「Gemini」はジェミニ? ジェミナイ?
Google(グーグル)が開発したAI「Gemini」の名前は、双子座を意味するラテン語に由来している。
この読み方について、日本では「ジェミニ」と呼ぶ人と「ジェミナイ」と呼ぶ人がいて、少し混乱が起きていた。
スポーツブランドの「Nike」を英語で「ナイキ」と発音するように、英語としては「ジェミナイ」の方が正解に近く、海外でもその読み方が一般的だ。
AIに詳しい技術者や専門家の中には、あえて「ジェミナイ」と呼ぶことで、「あなたとは違うんです」と一般人との違いを明確にしているという話を聞いたことがある。ホントかどうか知らないけれど。
そんな「通」の人たちには残念なお知らせがある。
Google Japanが「日本語表記は『ジェミニ』です」と公式に発表し、読み方論争ケリがついた。
外国人と話すと困る「発音の違い」
同じ単語でも、日本と海外で発音が違うケースは意外と多い。
たとえば、アメリカ人やイギリス人と話をしていて、家具ブランドの「イケア(IKEA)」を「アイケア」、「AEON」を「アイオーン」と言われて戸惑ったことがある。
「ジブリ」か「ギブリ」か?スタジオジブリの名前のヒミツ
最近、ファミレスの「サイゼリヤ」で外国人のグループと食事をしていたとき、こんなことがあった。
アニメ好きのカナダ人が「STUDIO GHIBLI」と書かれたTシャツを着ていて、それを見たバングラデシュ人が「なあ、その『ギブリ』って何だ?」と質問した。
ボクが「いや、それは『ジブリ』だ。世界的に有名なアニメ会社だよ」とツッコミを入れると、カナダ人から「いや、ギブリのほうが正しい」とツッコまれた。
名前はイタリアの「熱風」から
もともと「GHIBLI」という言葉は、サハラ砂漠に吹く熱風を指すイタリア語だ。第二次世界大戦中に、イタリアの偵察機に使われていた名前でもある。
飛行機マニアの宮崎駿監督が「日本のアニメ界に熱風を起こしたい」という願いを込めて名付けた。
しかし、イタリア語では本来「ギブリ」と発音する。
宮崎監督が読み方を誤解して「ジブリ」と名付け、それが広まってしまい、気づいたときには手遅れだったという説もある。
公式 HPを見ると、
「なお、本来イタリア語では「ジブリ」ではなく「ギブリ」と発音するのが正しいそうです」
と書かれている。(ジブリという名前の由来は?)
なぜ「G」のあとに「h」があるのか?
英語のルールでは、「G」のあとに「h」が来ると、「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」の音になることが普通。だから、「Ghost」はゴースト、「Ghana」はガーナ(アフリカの国名)と読む。
「発音しないなら、“h”を付けるな」と思う人もいるかも知れないが、もともと英語にも「h」はなかったらしい。
実は15世紀ごろ、イギリスで印刷が広まったときに、英語をあまり知らないオランダ人の印刷工が、自分の国の言葉(オランダ語)に合わせて「h」を付け足してしまい、その間違ったつづりがそのまま定着したと言われている(英語の綴り字改革)。
この辺の事情は宮崎監督のウッカリと似ている。
外国人があえて「ジブリ」と呼ぶ理由
ということで「Ghibli」は、英語(やイタリア語)では「ギブリ」と読むのが正解。でも、サイゼリアにいたカナダ人はそんな英語のルールを無視して、日本式の「ジブリ」と発音していた。
彼によると、アニメやコスプレなど日本のポップカルチャーを愛する外国人は、あえて日本と同じ読み方をするらしい。彼らにとって大切なのは「正しい英語」ではなく、「日本のクリエイターへのリスペクト(尊敬)」だ。
日本人が「Ghibli」を 「Jiburi」と呼んでいるなら、自分たちもそうする。最初のうちは「ギブリ」と呼んでいても、日本式の発音をするようになる外国人は多いらしい。
「ジブリ」という言葉は、「ギブリ(サハラ砂漠に吹く熱風)」から完全に離れて、世界共通の日本語になっているのだ。
外国人が「ジブリ」と言う場合、そこには日本の文化への愛やリスペクトが込められている。
同じ理由で、外国人は「酒」を普通は「サキ(saki)」と発音するところ、日本文化への敬意から、しっかり「サケ」と発音するアメリカ人を知っている。
まぁ、技術者があえて「ジェミナイ」と言うように、ジブリと呼ぶことで普通の外国人との「差別化」を図り、勝手に優越感を感じているのかもしれないが。

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