【君側の奸】20%中抜き 徴用問題の解決をジャマする市民団体

 

中国で皇帝は天帝に選ばれた天子で、いわば聖域にいたから誰も手を出すことはできなかった(基本的には)。
それで明の皇帝・建文帝と対立した朱棣(しゅき)が困った。
「建文帝を討て」と言うのは「皇帝殺し」と同じだから、それは言えなかった朱棣は建文帝の側にいる悪者を討って皇帝を助けると言い出し、1399年に「靖難(せいなん)の変」を起こす。
*靖難とは君難を靖んじる、君主の禍を無くすといった意味だ。
側近の悪いヤツらを排除する、皇帝のために「君側の奸(かん:悪者)」を討伐するというのなら戦いを起こす大義名分になる。
でも、実際にはこれはタダの建前で、朱棣は建文帝を倒して自分が皇帝(永楽帝)になった。

日韓関係を「戦後最悪」にまで悪化させた元徴用工問題についても、「君側の奸」のように見えてしまう人たちがいる。
まず韓国政府にとって元徴用工は“被害者”という立場にいるから、最大限、その意見は尊重しないといけない。
“聖域”にいるようなものだから、政府が非難したり否定したりすることはまずできない。

2018年に韓国最高裁が日本企業へ賠償を命じると、日本側は国際法違反と反発し、原告側と支援団体は日本企業の資産現金化の手続きを進めた。
そうなったら日韓関係はジ・エンド。
だから現金化をとりあえずストップさせるために、尹(ユン)政権は去年の夏、最高裁へ意見書を出した。
でもこうなると、現金化が遅れるから原告側は反発する。
そんななか外相が原告と直接話をしたいと言うと、原告を支援する市民団体は、原告と会う前に政府は意見書にを撤回し謝罪することを要求した。

朝日新聞(2022年9月1日)

韓国外相、徴用工訴訟の原告と2日面会 支援団体「会う前に謝罪を」

撤回や謝罪なんてできるワケない。
不可能な要求を出したのは、外相と原告が直接話し合うことを市民団体が嫌がったとしか思えない。

 

そんな市民団体が朝鮮日報の独自取材によって、原告(被害者)とこんな“契約”を交わしていたことが発覚。(2023/05/23)

「徴用工賠償金、受領時に20%支払う」…韓国の市民団体、11年前に被害者と合意していた【独自】

日本企業からどんな形であれ原告が金銭を受け取る場合、その20%は支援団体へ支払われることになったいた。
最高裁の判決によると賠償金は2億ウォン(約2100万円)だから、市民団体は400万円以上をもらうことになる。
スゴイと思ったのはこの2点だ。

・原告より先に受任者が金銭を受け取り、その20%を支援団体に支払う仕組みになっている。
・原告は合意文書に印鑑か拇印(ぼいん)を押した。

日本企業から賠償金の支払いがあった場合、その名目が損害賠償金、慰謝料、和解金でも何でもまず“受任者”がもらって、そこから20%抜いた額を原告に渡す。
原告が市民団体に渡すのかと思ったら、これじゃ日本語でいう“ピンハネ”だ。
しかも市民団体がカネを受け取るこのシステムを、後で原告が動かせないように印鑑や拇印を押させる。
遺族がこの合意を知ったのは最近というから闇は深い。

でも、これには死角があった。
韓国政府は韓国企業から寄付を集めて、そのお金を原告側へ渡す解決案を提示していまそれを進めている。
市民団体はこの事態を想定していなかった。
合意には「日本企業から」という条件があるから、これだと20%をゲットできるか分からない。
尹政権がこの解決案を発表した時、市民団体があれほど猛烈に反対したワケが見えてくる。

「戦いを国民が見守っている」
「私たちが最後まで共にある」
「被害当事者の孤独な戦いを放置しない」

と市民団体は正義や善意を強調するが、それが“有料”だったことは11年も黙っていた。
原告の拇印までもらっていたと知ると、言うことすべてがうさんくさくなる。
1人当たり約400万だから、人数が増えればそれだけこの市民団体のリターンも大きくなっていく。もう悪魔のシステムだ。
原告の遺族の一部は政府の解決策に賛成して、すでに約2億ウォンを受け取っている。
*これは韓国のお金だから“受任者”は飛ばされたらしい。
それでいま韓国の外務省サイドは「支援団体が合意文書を根拠に金銭の支払いを要求することもあり得る」と警戒しているという。
そもそも政府の解決策に断固反対しておきながら、その案に沿って受け取った原告側に、20%の支払いを要求するのは筋が通らない。
この市民団体が問題解決の“ジャマ”になっているのは、こんなことからも分かる。

政府案に反対し、内容証明郵便まで送付した生存者1人が方針転換を検討していることが明らかになると、支援団体は受け入れ意思を撤回するよう求める趣旨の文書を送った。

 

「私たちが最後まで共にある」というのは、原告を自分たちのコントロール下に置くことを意味していたようだ。
市民団体が印鑑や拇印をもらったのは、こういう心変わりを恐れたからだろう。

韓国の市民団体といえば最近、中央日報がこんな不正行為を糾弾した。(5/17)

国家支援金を財布に入れる破廉恥な市民団体=韓国

国からもらった支援金で孫に馬を買っげあげたり、約120万円で随意契約をした後、娘名義のペーパーカンパニーを通じて流用した市民団体があったことが分かった。
それで、「市民団体の道徳不感症を赤裸々に見せている」「自身と家族・親戚のポケットを満たす一部の人は市民運動の領域から退場しなければいけない」と中央日報は激おこ。
2021年には「ソウル市の金庫が市民団体専用ATM機に転落した」とソウル市長が嘆いたという。
原告から20%もらう約束をし、拇印まで押させた人たちも「破廉恥な市民団体」に入れていい。
元徴用工問題をスムーズに解決するためには、支援を称してジャマをする「君側の奸」も退場させないといけない。

 

 

韓国人のカン違い。「東方礼儀の国」という実は屈辱的な言葉

韓国の「自称正義」を疑え 慰安婦団体の元トップに有罪判決

慰安婦問題の解決から6年、いまの日本と韓国政府の立場

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4 件のコメント

  • 韓国の市民団体は事実上「利益団体」です。
    市民団体はほとんど左派性向であることも特異なケースですね..
    いろいろと韓国社会は混沌の中に陥っているようです。

    あ、一つ修正しなければならないことがあります。
    ブログのオーナーがユン大統領のことを「伊」と書きますが、誤記です。「尹」です。
    「伊」の韓国式発音は「イ(yi)」です。

  • 日本の市民団体がどうか分かりませんが、慰安婦・徴用工問題の支援団体はやっていることがヒドイですね。
    「伊」の誤字のご指摘をいただき、ありがとうございました。
    日本語の「ユン」は尹も伊もあってつい間違えてしまいました。

  • そうだったんですね。
    私は日本では「尹」を「伊」と書くこともあるのではないかと思って少し迷ったのですが、日本の新聞を見たらそこに「尹」と書いてあったのでお知らせしたのです。 もし気分が悪かったら広く理解してください。

  • いえいえ、ご指摘に感謝しています。
    これからも何か気づいたことがあったら教えてください。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。