日本による朝鮮半島の統治が終わって、もう80年ほどが過ぎた。
そんな時間の経過もあって、在日韓国人の有名人という立場から、日韓の板ばさみになってツラい思いをしてきた張本勲さんがこう訴える。
「言いつまで日本に『謝罪しろ』『金を出せ』と繰り返さなければならないのですか? 恥ずかしいです」
日本に「謝罪疲労」が広がっていて、これが日韓関係の前進を阻んでいる。
その状況は韓国側もうすうす感づいているし、いまでは経済・文化的に成長した韓国には自信がある。
そんな背景から、中央日報がこんなコラムを掲載した。(2023.05.22)
文明国の韓国が抜け出すべき「被害者意識」
と思ったら、主語が違った。
文明国の日本が抜け出すべき「被害者意識」
韓国はふつう「日本=歴史の加害者、韓国=被害者」という枠組みで日韓関係をみるのに、文明国というのはいいとして、日本が脱却すべき被害者意識とは?
そんな疑問を持ってコラムを読むと、これはG7広島サミットに参加したバイデン米大統領が広島原爆資料館へ行って、そのあと犠牲者の慰霊碑に献花をしたことについて述べている。
コラムの重要ポイントはココだ。
日本では「原爆加害国・米国」のバイデン大統領が謝罪をすべきだという声も出てきた。
強制徴用と慰安婦動員の加害者である第2次世界大戦の戦犯国・日本が被害者に転換される場面だ。戦後日本の「被害者意識」は謝罪と反省をためらわせた。
広島と長崎に核兵器が使用され、多くの人が亡くなったことに日本は「自国憐憫のアリバイを発見した」という。
そしてその意識から世界3位の経済大国で文明国の日本は、残酷な歴史に対して責任を負うことを回避してきた。
要するに、日本は原爆投下の被害者意識から抜け出して、韓国に心からの謝罪をする必要があると言いたいらしい。
でも、韓国に対してはこれまで50回以上も謝って、過去の歴史問題については日韓両政府が「最終的な解決」で合意したのだから、もう終わりにしないといけない。
それにしても今回のサミットについて、「バイデン大統領は謝罪をすべき」なんて声は日本で見たことも聞いたこともない。
2016年にオバマ大統領が広島を訪問する際、日本政府はアメリカに一切謝罪を求めなかったし、メディアでもネットでもそんな意見は見なかった。
だから韓国紙のいう「日本の謝罪要求」には違和感しかない。
ホスト国の日本が過去を蒸し返して、広島に招待したバイデン大統領を不快にさせるようなことをするだろうか?
すると朝鮮日報が答え合わせをしてくれた。(5/23)
日本が米国に原爆投下の謝罪を求めたって?韓国の一部報道をファクトチェックしてみた
原爆の被害国として、アメリカに謝罪を要求しているという声が日本で上がっていると、たしかに韓国のメディアは伝えていた。
でも、そのソースは「広島のある放送局」や「日本の大物政治家」とかなりアイマイ。
そんな大ざっぱな情報源をもとに、世界が広島に注目するサミットで日本は被害者だったことをアピールし、「強制動員や慰安婦問題など、日本が犯した蛮行はできる限り覆い隠そうとする」と韓国メディアは非難した。
でも、朝鮮日報がファクトチェックをしたところ、日米政府の公式発表や岸田首相とバイデン大統領との首脳会談などにおいて、日本は謝罪要求を行っていないことが確認された。
日本事情に精通した専門家もそれに否定的な見方を示す。
・日本が米国に原爆の謝罪を要求する可能性は“ゼロ”に近いと見ていい。
・米国大統領の広島訪問を「日本の謝罪要求の契機」と関連付けるのは実際の意図から外れた解釈だと指摘している。
韓国外交部(外務省)の次官をしていた人物は、アメリカとの同盟強化を望む日本がそんなことをするとは考えられないとし、こう話す。
「自国内でも『かつて戦争を起こしたことについて反省しよう』という空気が圧倒的なのに、これに逆行する謝罪要求をやるというのは、状況を正反対に読んでいるか、もしくは反日扇動をやろうという悪意ある解釈」
ということで朝鮮日報がファクトチェックしてみると、日本が米国に謝罪を要求したという事実はなかった。
すべては「反省していない日本」を印象づけるための、韓国メディアによる創造(想像)だろう。
「日本の被害者意識は謝罪と反省をためらわせた」という結論は前提からしてデタラメだ。
韓国の専門家はむしろこんないい加減な報道によって、「韓国国民の米日情勢解釈を誤導しかねない」という状況を心配しているという。
いまだに「被害者意識」から抜け出せないで、謝罪を求める発想はどう考えても日本人のものじゃない。
日本人が共感するのはこんな声だ。
「言いつまで日本に『謝罪しろ』『金を出せ』と繰り返さなければならないのですか?」
こういうことにウンザリした日本がアメリカに同じことをするワケない。
今回は朝鮮日報という良心的なメディアが確認作業をして、国民に伝えてくれたからまだよかった。
でも、「日本はアメリカに謝罪を要求し、自身の蛮行は隠そうとする」といった報道が平常運転で、それによって形成される世論があると思うとオソロシイ。
韓国社会を最も混乱させる主犯がまさにマスコミです。
韓国メディアの記者は、ほとんどが極左勢力である民主労総所属です。朝鮮日報など一部保守新聞の記者たちが民主労総所属ではないが、ほとんどのメディアが左派労働組合に所属していると見ても差し支えないです。彼らが絶えず左派扇動と反日扇動をしています。先日ご紹介したように、朝鮮日報の東京特派員も反日記事を書いているのが実情です。
日本にいれば分かりますが、政治家やメディアでアメリカに謝罪を求める声はありません。
ねつ造に近い報道を、大手メディアがするというのはちょっと信じられない思いです。
政治問題で日本に関しては何でもありですね。