「近くて遠い国」といわれる日本と韓国。
地理的にはお隣さんでも、歴史認識では銀河系レベルでかけ離れている。
特に1910〜45年まで日本が朝鮮半島を統治していた時代について、日韓で一致しているのは期間ぐらいなものだ。
日本はその35年間を「統治」と呼び、国際法の観点から合法だったと考えているが、韓国では「日帝強占期」と呼ばれ、違法だったと主張している。この認識の違いは埋まる気配がない。
しかし、韓国内でも、この期間についての考え方は分かれていた。
朝鮮日報の記事(2024/08/28)
共に民主議員「日帝強占期に生きていた我々の祖先の国籍は日本ですか?」 金文洙氏「日本でしょう。それを知らないんですか?」 長官人事聴聞会が13時間空転
問題となったのは、雇用労働部の長官候補であるキム氏の発言。
*雇用労働部の長官は、日本でいうなら厚生労働大臣にあたるから、キム氏はか有力政治家と考えていい。
野党の議員が植民地時代の韓国(朝鮮)人の国籍について質問すると、キム氏は「日本」と答え、「知らないんですか?」とやや挑発的に言った。
これに野党側が怒り、人事聴聞会は13時間も空転したという。
1910年に韓国は日本に併合されて消滅し、45年に日本がアメリカに降伏して戦争が終わった後、1948年に現在の大韓民国が建国された。だから、キム氏は1910〜45年までの「日帝強占期」、朝鮮半島にいた韓国人の国籍は「日本」だったと述べた。
しかし、野党側は、上海に臨時政府ができた1919年に、現在の韓国が建国されたと考えている。この理論によると、1919年以降の国籍は「韓国」になる。ひょっとしたら、併合そのものが(韓国的には)違法であるから、国籍はずっと韓国のままだったと考えているかもしれない。
こんな感じにいま韓国内では、国のスタートが1919年か48年をめぐって対立し、世論は分裂している。
日本では1948年説が採用されているから、与党と同じ認識だ。
上海にできた大韓民国臨時政府は、実際には「名ばかり」で領土はなかったし、どの国民も統治していなかった。つまり、主権がなかった。
臨時政府を承認する国はなく、最大の支援者だった中国国民党(中華民国)さえ、臨時政府をを一国の政府として認めなかった。それどころか、臨時政府は国民党の傘下にあったのだ。
朝鮮半島を統治したアメリカも臨時政府を承認せず、1945年に解散を命じた。
日本をはじめ諸外国は、韓国は1948年に建国され、統治時代の人びとの国籍は「日本」だったと考えている。
たとえば、その時代の朝鮮で生まれたマラソン選手で、1936年のベルリン・オリンピックに参加して金メダルを獲得した孫 基禎(ソン・ギジョン)の国籍は、国際オリンピック委員会(IOC)に「日本」と記録されている。
【韓国 vs IOC】朝鮮出身の日本代表・孫基禎をめぐる争い
だから、国際社会は与党と同じ立場ということになる。
「主権を奪われて植民地にされた。しかし、国籍は失わなかった!」という主張は常識的に考えておかしい。それでは、独立運動の意義が薄くなるのでは? はっきり言えば、野党の見方が間違っている。
しかし、「当時の国籍は日本だった」と言えば、野党やその支持者から罵倒されるのは確実。国際的に認められた史実を言えば、「親日(売国奴)め!」と叩かれるのが韓国の現状だ。
日韓の歴史認識のミゾと同じく、この対立も収まる気配が見えない。
ちなみに、近ごろ韓国で行われた世論調査によると、「植民地時代に国を失った」と答えた人が70.2%で、「失っていない」と答えた人は24.3%、「よく分からない」は5.6%だった。
「国破れて山河あり」なら理解できるが、国が無くなっても国籍は残っているという考え方はミステリー。
その答えはこれから韓国の人たちが見つける(はず)。
台湾有事や朝鮮半島有事など考えるべきことは山ほどあるかと思うのですが、
歴史解釈に足を引っ張られて内輪揉めするのは、呆れますね。
誰が親日派か否かで決着が着いたとして「で、それが何か?」としか思えません。
これこそ「恨」の成せる業なのでしょうか。
争いの中で何度も「日本」が登場しますが、我々には関係のないことです。
まぁ、韓国のことは韓国にまかせるしかないですね。これは絶対にこちらから手を触れてはいけないww
韓国の左翼が1948年に韓国建国を否定する理由は、北韓の共産集団との民族協力のためです。
韓国の左翼は大韓民国の正統性を否定し、北韓に正統性があると考えていますので、1948年の建国を否定します。1919年に結成された上海臨時政府には共産主義者が一緒にいたので、韓国の左翼はその臨時政府の結成を建国と見なすのです。しかし、その建国説は荒唐無稽極まりありません。なぜなら、当時の臨時政府はなんと6つもあり、上海臨時政府はそのうちの一つだっただけで、朝鮮人が支持し、彼らの代表として認めた政府ではないからです。それに、国の3要素、つまり領土、主権、国民を持たなかったというのは常識です。
感性を持っているだけで、国際的な常識は持っていない国会議員が、大韓民国には数え切れないほどいます。
「1919年に韓国が建国された」という説は現実的ではなく、一部の人の頭に中にある精神勝利のように見えます。
日本やアメリカ、国連も与党と同じく、1948年に韓国が建国されたとしています。
こんなことで言い争っていても、大韓民国に利益はないでしょうね。
> 「1919年に韓国が建国された」という説は現実的ではなく、一部の人の頭に中にある精神勝利のように見えます。
一部の人の精神勝利なんかじゃありません。そもそも韓国の憲法前文に、
「悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は3・1運動で成立した大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継承し、・・・」
と書いてあります。上記前文で言及されている3・1運動とは、1919年の朝鮮半島で起きた独立運動のことであり、その運動の影響で臨時政府が成立したとあります。また、4・19とは、1960年当時に第4代大統領だった李承晩が、学生・市民の大規模デモによって下野させられた事件(4月革命)のことを指します。
さらに1948年は、同前文において、「憲法が制定された年である」と言及されています。
このうちどれが「建国の年」であるのか、憲法前文には明記されていません。
韓国の建国を、韓国民自身の合意として1948年に確定するためには、憲法の前文を書き換えて「大韓民国は1948年に成立した」と明言しなければなりません。そんなのは現実的に不可能でしょう。