【ドイツの寒さ】日本と同じで違う秋・ふざけた電光表示板

友人に20代のドイツ人男性がいる。ここでは彼の名前を「ラインハルト」としておこう。ラインハルトは日本が好きで、静岡に1年住んだ後に帰国し、今はドレスデンでサラリーマンをしている。
先日、彼とネットで話をしたところ、「ドイツの寒さの厳しさ」を実感したので、これから紹介しよう。

 

ーーこんばんは。って、そっちは今、「こんにちは」か。

だな、日本の夜10時は、ドイツでは午後2時になる。

ーーみごとに昼夜逆転。

だから、日本人の知り合いと話すと「おやすみ〜」って言われて会話が終わって、こっちは「コーヒーを飲んでちょっと出かけようかな」って気持ちになる。

ーー地球が丸くて、太陽のまわりを回っている証拠だ。コペルニクスは正しかったんだよ。
8時間の時差があっても、日独は北半球にあるから、季節はそんなに変わらないと思う。今はそっちもは秋だよね? 静岡では今日、17度まで上がった。

秋だけど…、えっ、17度!?

ーー間違いない。今、ネットで天気予報を見て言ってる。

今日のドレスデンの最高気温は5度だぜ…。静岡ってそんなに暖かかったのか。もう、あの夢の生活がずいぶん遠くなった気がする。

ーー昼間で5度といったら、静岡基準だと冬のド真ん中だ。

こっちじゃ、まだ秋の終わりだ。ドイツは冷涼な気候だから、夏でもエアコンが必要なかった。日本の蒸し暑さは控えめに言って地獄だった。

ーー「なかった」って、過去形?

温暖化が進んでいるせいで、最近はドイツでもエアコンを使う家が増えているんだ。俺も考えているよ。

ーー地球上に住んでいたら、温暖化は避けられない。日本ではそのせいで、夏の暑さが長引いて春と秋が犠牲になっている。ドイツではエアコン化が進んで、日本では「二季化」が進んでいるのか。

 

ポーランドのトラム

 

ーーラインハルトはどうやって会社へ行ってる? 毎朝、ブリュンヒルトに乗って出勤してるとか?

いや、バスだけど。アパートのすぐ前にバス停があって、毎朝そこから会社へ行ってる。

ーーそのバス停には時刻表がある?

あるけど、なんでそんなことを聞くんだ?

ーーいや、バス停と聞いて、10年くらい前にミャンマー人から聞いた話を思い出した。彼も毎朝、バス停で待っていて、バスが来たらそれに乗って会社へ行っていた。
ある日、彼が仕事でタイへ行ってバスに乗ろうとしたとき、バス停に時刻表があるのを見て驚いたんだって。

ミャンマーのバス停には時刻表がないのか?

ーーそれは今では過去形かもしれないし、当時もミャンマーの別の都市では時刻表があったかもしれない。でも、彼はタイで初めてバスの時刻表を見て、ミャンマーとの発展の差を感じたと悔しそうに言ってた。

それはそれで面白い話だけど、国の近代化でドイツと日本を比較するのはいいとしても、ミャンマーはちょっと違うだろ。

ーーそりゃそうだ。急にあの顔が思い浮かんだから。彼は毎朝、クソ暑い日差しの下で、いつ来るかわからないバスをウンザリしながら待っていたんだって。

ほ〜。それとは条件は正反対だけど、同じようにウンザリする体験なら、俺もドイツで何度かしたことがある。

ーーなにそれ?

ドイツの街にはタラム(路面電車)が走っているのは知ってるか? 「トラム」って英語はドイツ語に由来するのは豆な。

※「Tram」の語源はドイツ語の「Traam」(車軸、梁)と言われる。

ーー日本では少ないけど、「ヨーロッパぶらり旅」的なテレビ番組では、旅人がトラムに乗って移動するのが鉄板になっている。

そうか。トラムの停留所には電光表示板があって、あと何分で車両が到着するか分かるようになっている。でも、それがドイツらしくて、いい加減なんだ。

ーー表示される時刻と到着時刻が合っていないとか? 「あと3分」と表示されているのに、実はもう着いている、みたいな。

いや、そうじゃない。たとえば、「5分」と表示されていて、トラムが近づくと「4・3・2・1」と減っていくんだけど、電車が来ない。表示板を見ると「1」が消えて「2」になってやがる。

ーー「3・2・1・2」って、何のカウントダウンかわからないな。

だろ? 冬にゼロ度以下の超寒い中、震えながら待っていて、数字が増えたときの絶望感といったら…。

ーーわかりたくないね。ミャンマーでバスを待っている方がマシだ。ミャンマーではそれを想定して、木陰にバス停があることが多いっていうし。

俺だって、東南アジアの太陽の下にいることを選ぶさ。

ーーでも、ドイツは世界屈指の工業国だから、待ち時間の長さはミャンマーのバスより少ないだろうけど。

 

おまけ

この記事を書いたあと、韓国メディア・朝鮮日報がこんな社説を掲載していた(2025/11/22)。

10年→5年→7年→9年 選挙のたびに工期変更、加徳島新空港に巣食うポピュリズム政治

最初、韓国政府が新しい空港を10年で完成させると発表したが、いきなり5年に短縮すると言い出した。そうかと思ったら今度は2年延び、さらにそれから2年延長されて、今のところ9年で完成する予定だ。
政府の場当たり的な計画のせいで膨大な税金が無駄になり、朝鮮日報が怒っている。

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

日本人にとってのドイツ/ドイツ人にとってのソーセージ

【ドイツ観光】日本を知るドイツ人がすすめる3つの場所

在日ドイツ人は日本をどう思う? 印象的だった5つのこと

【円安地獄】悲鳴を上げる日本人/歓喜のドイツ人旅行者

ドイツ人から見た日本人 ステレオタイプと一体感(同調圧力)

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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