「できるなら なってみたいな 世界一」
きょうは9月6日ということなんで、こんな句を詠んでみました。
1522年のこの日、ヨーロッパ人が人類で初めて世界一周の快挙を成しとげた。
その人物の名はマゼランじゃないよ、エルカーノだよ。
スペイン王・カルロス1世の協力を得て、マゼランは5隻の船団を率いて1519年にスペインのセビリア港を出発し、世界一周の航海に出た。
でもマゼランはその半分ほどの地点、フィリピンで英雄ラプラプに殺されてしまう。
だから1522年9月6日に再びスペインへ戻ってきて、人類で初めて世界周航を成功させたのは、マゼラン艦隊で唯一生き残ったビクトリア号の船員だ。
その時には霊体になっていたマゼランはそれを空から祝福しただけ。
スタートした時には265名いたのに、最終的にはビクトリア号の船長エルカーノを含めた18名だけになってしまった。
「世界一周ガチャ」はすさまじく過酷だったらしい。
でも、いまのインドネシアにあるモルッカ諸島から持ち帰った香辛料によって、乗員たちはとんでもない金持ちになったし、船長はその功績や強運につり合う名誉を得ることもできた。
フアンに対してはこの航海における功績により地球の図に「Primus circumdedisti me(ラテン語で“我を一周せし最初の者”の意)」という文字を配した紋章と生涯にわたる多額の年金がカルロス1世より与えられた。
フアン・セバスティアン・エルカーノ
人類初の世界一周を達成したのはスペイン人のエルカーノなのに、いま世界的なカン違いが発生していて、ポルトガル人のマゼランにその名誉が与えられている。
マゼランはポルトガルが誇る偉人で、2017年にポルトガルは「マゼランルート」に世界遺産の資格が与えられるようユネスコに申請した。
そんなことから「いやいや、それはおかしいでしょー」と、理不尽な状況を変えようとするスペイン人もいる。
スペイン王立歴史アカデミー会長のカルメン・イグレシアスはこう強調した。
朝日新聞の「GLOBE+」の記事(2019.11.04)
「いつもマゼランばかりに関心が寄せられてきた。しかし、皆さんは知るべきだ。最初の世界一周はスペイン国王が企画したのであって、費用もスペインの財政でまかなわれ、偉大な、しかし不幸にも忘れ去られたスペインの航海士によって成し遂げられたのだ」
マゼラン出航500年 「本当の世界一周は我が国の航海士」と訴えるスペイン
ということで歴史の事実に基づいて、人類で初めて世界を半周したのはマゼラン、一周を達成したのは「フアン・セバスティアン・エルカーノ」と覚えておこう。
ちなみに、アメリカ大陸に初めて上陸したヨーロッパ人を「コロンブス」とカン違いしている人はいないだろうか?
実際にはレイフ・エリクソンだ。
【コロンブス交換】ヨーロッパ人が日本やアメリカ大陸へ伝えたもの
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