中国も韓国も日本に対して、「過去の蛮行」を非難することがあるけれど、こういうところが違うと思う。
Record Chinaの記事(2024年1月31日)
旭日旗騒動めぐり中国国営テレビが「異例」の批判展開―香港メディア
最近、南京市にある商業施設で「旭日旗騒動」が発生した。
ある男性ブロガーがやって来て、施設内の飾りにはいろいろな日本的な要素があり、旭日旗まで貼られていると非難し、「ここは南京であり、東京ではない!」と動画で強調する。
彼が警察に通報すると、警察は施設側に「日本的な装飾」を取り除くよう伝えた。
中国では、こんなふうに日本を糾弾する動画はめずらしくないが、今回はその後の展開が違った。
共産党政府によって運営されている国営テレビ(CCTV)が、この「旭日旗騒動」を批判したのだ。
男性は一部を切り取って非難していたが、全体的に見ればまったく問題ないという。
CCTVはそれを明らかにしたうえで、「愛国はビジネスではない」「感情をあおって目を引く悪質な行為」と批判した。
市民には不正を告発する権利があるが、最近ではそれが乱用されることがよくある。
ネットで注目を浴びるために、事実をねじ曲げたり、ねつ造したりして他人に迷惑をかける。
こうした告発は他人の正義感や道徳心を刺激するから、共感を呼びやすく、結果的に自分の利益につながる。
しかし、自分勝手な目立ちたがりが告発を乱発することは、社会全体に害をもたらす。
そんなことで、CCTVは「悪意のある告発者は企業や社会に与えた影響の責任を負い、罰せられるべき」と訴えた。
韓国の国営テレビ KBSが国内の「反日愛国ビジネス」を取り上げて、ここまで強く批判したという話は聞いたことがない。
日本との過去については、中国にも反日感情はあるけれど、旭日旗に対しては韓国ほど激しい憎悪はない。
2018年に韓国軍が観艦式を行った際、韓国側は海上自衛隊の旭日旗を下ろすよう要求したため、日本は式に参加することはできなかった。
旭日旗を掲げることは法律で決められている。
韓国のリクエストに応えるために、海上自衛隊が法律違反をすることはできない。
一方、中国が翌年19年に観艦式を開催したとき、旭日旗はまったく問題にならなかった。
旭日旗を掲げた自衛隊の艦船は大人気で、多くの市民が自衛官と一緒に記念撮影をして楽しんでいた。
日本と戦ったアメリカ軍は、今では旭日旗を日米友好のシンボルとして受け入れているのだから、これを問題視することがそもそもおかしい。
旭日旗のデザインを採用した米空軍のヘルメット
誇張やねつ造で国民感情をあおって注目を集め、愛国心をビジネスに利用し、他人に迷惑をかけてはいけないーー。
CCTVの冷静な指摘には共感するしかない。
韓国でも、「反日愛国」を訴えて注目を浴びようとする人たちがいるけど、それを批判する声はなかなか上がらない。
日本の韓国ウォッチャーの間では、わりと有名な徐 坰徳(ソ・ギョンドク)さんという人がいる。
ウィキペディアには「反日ビジネス活動家」で、「自身のお金稼ぎ・名誉・出世のために活動家をしている」と紹介されている人物。
彼は旭日旗を「戦犯旗」と呼び、世界から追放するという過激な運動をしている。
最近のこの人物の活動には分別と見境がなく、自分の考え方と違うものがあれば、中国やロシアなどにも抗議メールを送りつける。
イタリアの在ミラノ韓国総領事館がウェブサイトに韓国の国旗を公開すると、それが日の丸に見えると批判した。
中央日報の記事(2024.01.23)
韓国在外公館サイトに中国服と日章旗連想させる画像…「誤解されかねないので慎重であるべき」
韓国総領事館の職員が確認した画像にまで、NGを出すのはさすがに行き過ぎだ。
でも、韓国の全国紙・中央日報は、ソ・ギョンドク氏の強引な指摘をまったく批判しない。
韓国では、「反日愛国」に対してはかなり寛容で、「愛国はビジネスではない」「感情をあおって目を引く悪質な行為」と、ブレーキをかける声がほとんど出てこない。
旭日旗騒動で、「悪意のある告発者は社会に与えた影響の責任を負い、罰せられるべきである」と国営テレビが強調した中国とはかなり違う。
朴槿恵大統領が弾劾されてから文氏が政権を握ったあと、韓国では一部の韓国史を講義する人たちが脚光を浴びています。演劇映画を専攻した人物が韓国史を講義し、大人気となり大金を稼ぎ、美貌の女性講師も大金を稼いだということです。 彼らはよく番組に出演しています。彼らは主に反日的歴史講義で大きな人気を博しました。韓国社会の雰囲気がそういう人たちに機会を与えるように作られているようです。韓国の反日ビジネスは、あらゆる面で失敗しない保証小切手のようです。
「反日愛国」は韓国で注目されやすく、支持を得られやすいコンテンツです。
ネット時代になって、いろいろな人が手を出すようになりましたね。