【朝鮮戦争】勝利を誇る韓国が忘れがちな日本の支援

1950年に朝鮮半島で戦争がぼっ発した。
韓国で約125万人の軍人・民間人が亡くなり、北朝鮮では倍の約250万人の犠牲者を出したこの朝鮮戦争は、1953年に戦闘が終わった。
これは両国が休戦に同意しただけで、まだ終戦は実現していない。
＊ソース：防衛研究所「朝鮮戦争日本への衝撃と余波」

この戦争は日本・アメリカ・イギリスでは「朝鮮戦争」と呼ばれているけれど、韓国では開戦日にちなんで「６.25戦争」、北朝鮮では「祖国解放戦争」と呼ばれている。
韓国にとっては「侵略戦争」だから、北朝鮮とは見方は正反対だ。
先日の７月27日は1953年に休戦協定が結ばれた日だから、韓国と北朝鮮で記念式典が開かれたが、一致しているのは日にちぐらいなもので、戦争の結果に対する認識も両国ではひっくり返っていた。
韓国の全国紙・朝鮮日報によると、戦後の歩みを見てもあの戦争は韓国の完全勝利だった。（7/27）

停戦以来70年間、韓国は政治的・経済的・文化的に急成長し、北朝鮮と超絶な格差を付けつつ世界経済10位圏の国へと飛躍した。

7月27日は北朝鮮の戦勝節だって？　韓国軍・国連軍の「自由陣営」が勝利した日

現在の韓国は北朝鮮の見方を完全否定した上で、あの戦争の勝利を高らかに宣言している。
そして、共に北朝鮮・中国軍と戦った米軍や国連軍には感謝の気持ちを表明する。
記念式典で、こうしたことに言及する韓国は重要な隣国をつい忘れてしまう。
当時、在日米軍は後方基地として機能し、日本も間接的に全力支援していたのだ。
韓国通のジャーナリスト、黒田勝弘氏が「弾薬５８０万トンが韓半島へ出動待機、後方基地無しでは全面戦には致命的」という朝鮮日報の記事（27日付）を引用し、こう指摘する。
産経新聞のコラム「ソウルからヨボセヨ」（2023/7/29）

当時、後方で日本の支援があったからこそ北からの侵略を撃退できたという歴史的事実は、休戦７０年でも語られない。

米中が戦った朝鮮戦争、休戦７０年でも語られない歴史的事実

韓国の自由と独立を守るために、日本もサポートをしたのだ。
もしそれがなかったら、いまごろ韓国は「自由陣営が勝利した日」と誇らしく語ることはできなかっただろう。
といっても、日本は朝鮮戦争でボランティア活動をしたワケではない。
共産主義国家が隣にあることは安全保障上の大きな脅威になるし、この戦争では「朝鮮特需」という経済的なメリットもあった。
だから、韓国の大統領が名指しで日本に感謝する必要はないとしても、「北朝鮮と超絶な格差を付けつつ世界経済10位圏の国へと飛躍した」という気持ちの10分の１ぐらいは、隣国のサポートに配慮してくれてもいいのでは？
朝鮮戦争で日本の貢献があったことを国民が知れば、きっと対日認識も良くなり、両国関係の前進に役立つ。
事実に対する見方の違いはいろいろあっても仕方ないが、あったことをなかったことにしてはいけない。