「末は博士か大臣か」とは、子供の輝かしい将来について期待を込めて使われた言葉だ。
でも、どんなに高い地位でも高給でも、全身全霊でイヤなのが韓国の外務大臣。
国内の反日世論と国際常識に銀河系レベルの違いがあるとき、韓国外相はその調整に超苦労させられる。
例えば日本が原発の処理水を海に放出すると発表すると、国際原子力機関(IAEA)はすぐに「歓迎する」と支持した一方、韓国社会は怒りにうずまいた。
国内の反応がどうであれ、外相という立場上、IAEAが認めたことを否定するのはむずかしい。
それで日本の決定に「あえて反対しない」と述べたチョン・ウィヨン外相は、「国民の情緒と違う!」と国会議員から猛批判を浴びた。
日本の処理水放出について、IAEAのグロッシ事務局長は「技術的に実行可能で、国際慣行に沿う」と言う。
でも国内の市民団体は「全世界人類に対する核攻撃と同じ破滅的行為」と日本を強烈に非難する。
水と油のこの2つの意見の間に立たされたら、普通の人なら1週間で胃が悲鳴を上げて、10日後にはきっと機能が停止する。
韓国は自国の月城原発で処理水を流しているのだから、日本が同じことをすると激怒するという二重基準がそもそもおかしい。
反日世論と国際常識のほかによくある葛藤が、それと日本の世論との衝突だ。
日本との関係について言えば、いまの韓国外相にとって最もやっかいな外交問題は元徴用工と慰安婦問題のはず。
それで先日、ソウルのプレスセンターで開かれた討論会でチョン外相が怒りを爆発させた。
「Wow!Korea」の記事(2021/04/21)
韓国外相「日本が韓国を“国際法違反国家”と罵倒」…「日本にそんな資格があるのか」
チョン外相、慰安婦問題についての日本の態度には限界を超えたらしく、こうぶちまける。
「青瓦台(韓国大統領府)の国家安保室長に在職していた時、この問題(慰安婦問題)解決のために非公開で日本に行き協議したが、日本の交渉態度には驚いた」
「一貫して自分の主張だけをし、交渉を壊そうとしているのではないかと思った」
なるほど。
だがマッテクレ。
2015年の慰安婦合意で約束したことを、日本はすべて守ったのに韓国はまだ実行していない。
韓国が合意を履行していれば、日本大使館前にある慰安婦像はいまごろ撤去されていたはずだ。あの像はあの場所で、今年でいったい何度目の春を迎えたのか。
「自分の主張だけをし、交渉を壊そうとしている」というのは、約束を守らない側が言うセリフじゃない。
慰安婦問題の解決についてチョン外相は「非常に現実的な方案を日本側に提示した」にもかかわらず、日本からは塩対応をされたとお怒りの様子。
なるほど。しかしマテ。
解決案というものは、受け取る側が「非常に現実的」と評価するものでないと意味がない。
案を出す側が自画自賛してどうする。
そんなチョン外相の怒りの最大のポイントはここだ。
「日本は“政府間の合意”であるため、韓国が守らなければ“国際法違反”だという理屈に合わない主張をしている」
「韓国を『国際法を違反する国だ』と罵っている」
こう言ったあと、「日本がそのように言う資格があるのか」と声を荒げたという。
でも、韓国が合意を守らないことを『国際法違反』とするのはちょっとおかしい。
日本の言う慰安婦問題の国際法違反とは、韓国の裁判所が日本の主権を認めずに、元慰安婦などの原告側に賠償を命じた不当裁判のことのはず。
国家間の合意をどちらかの国が国内法でもって、ひっくり返す行為は国際法に違反する。
あとから国内事情で、一方的に約束を白紙にすることが認められたら、もう国家間の合意なんて結べなくなる。
そのあり得ないことを韓国がしたから、茂木外相は「自らの責任で国際法違反の状態を是正する措置を求める」とその是正を求めているだけ。
合意違反もこれに含まれているかもしれないけど、一義的には不当判決を指しているはずだ。
それはこれは指摘と要望であって、「罵っている」とは違う。
とにかくチョン外相としては(政府全体がそうだろうが)、韓国側は解決のための現実的な案を何度も提示したにもかかわらず、日本は高圧的な態度でそれを受け入れないことがいけない。これが韓日関係を悪化させていると考えている。
そんな外相にとって、悲報か吉報かよくわからん判決が下った。
ことし1月に韓国の地裁が日本の主権免除を認めず、日本政府に敗訴を言い渡した。というのに3か月後のきょう、同じ案件で今後はソウル中央地裁が日本の主張を認める判決を言い渡した。
まさかの元慰安婦らの原告側敗訴&日本政府の勝訴。
1月も同じ判決を出していれば問題はなかったのに。
この判決なら『国際法違反国家』ではないし汚名返上なのだが、こうなると、元慰安婦や支持者の大反発と世論の沸騰は避けられない。
外相としてはこれはこれで大変だとしても、日本の態度が軟化することは期待できる。
と思いきや、日本政府の態度は相変わらず岩。
この判決についてきかれた加藤勝信官房長官は「内容について精査する必要があり、現時点で政府としてのコメントは差し控えたい」と肯定も否定もせず。
良く言えば静観する姿勢を見せた。が実際のところは、「それは韓国の国内問題」と放置だろう。
そして、これが日韓関係に良い影響を与えるかどうか問われた長官はこう答えた。
「基本的に何ら変わりはない。韓国が国家として国際法違反を是正するため、適切な措置を講ずることを強く求めていきたい」
つまり、「日本勝訴」に実質的な意味はないらしい。
今回の件はこれでいいとして、問題は日本に賠償を命じた1月の判決だ。
この点については「コメントは差し控えたい」では済まされないから、加藤長官はこう強調した。
「極めて遺憾であり、断じて受け入れることができない。国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講ずることを引き続き強く求めていく」
「日本にそんなことを言う資格があるのか!」の応えは、相変わらずの塩対応。
そんな大声を出して怒ってみても、いまの日本の政府や国民には通じない。
ある外務省幹部は、これまでの判決が異常だっただけで、今回の判決は極めて妥当な措置だと話し、これで両国関係にプラスになることはまったくないと言う。
韓国の外務大臣は本当に大変だと思う。が、約束と国際法はやっぱり守らないといけない。
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日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。
日本が、戦後の教育が誤っていることに気づくまで50年かかりました。
韓国はまだ数十年はかかるでしょうね。
おはようございます
いつもわかりやすい記事で愛読さてていただいております。
今後の、日韓関係を注目してまいりますので、関連記事を
またよろしくお願いいたします。
慰安婦問題は韓日間で解決が不可能です。韓国人たちにあまりにもこの事実が間違って認識されているからです。いっそのこと、国際司法裁判所にこの問題が回付されて、国際的に確実な判決が出た方がいいでしょう。
おはようございます!
そう言ってもらえると書いたかいがあります。
ええ、がんばって書いていきますよ。
国際司法裁判所に持って行く案は日本にもあります。
問題が大きくなって嫌がる人もいますが、個人的にはそれに賛成です。