最近、「バガキン、アプリでシステム障害」というニュースのタイトルを見て、「バガキン=バーガーキング」と気づくまでに 15秒ほどかかった。
日本語には、日本人でさえよく分からない言葉がある。英語のネイティブや非ネイティブの外国人は、そんな日本で暮らしていてどう感じているのだろうか?
最近、知人のイギリス人女性とそんな会話をしたので、これからその内容を紹介しよう。
ーー年末年始にアメリカを旅行したんだって?
2週間ほど、ニューヨークとボストンに行ってきたの。
ーーボストンは…、ペンシルベニア州にある都市か。
女性「そうそう、マサチューセッツ州。ボストンがペンシルベニアにあったら、全米がビックリするわよ。ところで、“Pennsylvania”のカタカナ発音ってけっこう難しいのよね。」
ーー前後はいいとして、「シ・ル・ベ」のあたりだね。日本人は「l」と「r」の発音が特に苦手だから。rice(お米)もlice(シラミ)も日本語なら「ライス」になる。「I like lice」と聞いたら、外国人はドン引きするんじゃないかな。
前に歴史の本で、太平洋戦争(か日中戦争)のとき、米兵は日本人と中国人を区別するために l と r を発音させたって書いてあったのを見て驚いた。100年ぐらい前から海外で知られていて、今でも進歩していないとはね。
わたしの場合は「bacon」の発音で苦戦したわ。
スーパーで「baconはどこですか?」って聞いても、店員は理解してくれなかった。ほかの店員もきて、わたしが日本語を意識してアクセントを変えて発音しても、みんな分からなかった。そのうち、やっと一人が「ベーコンか!」と気づいてくれたの。
それにしても、「ベーコン」は衝撃的だったわ。
ーーなるほど。それを“業務”として命じられた外国人を知っている。
彼は日本の会社で働いていた 20代のミャンマー人で、あるとき上司から、「君の英語発音はうますぎて聞き取れないから、日本人が使うカタカナ発音を覚えてそれを使ってくれ」と言われたんだ。
はっ? なにそれ、逆じゃない? ほかの社員が正しい英語発音を覚えるべきでしょ。
ーー全米がそう思うだろうね。実際、彼もそう主張した。
彼はプログラミングの仕事をしていて、英単語を使う機会が多かった。会議なんかで彼が話をしていて英単語が出てくると、ほかの社員が一瞬「今なんて?」となるから、話が入りにくいと苦情が上がっていた。だから、「業務の円滑化」のために本場の発音は禁止されたらしい。
それに、日本で住むなら日本式の発音をするべきだと。日本人は「郷に入っては郷に従え」という言葉が好きだし、「出る杭は打たれる」社会だからね。
ほかの人たちが努力して高みを目指すんじゃなくて、彼を自分たちのレベルに引きずり下ろすことで解決しようとしたってこと?いろいろ終わってる会社ね。
ーー始まっていたかも疑問だね。社員の平均年齢が高かったじゃないかな。
IQはそうでもないみたい。
ーー彼が言うには、中学・高校生のころ、英語の授業で、英語の発音をミャンマー語で書くことを禁止されていた。先生から、それでは正しい発音が身につかないから、何度も耳でしっかり聞いて、その音を口で再生しなさいと言われ、彼はそのとおりやって、正しい発音をマスターした。それなのに、日本でそれを否定されて、本来的には間違った英語を使わないといけなくなった。彼は怒っていたけど、どうしようもない。
その先生のやり方は本当に正しいし、日本人もそうした方がいい。
英語をカタカナで書いて、それを読むのは楽だけど、正しい発音は身につかない。カタカナ英語を禁止して、自分の耳に集中して、しっかり聞き取る力を育てたほうが絶対にいいのよ。
ーー君はイギリス人だから、カタカナ英語で困ったことはあっても、それを強要されたことはないでしょ?
前に日本語を勉強していて、「レストラン」って言葉が分からなかったから、調べてみると「restaurant」と分かってビックリしたことがある。そういう経験ならよくあるけど、わたしが接する日本人は正しい発音を覚えたい人ばかりだから、カタカナ英語を使うように強要されたことはないわ。
そんな環境にいたから、「bacon」には本当に困ったのだけど。
ーーーー日本にいる外国人でも英語のネイティブと、そうではないアジア人などでは環境や状況が違うと思う。さっきのミャンマー人みたいに、日本に住んでいて、言葉について不愉快な思いをすることはない?
ないこともないわ。
たとえば、わたしがお店で日本語で質問をしたのに、英語で答える店員がいると「なんだコイツ」ってイラッとする。
プライベートで会う日本人でも、こっちは日本語を使いたいのに、それをさせてくれないで、勝手に無料英会話体験を始める人がいると、ウンザリして話をする気持ちが無くなっちゃう。
ーー「ネイティブあるある」の不快体験だな。
せめて、「英語で話していいですか?」と聞けばいいいのに、そういう無神経な人はいきなり英語で話し始める。
知人のドイツ人も同じ不満を言っていた。
有名な観光地のレストランで、メニューについて日本語で聞いたら、店員が英語で答え始めた。「おまえの日本語より、わたしの英語のほうがマシ」みたいな、上から目線の態度を感じて、カチンときた彼がドイツ語で答えたら、彼女は目を開いたまま固まった。どの言葉を使えばいいか分からなくなって、結局日本語で話をしたらしい。
わーかーるー。別の言葉で答える失礼なヤツがいると、黙らせてやりたくなる気持ちはよ〜く理解できる。わたしは英語と日本語しかできないから、その話を聞いただけでスカッとするわ。
ーー海外で日本人には「謙虚で控えめ」という良い評判がある。でも、それに当てはまらない日本人は外国人を不愉快にさせるってことか。
コメント
コメント一覧 (3件)
ははは、馬鹿馬鹿しい。お二人とも、自分の言っていることをよく考えてみたら?
①
>彼は日本の会社で働いていた 20代のミャンマー人で、あるとき上司から、「君の英語発音はうますぎて聞き取れないから、日本人が使うカタカナ発音を覚えてそれを使ってくれ」と言われたんだ。
>はっ? なにそれ、逆じゃない? ほかの社員が正しい英語発音を覚えるべきでしょ。
②
>プライベートで会う日本人でも、こっちは日本語を使いたいのに、それをさせてくれないで、勝手に無料英会話体験を始める人がいると、ウンザリして話をする気持ちが無くなっちゃう。
①と②で、言っていることが全く逆だということが分らないですかね?
そんなに自分が勉強中の日本語が使いたければ、正しい日本語発音をマスターしてから使いなさいよ。
日本には英語を習いたい人と、そう思わない人がいます。
外国人は全部日本語で話してほしいと思う。
私は日本語しか話せないし、それにここは日本だし。