「世界は永遠に変わってしまった」
多くのアメリカ国民がそう感じた日がある。
2001年9月11日、イスラム過激派テロ組織アルカーイダが同時多発テロ事件を起こし、飛行機が高層ビルやペンタゴン(米国防総省の建物)に激突する瞬間が世界中のテレビで流れ、これ以上ない衝撃を与えた。
この攻撃で日本人24人を含む約3000人が犠牲となり、25000人以上が負傷し、少なくとも1兆5000億円以上の損害が発生した。また、これはアメリカの歴史で最も多くの消防士が死亡した事件でもある。
その大惨事を目撃した米国民は、「changed the world forever」と確信した。
このとき、キューバやシリア、北朝鮮などもこのテロについて犯人グループを非難している。これらの国々はアメリカと敵対していたから、この反応は本当に異例。テロが「人類の敵」であることを示している。

ハイジャックされた各旅客機の飛行ルート

自由の女神の後ろで炎上しているツインタワー
この卑劣なテロ攻撃が与えたインパクトは、アメリカ国民の意識を一瞬で変えるには十分だった。
世界中から来た移民で成り立つアメリカには、さまざまな人種や宗教の人がいるため、立場や考え方は本当にバラバラだ。アメリカには世界各国の料理があるけれど、「アメリカ料理」と呼べるものは少ない。
特に政治的な話題になると、価値観の違いから激しく対立することが多いが、この攻撃の後、国民は結束し、ブッシュ大統領の支持率は90%にまで急上昇した。
「United States presidential approval rating」によると、これは歴代の米大統領の中でもっとも高い支持率だ。
ここ最近の大統領の最高支持率を見てみると、トランプ大統領(2017〜21年)は49%、バイデン大統領(2021〜25年)は57%、そして現在のトランプ大統領(2025年1月〜)は47%だから、90%という数字は「化け物」であることがわかる。
太平洋戦争時、大統領をしていたルーズベルトの最高支持率は83%だったから、アメリカは戦争でまとまる国だと言える。
ちなみに、最低支持率を記録したのは、22%のトルーマン大統領(1945〜53年)だ。
米国民は怒りで一つになり、その後、アフガニスタンなどで「対テロ戦争」を開始し、本当に世界を大きく変えてしまった。
ちなみに、2016年に来日したオバマ大統領は、広島で行ったスピーチの中で「The world was forever changed here」と言った。
英語圏で「世界は永遠に変わった」という表現は一般的なものかもしれない。
参照
「U.S. government response to the September 11 attacks」
「September 11 attacks」

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