【ダメだこりゃ】韓国の夢想する徴用問題解決&日本への要求

 

いまの関係は戦後最悪じゃないか!
改善のために早く動き出さないと!

と言ったまま時間が止まっているのがいまの韓国と日本。
もちろんこれは「どっちもどっち」ではなく、1965年の日韓合意をひっくり返して、解決したはずの徴用工問題を蒸し返し、日本企業に賠償を命じた韓国側が悪い。

とはいえ、このままにらみあったままだと両国経済がダメージを受けるということで、つい最近おこなわれた日韓経済人会議で関係改善の方策が議論された。

政治は氷河期に入ったまま動き出す気配はなく、時間だけが過ぎている状態だから、経済界が声をあげないといけないことは分かるとしても、基調講演をおこなったホン・ソクヒョン氏(韓日ビジョンフォーラム代表兼中央ホールディングス会長)の“解決案”とやらを聞く限り、「ダメだこりゃ」としか思えない。

ホン氏は中国の鄧小平氏の知恵に学び、「韓日協定60周年の2025年を目標に今から歴史和解プロセスに入るのがよい」と言う。
歴史問題をめぐって争うのはやめて「未来の共有」を念頭におき、逆算的に歴史問題を解決していくのがいいうと言う。

1978年に日本を訪問した当時の中国の国家主席・鄧小平氏は、尖閣諸島をめぐる争いについて「現在の中日指導層よりさらに知恵を持つ次世代にこの問題を任せる」と話した。
そして中曽根康弘首相は「戦時に多大な苦難を与えたことに遺憾を表す」と述べて、中国に巨額の援助を約束する。

これが「鄧小平氏の知恵」らしいのだが待ってほしい。
1970年代の日中関係は現在の「合意を守った日本と破った韓国」という関係とは異次元レベルで違う。にもかかわらず、ホン氏は状況や立場をすべて無視して、韓日もこうした「度量が広い妥協」がいま必要と主張する。

具体的には、日本企業の代わりに韓国政府が特別立法を通して被告に賠償をして、「日本の退路を開くことを約束する」という。

そうは言われても、徴用工問題は65年に終わっている。
日本はすでに韓国側へ巨額の経済支援金を渡したし、この問題については、過去の韓国政府も韓日の間では解決済みという立場だったのだからムン政権もそうするべき。
日本の退路なんて心配しなくていい。
そもそもいまの日本は韓国政府が解決策を出すのを待っている状態で、何から退くのがさっぱり分からないけど、ホン氏の考えによると、こうすれば韓国は日本に対して「一気に道徳的優位に立つことができる」。

そして日本への要求はこうだ。

中央日報の記事(2020.11.28)

日本政府は不法植民支配と強制徴用について謝罪して反省する立場を明確にすべきだと強調した。洪会長は「両国政府間の合意の形で韓国人を相手に明確なメッセージを送るべき」とし、菅義偉首相の決断を促した。

「韓日指導者、トウ小平の知恵から学ぶべき」…過去を解決する「決断」要求

 

日本の韓国統治を一方的に「不法」と認定したのは韓国側で、日本は今も昔も一切それを認めていない。
終わったはずの徴用工問題を蒸し返して、韓国側が謝罪や反省を要求するから関係は悪化しているのに、さらに燃料を投下してどうするのか。
それをしないといけないのは、むしろ約束を破った韓国側だ。

賠償という韓国政府がしなければならないことを「度量が広い妥協」と表現して、日本が絶対にのめない要求を「すべきだ」と迫る。

このようして、「韓日協定60周年の2025年を目標に今から歴史和解プロセスに入るのがよい」とホン氏は言うのだけど、そもそもこの韓日協定を2018年にひっくり返したのは一体どこの韓国か?
まずはこの破損部分を修理してからでないと何の話も始まらない。
いまの状態で歴史和解プロセスなんてただのファンタジー。

この会議に参加した日韓議員連盟会長の額賀福志郎氏も、さすがにこの現実離れした提案やホン氏のテンションとは距離をおいてこう話す。

「先日、金振杓(キム・ジンピョ)韓日議員連盟会長ら7人の韓国国会議員が訪問した当時、両国首脳が会談できる環境づくりに全力を尽くそうという話を交わした」

これは日韓首脳会談ができるように、まずはムン大統領が徴用工問題の解決策を出すべきだと暗に言っているのだ。

 

今回の経済人会議で明らかになったのは、日本と韓国は政治だけでなくて経済分野でも話がまったく合わないということ。
ことし一年、日韓の間でいろんな言葉が交わされたけど、そのたびに互いの認識の違いが明確になって距離は離れていったように思う。
約束を守ろうとしない韓国に対して、日本は明らかに冷めていった。
合意を守ると「一気に道徳的優位に立つことができる」という韓国的な発想は、日本人にとってはただただ理解不能。

こうして明日から12月が始まり、2020年もきっと戦後最悪のまま終わる。

 

 

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1 個のコメント

  • 最近の韓国のふるまいを見ていると、「相手国を自国と同等の立場にあるものとして尊重し、対峙する」という考え方が、韓国相手に限っては、無駄なのかと思えてきました。
    国際法を守る程度の礼儀を身に着けてから日本に対して何か要請してみなさい。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。