能登半島地震は1月1日、東日本大震災は3月11日、駿河湾の地震は8月11日、そして阪神淡路大震災は1月17日に発生した。これは偶然ではない。1が並ぶ日は地震に気をつけろーー。
前にネットでそんな注意を呼びかける人がいた。
こういうデマは自己責任で信じればいいとして、日本政府が放っておけなくなったのが、朝鮮日報が伝えるこの話。(2025/06/04)
「7月5日に日本で大地震が起こる」 うわさ拡散、火消しに乗り出した日本政府
昨年末あたりから、中国・香港・台湾などの漢字文化圏で「ことし7月に日本で大地震が発生し、大きな打撃を受ける」というウワサが広まり、日本旅行をキャンセルする人が出始めた。その数が無視できないレベルに達したため、日本政府が「科学的根拠はない」と否定し、日本観光を呼びかけた。
この話の元ネタは、1999年に出版されたマンガ『私が見た未来』で、最近になってそれを日本のユーチューバーが紹介したことから、火が着いたらしい。
でも、国民レベルでは、「逆に考えれば、その時期は外国人観光客が少ないってことか。ボーナスタイムじゃね?」とポジティブに考える人もいる。
どうせなら、設定をお盆シーズンにしてほしかったのだけど。
しかし、「火のないところに煙は立たない」と言う。今回、オカルト話が拡散されたのも、根拠がまったくないわけではなく、あえて言うなら「日本」が根拠そのものだ。
海外の調査機関が発表する「世界安全ランキング」で、日本はいつも上位にあると思ったら、意外と低いことがある。
「どういうことだ?」と思って、理由を調べて納得。日本は他の国に比べて犯罪発生率は低くくても、地震、津波、台風、火山の噴火、土砂崩れ(土石流)といった自然災害がとても多いのだ。
その要素を加えれば、日本の世界ランキングはどうしても下がってしまう。
AIに英語で、日本は自然災害が多く、危険な国か尋ねるとこんな答えが返ってきた。
「Yes, Japan is known as a disaster-prone country due to its frequent natural disasters.」
(はい、日本は自然災害が頻繁に起こる国として知られています。)
日本ではマグニチュード6以上の大きな地震も珍しくなく、そんな地震が2011年の巨大津波の原因になることもある。また、日本は台風ベルトに位置していて、とても激しい雨が降り、洪水や土砂崩れを引き起こすこともある。日本中に活火山があるため、噴火の脅威は常にある。結果、こうした自然災害は甚大な被害と混乱を引き起こす。
日本で生まれ育って、それなりに日本を知るボクからすると、この指摘には反論の余地がない。付け加えると、日本ではこうした災害がコラボで襲ってくることがある。たとえば、関東大震災は地震と台風が重なった複合災害だったため、死者10万人以上という空前絶後の被害が発生した。

最後の審判:神の大いなる怒りの日
日本について海外では、「disaster-prone country(自然災害が頻繁に起こる国)」という イメージがあり、それに恐怖する人は多い。
イエメンに行った時、内戦やテロがよく発生するから不安を感じていたのだけど、それをイエメン人に話すと、「なに言ってんだ! 日本のほうが危険だ。絶対に行きたくない!」と真顔で言われ、とても驚いた。
東日本大震災で大洪水が発生し、街をのみ込む映像はイエメンのテレビでも放送された。イスラム教を信じる国民はその様子に衝撃を受け、多くの人が聖書やクルアーンに記されている「世界の崩壊」(最後の審判)を思い出し、恐怖に震えた。
あの災害を見て、イエメンでは結果的に、イスラム教を今まで以上に熱心に信じる人が増えたという。
AIは、日本では先進的な防災対策が開発されていて、自然災害に対する備えができている。さらに、災害に適切に対応する強い国民文化もあるとフォローしてくれていたが、外国人が日本に対して持つ「恐怖」を打ち消すことはできないと思う。
海外では、もともと日本にこんな負のイメージがあったから、マンガが根拠の話でも信じて、「怖い…。行きたくない」という人が出てきてしまう。「1が並ぶ日に気をつけろ」というデマも、本気にしてしまう外国人は多いだろう。
過去の災害の積み重ねが相手だと、日本政府でも火消しはむずかしい。

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