そろそろ桜が咲き始めた。
少し前、浜松市に住むインド人と話をしていて、彼が桜のスポットを教えてほしいと言っていたので、ライトアップして夜桜がきれいな場所を紹介した。すると、彼は不思議そうな顔をして「ライトアップ?」と言う。そうだった。ライトアップは日本語(和製英語)だから、外国人には分かりづらいのだ。
桜のライトアップなら、イルミネーションの動詞を使って「Illuminated Sakura(cherry blossoms)」と言えば通じる。
知人のアメリカ人女性(30代・女性)が日本の高校で英語を教えていたとき、意味不明な和製英語によく文句を言っていた。数年前に母国へ戻って、今はカリフォルニア州の都市トーラスに住んでいる彼女と話をしたので、今回はその内容を紹介しよう。
ーーいま食べたいと思う日本の食べ物って何かある?
そう言われて、頭に浮かんだのは唐揚げ。もともと私は鶏肉が好きだったし、唐揚げの独特の食感がとても気に入った。それに、から揚げはコンビニやスーパーとか、いろいろなところで売っていて、しかも安かったから、日本にいたころはよく食べていた。
ーー鶏肉ならイスラム教徒でもヒンドゥー教徒でも食べられるから(全員ではない)、日本に来てから、唐揚げのファンになった外国人は多い。でも、アメリカにはフライドチキンがある。それと唐揚げはどう違うと思う?
アパートの近くにローソンがあって、私は「からあげクン」をよく食べていた。そのイメージで言うと、アメリカのフライドチキンに比べて、唐揚げは一口サイズだから気軽に食べられる。フライドチキンには骨があるけど、から揚げにはそれが無いから、その点でも食べやすい。それに、「からあげクン」にはいろんな味があって、それも楽しみだった。
ーーたしかに。北海道チーズ、さわやかレモン、柚子胡椒、夢のミックス味、徳島すだち味、明太チーズ味…と、次から次へといろんな味が出てくる。
本当にそう。コンビニに行くと、いつも新しいスイーツがあったから、日本人の創造力はすごいとよく感心した。
ーーところで、アメリカでフライドチキンは、南部にいた奴隷の食べ物だったと聞いたことがある。
私の中で、フライドチキンは南部の食べ物というイメージはあるけど、「奴隷」の印象はないな〜。歴史的にはそうだったけど、今では普通の食べ物。
ーー日本では奴隷どころか、クリスマスに食べるちょっと特別な物という印象があると思う。
唐揚げはダメなの?
ーー法的に禁止されていないけど、クリスマスに唐揚げがあったら、子どもはガッカリするだろうね。唐揚げは毎日の生活で食べるものだし。
アメリカ人にとっては、フライドチキンがそういうファストフードだから、クリスマスにはありえないけどね。
*今回の記事と内容が少し重なるけど、それについてはこの記事でくわしく書いたのでどうぞ。
唐揚げと米のフライドチキン 最大の違いは「人種差別」だった説
唐揚げを知っている外国人の中には、フライドチキンとの違いとして「マリネ」を挙げる人がいて、英語版ウィキペディアの「Karaage」にもその説明がある。
「The foods are marinated prior to coating. The process differs from the preparation of tempura, which is not marinated and uses a batter for coating.」
(この食べ物は衣をつける前にマリネされる。このやり方は、マリネをしないで衣をつける天ぷらとは異なる。)
マリネとは、魚や肉、野菜などを酢や油、酒などの調味液に漬けて味をしみ込ませる調理法、またはその料理を指す。この言葉はフランス語の「mariné(マリネ)」に由来し、その語源は「marin(海の)」という説がある。
唐揚げも鶏肉をしょうゆやみりん、砂糖などのタレに漬けて下味をつけて(マリネして)から揚げる。フライドチキンはその工程がなく、鶏肉をそのまま揚げるから唐揚げとは違う。
さらに、ウィキペディアには、唐揚げはよくご飯(白米)とキャベツと一緒に提供されると書いてある。
外国人はよく観察している。
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