最近、札幌に住んでいる男性がSNSで女性と知りあい、趣味の話で仲良くなったと思ったところで投資を持ちかけられ、4億円600万円をだまし取られた。1件あたりの被害額としては、過去2番目の大きさだ。
ネットには魔物も潜んでいるけれど、いい出会いがあることも多い。
最近、SNSを通じて、ニューヨーク(以下NY)に住んでいる日本好きのアメリカ人と知り合った。彼は40代の黒人男性で、近い将来、日本の地方都市に移住したいと考えていて、日本についていろいろ知りたいらしい。
今回は、そんな彼から聞いた話を箇条書きでまとめて紹介しよう。このアメリカ人はかなり「クセ」のある人物なので、以下の内容は彼の個人的な意見や考え方になる。
・私はNYで生まれ育ったが、「African American (アフリカ系アメリカ人)ではない。西アフリカのシエラレオネにルーツをもつ「American African(アメリカ系アフリカ人)」だ。生まれた場所よりも、自分のルーツのほうが大事だと思っている。
・大航海時代のころから、ヨーロッパの白人たちはアフリカを侵略し、もともとの文化を破壊した。そしてアフリカの人々に、ヨーロッパの文化や文明を尊敬するよう教え込んだ。まるで悪魔のような行為だ。
・来月7月4日はアメリカの独立記念日だけど、アメリカがイギリスから独立した記念日だから、私には関係ない。あれは白人どうしの戦いで、自分はアフリカ人だから、まったく別の話だと思っている。
・昔は11月のサンクスギビング(感謝祭)の日に七面鳥を食べたり、アメリカン・フットボールを見たりして楽しんでいた。でも、今はもう祝わない。ヨーロッパからやって来た白人の移民たちは、先住民の助けを受けて生きのびたにもかかわらず、後に先住民たちを虐殺した。まるで動物を狩るように、逃げる人たちを撃ち殺した。
そういう歴史を知ってからは、もうサンクスギビングを祝う気にはなれない。
・日本との出会いは、子どものころに通っていた空手道場から始まった。稽古をする前に5分間の瞑想をしていて、それを通じて「禅」について知った。青年期に、宮本武蔵の「五輪書」(ごりんのしょ)『五輪書』を読んで強い感銘を受けた。
・神道について知ったとき、私はアフリカ人のスピリット(精神・魂)を感じた。神道と西アフリカの「オリシャ(Orisha)」という信仰には共通点が多い。どちらも先祖の霊を大切にしているし、木や石など自然に神や精霊が宿ると考えている。自然への敬意があるところも似ている。
・日本の地方都市に住みたいと思ったのは、NYのような大都会の生活に疲れたから。もっと静かで落ち着いた場所に暮らしたい。
・NYで出会った日本人と話していて、価値観や感覚が合っていると感じた。日本へ行くたびに友達ができて、今もネットで交流している。アフリカと似た考え方や文化があるから、私にとって日本はとても魅力的なんだ。
・それに、日本は人種差別が少ない。私はこれまでに10回以上、警察に嫌がらせを受けた。何もしていないのに職務質問をされ、態度が悪いというだけで手錠をかけられたこともある。
・差別主義者のトランプが再び大統領に選ばれたことで、この国にもう住みたくないと思ったね。今のアメリカは、白人にとっては「偉大な国」かもしれないが、自分にとっては最悪だ。
コメント
コメント一覧 (2件)
> 「American African(アフリカ系アメリカ人)ではない。西アフリカのシエラレオネにルーツをもつ「American African(アメリカ系アフリカ人)」だ。
???
どちらの英語も同じですか? もしかすると、アフリカ系アメリカ人=African American、アメリカ系アフリカ人=American African ではないですか?
> このアメリカ人はかなり「クセ」のある人物なので、以下の内容は彼の個人的な意見や考え方になる。
そうですかね? 私は、この程度の考え方は彼のルーツを前提とすればしごく当然に思えるのですが。特に Thanksgiving Day についての物言いは、昔、ほぼ同じ趣旨の話をアメリカ現地で聞いたことがあります。何かの運動で語られる定番のエピソードなのかな?
>どちらの英語も同じですか?
「African American」のミスでしたので、修正しました。ご指摘ありがとうございました。