日本でNATTOといえば納豆のことで、世界でNATO(ナトー)といえば北大西洋条約機構を指す。
でもそれとは違って、「ではこの件は一度持ち帰って、社内で検討します」と言ってその後何の進展もないような日本企業をやゆして「NATO(No Action, Talk Only:言うだけで行動しない)」とやゆする海外企業があるという。
さて話は隣国だ。
慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」に合意した2015年の慰安婦合意について、文大統領はこれまで「日韓合意で慰安婦問題は解決しない」と主張してきた。
あとからこんなことを言い出しても手遅れで、日本政府は相手にしていない。
でも今月1日、変化がおきた。
文大統領は15年の日韓合意が「両国間の公式合意と認めている」と明言した。
いままでと比べると前向きの発言だが、肝心の「で具体例にどうする?」が何もない。
また韓日は「過去に足を引っ張られていてはならない」、「過去の問題は過去の問題として解決しつつ、未来志向的な発展に一層力を注がなければならない」と強調。
そして「いつでも日本政府と向き合って、対話する準備ができている」と文大統領は言う。
日本は韓国に対して繰り返し、約束破りによってうまれた国際法違反の状態を是正するよう求めてきた。
でも今回の文大統領はそれを無視して、自分の理想を語っただけだから、日本政府はいま韓国政府が解決策を示すかどうかを見極めているところ。
これが対話の条件なのだから、文大統領が本気でそれを望むのなら準備はできるはず。
でも残念ながら、それから1か月たったいまでも進展は1ミリもない。
これは2019年の文大統領の演説をうけて共同通信が報じた記事。
文大統領「日本と協力」強調 韓国、三・一独立運動百年
強調するだけだから前進がない。
それどこからチョン・ウィヨン外相は慰安婦問題についてこんな発言をする。
日テレニュース24の記事(2021/3/31)
「日本が真なる謝罪をすれば99パーセントは解決する」と述べ、日本との外相会談を早期に開催したい考えを示しました。
韓国外相「日本の真なる謝罪で99%解決」
大統領が「両国間の公式合意と認めている」と言ったにもかかわらず、その同じ月に外務大臣がそれを否定することを言う。
自分のことばを自分で否定するから、日本での文政権に対する信頼は完全に地に落ちた。
韓国はすでに日本の心からのお詫びの気持ちと、10億円の支援金を受けとっておきながら、いまでもこんなことを言い出す。
しかも日本が真の謝罪を行っても、100%の解決にはならないという。
たしか元慰安婦の人がこのまえ、お金が目的ではないから、日本が心から謝罪すればそれで問題は解決すると言っていたはずなのに、それとも矛盾する。
まぁ韓国の外相がハードルを上げたところで、日本はレースに参加しないから無意味なんだが。
チョン外相は日本との外相会談を早く行いたいと自分の希望だけを語って、日本の求める解決案の提示についてはスルー。
「いつでも会う用意がある」と強調するだけで、そのための具体的な行動はしない。
まさにNATO。
慰安婦問題については、日本は「持ち帰って検討します」ではなくて、すべての約束を完全に守っている。今度は韓国が有言実行する番だ。
No Action, Talk Onlyを繰り返していれば、相手がNo Reactionになるのは当たり前。
とはいえ日本が韓国政府を完全に無視しているわけでもない。
このまえチョン外相は日本に、10年前の東日本大震災のお見舞いを記した書簡を送った。
でも日本は受け取りを拒否。
ということはさすがになく、茂木外相はちゃんと韓国側に返信した。
でもそれは形だけのものらしい。
産経新聞の記事(2021.3.18 17)
茂木氏が韓国外相の書簡に「儀礼的」返信
また茂木外相はチョン外相やカン駐日大使からの面会要求について、いまは忙しくて具体的な日程はないと述べる。
この優先順位の低さ、”放置状態”は、問題解決に動こうとしない韓国政府への対抗措置だという。
そのへんは韓国側もわかっていて、ハンギョレ新聞はこのところ日本政府の『韓国無視』が露骨になっていると不満を言う。
でもこれまで日本を冷遇・無視してきのは韓国政府だ。
茂木外相の対応をみてもたしかに形式的で、いまの文政権を話し相手とみなしていない。
空しいことばのやり取りだけで、韓日関係は本当に中身がなくなった。
歴史の蒸し返しには日本国民の怒りも高まっている。
文政権はNATOをやめて、早く解決案を示すべき。
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ははは、さすが。
願っているのは心からの謝罪と言いつつ、とか言っている連中が何を言ってねぇ。