世の中には、絶対にしてはいけないことがある。
たとえばドイツでは、600万人のユダヤ人を虐殺したナチス=ドイツを連想させるような行動や態度は厳禁。
その中の一つに、右手のヒジをまっすぐ伸ばし、斜め上にあげる「ナチス式敬礼」がある。
第二次世界大戦中、ドイツ国民はヒトラーへの忠誠を表すためにこの敬礼をしていた。
だから、このジェスチャーはドイツだけでなく、世界中でタブーとされている。
ドイツ人に聞いた話によると、学校では日本で言う「挙手」をすることができない。
だから、彼が子どものころには、ナチス式敬礼を思い起こさないように、腕を横に伸ばしてひじを90度に曲げ、人差し指だけを上げる“挙手”をしていたという。
ナチス式敬礼
ユダヤ人であることを表す「ダビデの星」
日本でつい最近、あるダンス&ボーカルグループが音楽番組で歌と踊りを披露したところ、SNS上で「ナチス式敬礼をしていた!」と批判が広がった。
その後、振り付けは変更され、アルバムの発売も延期された。
日本では、昔から「ナチス」の地雷を踏む事故が絶えない。
ことし終了した名作アニメ『進撃の巨人』にも、2年前に「ナチス騒動」がぼっ発した。
朝日新聞の記事(2021年11月15日)
「進撃の巨人」マーレの腕章、販売中止に 「ナチス想起」批判で謝罪
このアニメの中で、エルディア人が「悪魔」と差別され、ほかの人種と区別するために「マーレの腕章」を付けることが義務とされていた。
しかし、かつてナチス=ドイツもユダヤ人に対して、「ダビデの星」のある腕章を付けることを強要していた。
そんな歴史があるから、この腕章を再現した商品が販売されることになると、ナチスによるユダヤ人への差別や迫害を連想させると批判が相次ぎ、腕章の販売は中止された。
ナチスに触れたら、ただのキャラクターグッズでは済まされない。
外国人の反応を見ても、ほとんどが批判的だ。
・WHO thought this was a good idea?
これを良いアイデアだなんて、一体誰が考えたんだ?
・Plz stop this
こんなことはマジでやめて。
・Uhhh this is not okay, Japan…
あー、これはダメだよ日本…。
・Don’t sell these items. Seriously.
You should ask yourself how you did not know this was a bad idea.
こんなもの売るなよ。本当に。
なんで、これがダメだと分からなかったのか、よく考えるべきだ。
昭和の時代には『仮面ライダー』で、ナチスを元ネタにした秘密組織「ショッカー」が出てきた。
「ショッカー」には、ナチスのシンボルとそっくりの「鷲のレリーフ」や、ナチスが使用したという毒ガスの「ジャーマンガス」が登場したし、戦闘員はナチス式敬礼をしまくっていた。
令和のいまなら、その一つでもすれば番組がソク吹っ飛ぶ。
一か所に集められて焼かれるユダヤ人(フランス)
ある外国人は「マーレの腕章」の販売について、ユダヤ人やナチスによって傷つけられた人々に対して、とても失礼で無神経だと厳しく批判した。
日本人がこんな指摘を受ける大きな理由は、日本にはユダヤ人を差別し、虐殺した歴史がなかったからだ。
ヨーロッパでは古代から、ユダヤ人に対して追放や拷問、虐殺が繰り返し行われていたが、日本にはそんな「反ユダヤ主義」という闇歴史がなかった。
ユダヤ人迫害は身近な問題ではなかったため、ナチスの犯罪についても鈍感で、「this is not okay, Japan…」と外国人からため息をつかれてしまう。ある外国人は「マーレの腕章」の販売について、ユダヤ人やナチスによって傷つけられた人々に対して、とても失礼で無神経だと厳しく批判した。
日本人がこんな指摘を受ける大きな理由は、日本にはユダヤ人を差別し、虐殺した歴史がなかったからだ。
ヨーロッパでは古代から、ユダヤ人に対して追放や拷問、虐殺が繰り返し行われていたが、日本にはそんな「反ユダヤ主義」という闇歴史がなかった。
ユダヤ人迫害は身近な問題ではなかったため、ナチスの犯罪についても鈍感で、「this is not okay, Japan…」と外国人からため息をつかれてしまう。
このへんについては、地雷を地雷と見抜けるぐらいに、学校でしっかり歴史を教えるべき。
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