京都人や大阪人の生殺与奪権を握っているかのようにこの言葉を言う。（こともある）
個人的にも、京都人のいないところで、滋賀県民がキメ顔でこう言ったのを何度か見た。

でも実際には、湖水の出口である瀬田川と琵琶湖疏水はそれぞれ国と京都市が管理しているから、この言葉に特に意味や効力はないのだった。