日本はことし11月、海上自衛隊創設70周年の観艦式をおこなう予定で、隣国を公式に招待した。
観艦式は日本の首相も参加する重要なイベントで、外国のゲストを招いて行う友好親善の意味もある。
だからこそ韓国政府は困った。
「戦後最悪」と言われる日韓関係を改善したいと考えるユン政権としては、これはその絶好の機会なんだけど、旭日旗を「帝国主義戦犯旗」と憎悪する国民感情を無視するワケにはいかない。
なんせ2018年の”悪夢”はまだ記憶に新しいのだから。
この年に韓国が観艦式を開催することになって、日本の海上自衛隊を招待する。が、旭日旗を掲げた艦船が韓国内に入ってくると分かり、国民が反発し大騒ぎになった。
韓国は日本に旭日旗を下ろすよう求めたけれど、これは法律で決められていることだから、下ろす/下ろさないの選択肢はなく、日本はこの旗を掲げないといけない。でないと法律違反になる。
それでも韓国側が国民感情を理由に、下ろすよう要求してきたことで、日本は式への出席を辞退した。
こんなことがあったのに、堂々と旭日旗の翻る日本の観艦式に、韓国が参加するというのは国民感情が許さない。
だから韓国政府は「参加を検討しているが、確定したわけではない」とハッキリさせないアイマイ戦術にでた。
国内だけを見ている人は、大声で反対を叫んでいられる。
でも、海外の視線を気にしないといけない人は、国際常識も考慮しないといけない。
結論からいうと旭日旗を下ろすというのは、韓国内では”正義”だけど、世界的には非礼で非常識だ。
旭日旗(自衛隊旗)について韓国軍の消息筋はこう言う。
朝鮮日報(2022/08/22)
「自衛隊旗は国際的に認められている軍旗で、最近ハワイで開かれた(『環太平洋合同演習』の)リムパックなど海軍と日本の海上自衛隊が参加する多国間訓練でも当然使われた」
韓国 海自観艦式への参加検討=旭日旗問題再燃か
訓練では韓国を含めどこの国も、旭日旗に文句は言わなかった。
国際的には問題なく、これを問題視する発想が特異だから、「自衛隊旗を理由に日本の観艦式に参加しないことは合理的ではない」と韓国軍の関係者は述べる。
”反日的”な国内世論と世界の常識との間に挟まれた人が、頭をかかえるのは「韓国あるある」のひとつ。
4年前には、旭日旗を掲げた自衛隊の艦船が観艦式に参加することについて、国会で質問された国防部長官(防衛大臣)は苦しそうにこう言った。
中央日報(2018.10.02)
韓国国防部長官、旭日旗問題に「国際慣例に従うほかない事案」
国民感情はよ~く分かる。
でも、国防部長官の立場としては、国際社会の常識や慣例を優先するしかない。
旭日旗を下ろすよう求めることは、国際慣例に合わない非常識な振る舞いなのだ。
同じころ、「韓国政府が国際社会に公式に提起すべきではないか?」という声が上がり、それについて質問された外相は「もう少し多くの考慮事項があると思う」、「いかなる方案が可能か、また適正か検討したい」と苦しまぎれに言ってその場をしのいだ。
中央日報(2018.10.05)
韓国外交部長官「国連に旭日旗問題提起の有無は…」
国内の空気に合わせて、「日本の侵略の正当性を通そうというもの」と怒るだけの人とは違って、国防部長官や外務大臣はそんな無責任ではいられない。
だから、「従うほかない事案」「検討したい」とアイマイ戦術を使う。
世界を舞台に活動する人ほど、国の内外の常識や価値観の間にはさまれて苦しくなる。
韓国ではよくあること。
韓国が2015年に日本の観艦式に参加したときは、今のような混乱はなかった。
この外務省の動画のように2012年には、旭日旗を掲げた自衛隊の艦船が韓国内へ入っていける空気があったのに、「旭日旗アレルギー」は徐々に強くなっている。
国内で反日世論を高めた結果だ。
それで苦しむ人は気の毒ではあるけれど、自業自得やブーメランの指摘は避けられない。
幼い頃、学校から徹底的に反日教育を受けたため、国際的常識でも韓国では通じない場合があります。結局、韓国は自ら世界の先進国入りを誇らしく思っていますが、国際社会の一員にはなれないということです。旭日旗だけを見ると発生するアレルギー反応は韓国の病気です。
国の内外の目を気にしないといけない人はホント大変です。
いつも思います。
でも、韓国は全体的には変わらないでしょうね。