いまの日本では、季節を春夏秋冬の四つに分けるのが当たりまえ。
でも昔はそうでもなくて、たとえば1年を24に分けた「二十四節気」という区分があった。
二十四節気によると、2021年は5月21日から「小満(しょうまん)」という季節がはじまる。
暖かくなって雨も降るようになる小満は、いろいろな植物や動物が成長していく時期。
だが天にヒトの意思は関係ないから、いらん虫も活動を活発化させる。
3年前のこの時期に、知人の台湾人が友人2人を連れて日本へ旅行にやって来た。
(全員20代の女性というご褒美)
3人が東京(たしか渋谷)を歩いていたときにゴキブリを見つけ(以下G)、「台湾ではGが道を横断しているのを見ることはありますが、日本でもそんなことがあるんですね」とビックリしたという。
日本の街では路上にゴミが落ちてないし、どこのガラスもピッカピカですごく清潔だと思っていたけど、“路上のG”を見たときは「台湾みたいでした」とのこと。
台湾に比べると日本のGは体が小さいから、十分気持ち悪かったけど怖さはなかったらしい。
ちなみに、突然ゴキブリが出てきてビックリすることを台湾では「Gショック」と言う。なんて話はしらんけど、台湾でゴキブリを「小強」と書くのはホント。
そんなことから台湾人3人から、その不快な虫についての話を聞いた。
学校でよくGが出るというのは、まぁ日本も似たようなものだ。
台湾にある(たぶん)中学校
日本のGだろうと台湾の小強だろうとどちらも人類の敵で、食べ物があって汚いところによく出没するという性質は変わらない。
だから台湾では、昔からある市場の特に魚や動物の肉を売っているところだと、そこで肉をさばいているからヤツラが寄ってきやすい。
チェーン店ならいいけど、小さな食堂だとGと遭遇する可能性は高いし、いろんな食べ物を売っている夜市もけっこう危険だ。
ボクが台北で夜市をいくつか回ったときには一匹も見なかったけど、目撃しなかっただけで、足元にはヤツラがいたのかも。
3人の台湾人のうち1人は夜市での出来事で、いまでもトラウマ(心の傷)を持っていた。
彼女がお気に入りの夜市で、歩いていたか座っていたときかはわからないけど、とにかく足の甲に虫が這(は)う感覚がして思わず悲鳴を上げた。あれは絶対に小強に違いないと言う。
それ以来、夜市に行くときはサンダルを履かないことにしたとか。
当然、そうした食堂、市場、夜市の近くにあるアパートにもGがやって来やすいから、ほしい時にほしい物が手に入るという便利な反面、いらないモノが突然やって来ることがある。このへんは表裏一体らしい。
ちなみにこの3人は全員、台北市のアパートに住んでいる。
今回の話と直接関係ないんだが、今月はじめ台北市のレストランに男2人がやって来て、嫌がらせで1000匹ほどのゴキブリをぶちまけたという身の毛がよだつ事件が起きた。
台湾に行ったとき、現地で宿を経営していたり、留学していた日本人からGの話を聞いた。
宿のオーナーが言うには「台湾にゴキブリはうじゃうじゃいます」という状態で、ゲストハウスにとっては死活問題になりかねないから、駆除と予防で神経をすり減らしていると言う。
日本人留学生の場合は近くに食堂や市場があったから、「ここは便利でよさそう」と思ってアパートをきめたら、すぐにそのダークサイドに気づいた。
危うくGを踏みそうになったことは何度もあるし、友人とプリクラを撮ろうとしたら、Gも入ってきてパニック状態になったこともあったとか。
基本的に暑い台湾は「小満」がずっとつづくようなものだし、何をやっても自分の生活圏にGを侵入させないのはムリ。
2人の話を聞くと、一番の対策はG耐性を上げて、精神的ショックを軽減させることだと思う。
日本人にとってヤツラは大強(または大凶)だから、旅行者なら夜市や市場に行くときには、サンダルかスニーカーかよく考えたほうがいい。
そして下を見てはいけない。
おまけ
ゴキブリの由来には、食器である御器(ごき)をかじることで「御器囓り(ごきかぶり)」、御器の下に隠れることで「御器被り(ごきかぶり)」と呼ばれたことが現在のGになったという説がある。
おもしろいのは香港(広東語)の「甴曱(そうおう)」だ。
Gが上へ下へ移動する様子を表した漢字のように見える。
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> 食べ物があって汚いところによく出没する
うーん、ブログ主さんは知らないのかもしれませんが、まあ汚いところによく出没するのは当然として、自分の家の中は食べ物を放置せず清潔にしていても、周囲がそうだったらゴキブリは出るのですよ。歩いてきたり、走ってきたり、時には飛んできたりして家の中に入って来ますからね。
一番注意すべきなのは、玄関ドアの隙間とか換気孔だと思います。網戸は開けないこと。玄関ドアの近くにトラップを仕掛けることです。
「それ以外は出ない」という意味ではありませんよ。