知り合いのカナダ人留学生アリ(20代・男性)は、去年から静岡の大学で学んでいて、あと少しで帰国する。
その前に彼と会って話をしたので、これからその模様をお届けしよう。
彼が見つけた日本らしい場所の日本らしいものとは?

カナダの大学
カナダへの帰国準備で面倒なこと
ーーアリ、お前、あと2週間で静岡を出てカナダに戻るんだろ? 引っ越しの準備は進んでるのか?
アリ:何かトゲのある言い方だね。まるで早く僕に出国してほしいみたいじゃないか。
まぁ、それはいいや。引っ越しの準備かい? いま頑張って進めているところだよ。
ーーカナダへの帰国準備って想像できないんだけど、何が大変なんだ?
アリ:いろいろあるさ。
海外へ送る荷物を『番号(関税コード)』で表記しなきゃいけないんだけど、これが本当に細かくて手こずったんだ。
たとえば、ただのクッキーなら『1905319900』だけど、チョコレートでコーティングされたクッキーになると『1905311900』になる。
ーーその細かさですべての荷物に番号を付けるのか。……絶対にやりたくない作業だな。
アリ:全人類がそう思うさ。
僕の場合、とくに『strainer』の番号がなかなか分からなくて、時間がかかったねえ。
カナダ人が惚れた日本の「湯切り」
ーーストレイナー? 何だその英語、初めて聞いたぞ。
ゲームで出てくる武器みたいだな。
アリ:いやいや、ラーメンを作るときに使う道具さ。言葉で説明するより、画像で見せたほうが早いかな。
ーーこれ、ラーメンの『湯切り』じゃん……。カナダにいくらでもあるだろ!
アリ:だろうね。でもねえ、やっぱり日本製がいいんだよ。
僕はね、日本でラーメンを食べて、「海外のものとは違う!」って美味しさに感動したんだ。帰国してからもラーメンを作る気になったから、本場の道具が欲しかったのさ。
ーーそう言えば、台湾人もそんなことを言ってたな。
その子が日本へ旅行することになったら、「ヘアードライヤーを買ってこい」って親から頼まれたらしい。
同じ電化製品でも、日本にあるもののほうが『質が高い』ってイメージがあるんだって。
アリ:そうなんだ、分かる気がするよ。『日本製』というのは、それだけで一つのブランドだからね。
ーー日本人として、そう言われるのは素直に嬉しいけどな。
アリ:僕には「湯切り」も立派なお土産なんだ。

AIに描いてもらったイメージ
「かっぱ橋道具街」の魅力
アリ:それにね、その『ストレイナー』は、東京の料理道具の専門店が集まった地区で見つけたものでね。形や光沢が美しかったから、僕はひと目で気に入ってしまったんだよ。
ーーあ、それって浅草にある『かっぱ橋道具街』のことだな。
150以上の専門店があって、プロが使うような調理器具や食器を売っているところだ。
アリ:そうそう、「カッパ」って言葉がついてた。
日本の職人技は海外で高く評価されているから、一度そこへ行ってみたかったんだよ。
見るからにスゴそうなものや、珍しいものが並んでいて、あそこを散歩するのはとても楽しかったね。
ーー確かに海外には、ああいうディープな職人街みたいな雰囲気の場所は少ないだろうな。
アリ:かっぱ橋道具街はね、唯一無二だよ。
ちょっと古い町並みの向こうに、東京スカイツリーがきれいに見えるんだ。
僕としては、とても日本的な場所で、日本らしい買い物をしたと思っているから、あのストレイナーには満足しているんだ。
ーーなあアリ、カナダのトロントって、最低時給はいくらなんだ?
アリ:なんだい突然? え〜っと、だいたい日本円で2,000円だな。
ーーその物価感覚なら、『かっぱ橋道具街』で売ってるプロ仕様のものも、そんなに高くないんだろうな。
アリ:いや、高いものは高いよ。でも、クオリティに合っている。
あの道具街を歩いていたら、何かを買いたくなったから、「湯切り」は本当に良い買い物をしたと思うよ。
ーーそんな思い出の品なら、番号を見つけるのが面倒でも、ちゃんとカナダへ送らないといけないよな。
アリ:その話なんだけどね、じつはオチがあるんだよ。
すべての物のコード番号を書いて郵便局へ持っていったらさ、「カナダへ送るなら、その番号の記入、必要ありませんよ」って言われてしまったんだ。
ーー……。そのポンコツさは、日本に来る前に直しておくべきだったな。
世界からの高評価!「かっぱ橋道具街」のリアルな声
後日、ネットで調べてみると、「かっぱ橋道具街」は外国人の観光スポットになっていることがわかった。
とくにガイド付きの「包丁ショッピングツアー」は大人気で、予約が難しいレベル。
他にも、外国人がよく称賛する超リアルな「食品サンプル」も売っているから、それをお目当てに来る人も多い。
世界最大の旅行口コミサイト『トリップアドバイザー』の「Kappabashi Street (Kappabashi Dogugai)」のページでは、5点満点中、「4.2点」とかなりの高評価だ。
実際の海外からのレビュー(日本語訳)をいくつか紹介しよう。
「専門店をめぐるのは楽しくて魅力的です。有名な食品サンプルや陶磁器、調理器具、包丁以外にも、暖簾(のれん)などの織物も見つかります。」
「家庭用キッチン用品からレストラン用品まで何でもそろう素晴らしい通りです。オーストラリアの商品と比べると価格も手頃で、しかも日本製で品質も高いです。」
「東京を訪れる観光客にとって必見のスポットです。高級キッチン用品、陶磁器、個性的なお土産などを販売する店が軒を連ねています。」
「日本人観光客よりも外国人観光客の方が多かったです。落ち着いた雰囲気で、国際的な観光地になりつつあるようです。」
「時間があれば、ちょっと見て回るだけでも訪れる価値があります。そういった商品に興味がないなら、わざわざ行く必要はありません。」
日本人が普段何気なく使っている道具も、海外の人から見れば「魔法のアイテム」のように映るのかもしれない。
かん違いしないで! カナダ人がアメリカを「嫌い」な理由とは?

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