韓国の「戦犯旗(旭日旗)騒動」に、日本人がいつも感じること

たとえば、「手」を見たとしても、立ち位置が180度変われば1人には手のひら、もう1人には手の甲が見える。日本と韓国では歴史に対する認識が大きく異なるから、同じものを見ても、まったく違って見えることがある。たとえば、旭日旗だ。

最近、ルーマニアに韓国料理店がオープンしたところ、現地と本国の韓国人を怒らせてしまった。原因は、名が体(実体)を裏切っていたからだ。韓国料理を提供する店なのに、店内のデザインは日本風で、しかも壁には旭日旗が描かれていた。
勢いのある旭日(朝日)のデザインは、昔から日本ではめでたい事を象徴するもので、大漁旗などに使われている。海上自衛隊の船が旭日旗を掲げていて、外務省のホームページには「国際社会においても広く受け入れられている」と書かれている(日本文化としての旭日旗)。

しかし、韓国ではこの日本文化が暗転し、軍国主義の象徴として「戦犯旗」と呼ばれ、憎悪の対象になっている。だから、韓国人にとっては、韓国をアピールする店に「悪魔の旗」があることは絶対に許されない。
韓国の大手メディア、中央日報などもこの騒動を報じ、ネット上では怒りの声が広がっている。日本語のウィキペディアに「韓国の造園学者、反日・反中民族主義活動家」と紹介されているソ・ギョンドクさんも、「韓国文化を歪曲する要素は必ず正さなければならない」とお怒りだ。

「Bite me Korea Romania」で画像検索すると、その謎の韓国料理店が出てくる。赤と白の鮮やかな旭日模様をバックに、アジア人らしき女性が浴衣(着物)を着てなぜかガスマスクをしている。「味レストラン」というテキトーな日本語もあって、とてもここが韓国料理店だとは思えない。

この騒動について、日本人はどう思ったか?

ネットでの反応を見てみると、海外の日本料理店でK-POPが流れていたり、太極旗が飾られていたりしたと思えば、「日本人だって苦言を呈したくなるしこの辺は自然な話」と理解を示す人もいる。
日本料理を提供する店なのに、日本に対する最低限の理解や敬意が欠けていれば、今回の韓国人たちの気持ちは理解できるという意見もある。日本料理を提供する店なのに、日本に対する最低限の理解や敬意がなかったら、今回の韓国の人たちの気持ちはたしかに理解できる。
また、日本に関するネガティブな要素は鵜呑みにして騒ぎ出す」「日本にとってはとんだとばっちり」と、韓国人とは違う意味で不快な気持ちになる人も多い。
さらに、「そのうちホールのピザを見ただけで旭日旗に似ていると騒ぎそうな勢い」というように、旭日旗に対する韓国の過剰反応にあきれる人もいた。
総合的に見て、日本人と韓国人にはさまざまな価値観の違いがあるけれど、「韓国料理店で日本文化が使われていると不快に感じる」という点では完全一致している。

 

韓国ではこのデザインも「危険」だ。

 

2018年、ある韓国の女優がロシアを旅行中にサーカスを見に行き、その様子をSNSにアップした。すると国内で「日本の戦犯旗(旭日旗)を連想させる」と指摘され、女優は釈明したが批判は収まらず、最終的に「集中線の模様そのもので深刻な議論になるなら削除する」と写真を消した。
韓国人でさえも、国内の一部「旭日旗アレルギー」には悩まされることがある。1年前にはこんな騒動があった。
中央日報の記事(2024.09.03)

韓国で旭日旗と似た記念バッジ…全量回収へ

韓国の全羅南道にある自治体が団結行事「家族ハンマウム(=一つの心)大会」を開催するにあたって、海から太陽が昇る様子を表現した記念バッジを作り、参加者約300人に配布しようとした。
しかし、それを見た人から「旭日旗と似ている!」という声が上がり、バッジの受け取りを拒否する人が現れ、結局、バッジはすべて回収されることとなった。
関係者は「政治的な意図などはなく、このようなことになり遺憾だ」と残念そうに語る。「〜のように見える」という主観的な理由で、約300個のバッジの製作と配布にかかった予算が無駄になったのだから、関係者が心外に思うのは当然。
「集中線の模様そのもので深刻な議論になる」という理由で、投稿を削除した件と背景は同じだ。
それにしても、心を一つにするイベントで分裂騒動が起こるところが韓国的というか、コントみたいだ。

いっぽう、日本ではこのバッジの画像を見て、「全然違うやんw」「ただの太陽やん」「似てるか?」と首をひねる人が多かった。
そして、こんな疑問を感じる人たちもいた。

「韓国の幼稚園児はどうやって太陽を表現しているんだろう」
「韓国では太陽をどう描くのか、普通に気になる」

韓国で「旭日旗騒ぎ」は定期的に起こり、そのたびに日本では大抵の人が不愉快な気持ちになる。しかし、その段階を超えて一周回ると、韓国では太陽、とくに朝日をどう描くのか不思議に思う人たちが現れる。
隣国で「戦犯旗疑惑」が持ち上がり、非難や釈明、謝罪といった慌ただしい動きがあると、不快に感じる日本人は多いが、最近はそんな騒動に慣れてきたせいか、素朴な疑問を感じる人が増えているように思う。

 

 

韓国の議員が「ソウルで旭日旗を認めよう」と言った結果…

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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