【逆神】日本は不買運動を直視せよ！ → いま韓国企業が倒産危機ゆかしき世界

２年前の夏、日本政府が対韓輸出の管理を強化すると発表したとたん、韓国は火のように怒り出す。
「日本には二度と負けない」と文大統領が煽り、メディアが「日本の経済侵略」と書くから国民の反日感情に火がついた。
そうなったら、日本製品の不買運動が全国へ広がるのは当たり前だっつーの。

これはそのころ、韓国政府の考え方に近いメディア・新聞ハンギョレが載せた社説。（2019-07-20）

安倍政府が「強制徴用への被害賠償」という歴史問題をめぐり、輸出規制という稚拙な対応をしたため、市民が自発的に行動に出ているということだ。一部では、不買運動を現実を知らない「感情的行動」と蔑むこともあるが、それは正しくない。

安倍政府は「日本製品不買運動」の拡散の意味を直視せよ

「知らない間に日本製品を使っていたかも！」という不安を持った人のために、韓国社会にある日本製品と、それに代わる韓国製品の情報を教えてくれるサイト「ノーノ―ジャパン」には１日で17万人が訪れてアクセス障害が発生したという。

でもそれが全てではない。
一部ではあるものの、不買運動を「現実を知らない感情的行動」と批判する冷静な声もあったのは確か。
知人の韓国人もそのひとりで、日本企業（韓国では戦犯企業）に勤めている彼も、当時のまわりの熱狂を冷めた思いで見ていた。
彼からしたら、「日本製品不買運動の拡散の意味を直視せよ」というのは韓国政府に対して言いたかったはずだ。
ほかの韓国企業の製品に比べて、品質と値段では絶対に負けない製品を作っているのに、「戦犯企業」というだけで門前払いをくらうようになったと話していたから。

長い目で見たらこんな反日不買運動が、彼の会社はもちろん韓国にも悪い影響をもたらすことは見えていた。

知人のアメリカ人がソウルで見た日本製品不買を呼びかける掲示物

そして数か月後、その年の終わりには、ノージャパン運動によって日本の飲料や食品、タバコなどが店から消えたことで、韓国マート協会のキム・ソンミン会長は不買運動が文化になったと言う。

中央日報の記事（2019.11.29）

キム会長は「日本製品不買運動は１つの文化として定着したようだ」とし「私たちは経済貿易報復が撤回されるまで、歴史の反省があるまで不買運動を継続する」と語った。

韓国マート協会会長「日本製品不買運動は１つの文化として定着」

不買は文化だ。

たしかにこのころ、日本ビールの韓国輸出はなんと「０ウォン」を記録して、それを扱う韓国企業が大ダメージをうけた。
日本のビール会社にとってはもともと韓国に輸出していた量が少なかったから、全体的にはほぼ無傷。

この２年後のいま、これまで頑張ってきた、釜山と日本を結ぶ旅客船を運営する韓国企業が息の根を止められそうだ。

聯合ニュースの記事（2021/03/02）

韓国の船舶会社が日本旅行のボイコットに続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で倒産の危機に立たされているとして、支援を訴えている。

日本旅行ボイコットにコロナまで　韓日結ぶ旅客船会社が倒産危機＝韓国

日本旅行ボイコットが始まってから、旅客船の乗客は前年同期比で約８割減少したという。
さらに新型コロナウイルスの影響で客足がほぼ消えた。
釜山から対馬や福岡、大阪、下関を訪れた乗客数を見ると、２０１８年の約１４２万６０００人から１９年は約９３万２０００人に激減し、２０年には約６万人と絶滅寸前。
不買運動が始まってからすでに、高速旅客船会社６社のうち２社が廃業し、残りの会社も従業員の大多数が無給休職に入るなど、生き残りをかけて死にもの狂いで頑張っている。
それでもダメで、支援を訴えているのがいま。

別の全国紙・中央日報も同じ内容の記事を載せている。

「ＮＯジャパン」にコロナまで…韓日旅客船会社が相次ぎ廃業の岐路に

日本製品不買運動を「現実を知らない感情的行動」と言った韓国人には「それは正しくない」と反論し、日本には「直視せよ」と書いた全国紙や、不買は１つの文化として定着したと言った人間はいまこそ旅客船会社を倒産の危機から救うべき。
いまこそ乗って応援だ。
「稚拙な対応をした」のは一体だれなのか。

結局のところ、知人のような「一部韓国人」の見方が正しかった。
彼の会社は倒産の危機はないものの、それでもやっぱり苦戦を強いられているらしい。