前に「佐賀の七賢人」と中国の「竹林の七賢」のことを書いた。
くわしくはこの記事を↓
歴史の雑学:佐賀の七賢人と竹林の七賢とは?知って損はないはず!
「竹林の七賢」は高校の世界史で習う内容で、けっこう重要なもの。
「竹林の七賢」
魏から晋の時代にかけて、政争をさけ、清談にふけったとされる阮籍・嵆康・山濤ら7人の呼称。
「世界史用語集 (山川出版)」
魏は3世紀の中国にあった国。
三国志の曹操で有名ですね。
この時代、日本は弥生時代で卑弥呼が活躍していた。
魏志倭人伝に卑弥呼の記述がある。
「竹林の七賢」はそんな時代の人たちで、この7人のこと。
阮籍(げんせき)
山濤(さんとう)
劉伶(りゅうれい)
阮咸(げんかん)
向秀(しょうしゅう)
王戎(おうじゅう)
日本でも竹林の七賢は人気があった。
こんな風にびょうぶに描かれることもある。
画像は京都国立博物館の竹林七賢図。
これは中国人の日本語ガイドから聞いた話。
「中国で竹は、現実の世界と清浄な世界を区切る『壁』になっているんです」
寺に竹を植えることが多いのは、「欲望にまみれた俗世と神聖で清らかな世界(寺)を明確に分けるため」という目的があるという。
また、中国人にとって竹は「すがすがしい」というイメージがある。
竹はそのすがすがしさから、文人墨客に愛された。
「竹林の七賢」「竹渓六逸」などの言葉は、竹と文人たちの深いかかわりを感じさせる。
日本のお寺に竹林があるのも、中国と同じように、「現実世界と清浄な世界を分けるため」というなの理由かもしれない。
日本にある竹林は、中国から来たものが多いらしいから。
現在のような竹林はほとんどがそれ以降の中国からの持ち込み、栽培を元にしたものであると考えられている。
「ウィキペディア」
竹のカーテンで現実世界から離れて、竹林の七賢たちは何をしていのか?
彼らは酒を飲みながら、自由に議論をしていたと言われている。
けっこう気ままな生活をしていたらしい。
そのため、竹林の七賢は「現実離れしたお気楽な発言をする者の代名詞(ウィキペディア)」にもなっている。
ネットで「竹林の七賢」と入力したら、「竹林の七賢 ニート」と出てきた。
でもこれはあくまで「そういうイメージ」というだけ。
実際には、彼らは竹林の中で無責任に遊んでいたわけではない。
発言したことが原因となって処刑された人もいる。
でもここからは、竹林の七賢を「現実離れした勝手な発言をする人たち」というイメージで話を進める。
日本国内に目を向けてみましょう。
日本にも、自由気ままに発言している幸せな人たちがいる。
でも今の日本はかなり危ない。
北朝鮮が核やミサイル開発を止めないし、実際にミサイルを飛ばしてもくる。
安倍首相は「これまでにない深刻かつ重大な脅威」とまで言う。
北朝鮮の脅威はさらに高まりそうだ。
「電磁波攻撃」まで考えているらしい。
毎日新聞が「そこまでするか?」と驚いている。
米国と同盟国を脅すためなら何でもするという、北朝鮮のあざとさと執拗(しつよう)さに改めて驚かされる。
国連の言うことを何度も無視して核やミサイル開発を進める北朝鮮に、常識や善意は通じない。
産経新聞から。
国際社会の制止を振り切り、核・ミサイル開発に狂奔する体制は対話の相手となり得ない。
日本が北朝鮮の脅威下にあり対話が通じない相手であっても、「北朝鮮に圧力をかけてはいけません。話し合いで解決しましょう」と現実離れしたことを言う人もがいる。
もちろん対話での解決が一番理想的で、それを目指すべき。
でもそのためには、北朝鮮が困り切るぐらいの強力な圧力をかける必要がある。
毎日新聞は社説(2017年9月8日)でこう書いている。
国連の安全保障理事会では、北朝鮮への新たな制裁として石油禁輸や北朝鮮人出稼ぎ労働者の受け入れ中止などが検討されている。
読売新聞の社説(2017年09月08)では「制裁」と、より強い表現を使っている。
厳格な北朝鮮制裁の実現には、ロシアの協力が不可欠だ。日本は、首脳間の緊密な関係を基礎として、働きかけを粘り強く続けねばなるまい。
国連をはじめ世界の各国が「今の北朝鮮には圧力をかけなければいけない」という認識で一致している。
圧力には経済的なものと軍事的なものとがある。
圧力の種類は違うけれど、日本の政府も各新聞も「北朝鮮に強力な圧力をかける必要がある」という考えでは同じだ。
「北朝鮮に圧力をかけて疲弊させた後に話し合いをして、核・ミサイル開発をやめさせる」というのならわかる。
けどそうではなくて、「圧力をかけて北朝鮮を刺激してはいけない」「無条件で対話をして解決をはかれ!」と言うのはあまりに現実離れしている。
でも今の日本にはそういう無責任な声がある。
北朝鮮よりも日本政府を批判する謎な人もいる。
これでは、魏や晋の竹林の七賢と変わらない。
竹林ではなくて自衛隊やアメリカ軍という壁の中にいて、好き勝手なことを言っているだけ。
ただし、「賢人」ではない。
おまけ
中国人にとって竹とは?
また、竹は松・梅と共に、「歳寒三友」と言われ、冬でも枯れぬめでたい植物とされている。
竹は火にくべると音を立てる事から、爆竹の起源にもなった。
もちろん、その燃える音は魔を払う為の音である。
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