最近、あるウクライナ人がSNSに「Russia」ではなく、「Ruzzia」と書いているのを見つけた。最初は「スペルミスか?」と思ったけれど、このウクライナ人は憎しみや怒りの気持ちを込めて、あえて「s」を「z」に変えたことがわかった。
Let’s hate Ruzzia together ❤ ロシアへのウクライナ人の憎悪
ウクライナとロシアほどではないけれど、今、タイとカンボジアの関係もかなり悪化している。両国は国境をめぐって数十年前から対立していて、国際司法裁判所はカンボジアの主張を認めたが、タイはそれを受け入れていない。
先月、両軍が国境で交戦し、タイはF−16戦闘機を使ってカンボジア軍の拠点を空爆するなど大規模な武力衝突に発展し、両国で合わせて30人以上が死亡した。
【一触即発】タイ・カンボジアの軍事衝突と日本・中国の盧溝橋事件
7月末、タイとカンボジアの首脳がマレーシアで会談し、無条件で停戦することに合意し、戦闘は一応終わった。しかし、両国とも「相手が先に銃撃をした」と相手を非難し、国民の心の中で燃え上がった怒りもまったく鎮火していない。
そんななか、タイとカンボジアの女子代表チームがサッカーの試合をおこない、タイが7−0で勝利したから、ネットは大荒れになった。
コメントを見ていると、何人ものカンボジア人が「Don’t Thai to me」と書き込んでいた。本来、タイという国名は「自由」を意味するが、ここでカンボジア人が言っている「わたしにタイしないで」は、「嘘をつくな」や「ズルをするな」といった意味になる。
一方で、タイ人は「Scambodians」という言葉を使ってカンボジア人を攻撃していた。理由はわからないが、「S」を付けるとカンボジアへの侮辱になるらしい。
以前、「カンボジア人にとって、プレアビヒアが最も『神聖で重要』な理由」という記事で、カンボジア側のコメントを紹介したので、今回は、タイ側のコメントを中心に紹介したいと思う。
これらは当然、憎しみや怒りの声で誹謗中傷に近い。日本のメディアが、こうしたドロドロした感情を伝えることはほとんどないけれど、生の声にふれることで、両国民の「リアルな気持ち」が見えてくる。
◯カンボジア側のコメント(英語の原文を日本語訳したもの)
・アンコール時代、シャム(タイ人)はカンボジアの奴隷だった。
・タイのみなさん、こんにちは! タイ代表チームが試合に勝ったのは素晴らしいことですね。選手の努力に敬意を払います。しかし、タイはどうして国際司法裁判所(ICJ)を恐れているのでしょうか? 世界はカンボジアの主張を認めたんです。現実を受け入れてください。
・タイは「レディボーイ」を使って、カンボジアの女子チームを倒した 😂
・これは単なる女子サッカーの試合に過ぎない。カンボジア人は気にしないが、タイ人はまるでワールドカップで優勝したかのように大喜びしている。
・カンボジアは女子サッカーの試合に負けたが、すべての戦闘に勝利した。さて、本当に強いのはどっちだろう??
◯タイ側のコメント
・あした、カンボジアメディアはこんな記事を出すだろう。
「カンボジアが“0−7”の結果に不満を示し、タイを国際司法裁判所(ICJ)に提訴へ!」
・ロッカールームでタイの選手たちは、F−16のジョークを完成させるために、「1−6」のスコアで勝つつもりでいた。でも、カンボジアがあまりにも弱く、1点も得点できなかったため、その計画は実現しなかった。
・(F−)1+6=7。われわれの完璧な勝利。
・空を支配する者が戦争の勝者だ。
・「タイ」とは勝利を意味する 🥇
・カンボジアは何ならタイに勝てるの?
・カンボジアは「タイが先に銃撃(shoot)した」と主張した。それは間違いだが、今回タイが先に得点(shoot)したことは事実だ。
・才能のあるカンボジア人はクメール・ルージュによって皆殺しにされた。
・🇰🇭奴隷 0-7 王族 🇹🇭
・「世界のレベル」を困難なものから、簡単なものに並べます。
とても難しいレベル
難しいレベル
通常のレベル
簡単なレベル
とても簡単なレベル
カンボジアレベル
今回はカンボジアが試合に負けたから、タイ人のコメントが多かった。しかし、ネットでバトルをすると、タイ人もカンボジア人もとても激しい言葉を使って相手をののしる。
今回も、一線を越えた侮辱的で差別的な表現が多数あったけれど、ここにそれを載せるのはやめた。
タイ人やカンボジア人と話す機会があったら、相手国を褒めるのは挑発行為になりかねないので、それは避けたほうがいい。
余談
日本ではサッカーの試合で得点差によって、それぞれ「通り名」がある。2−0は「危険なスコア、5−0は「夢のスコア」、7−0は「炭鉱スコア」といった具合だ。
先日、サッカーの日本女子代表がマレーシアに「16−0」で勝ったから、これからその得点差は「F−16スコア」と呼ばれるかもしれない。

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