前回の記事で、中国事情に精通した韓国の専門家のこんなことばを紹介した。
「中国の外交戦術は無慈悲だ」
この“無慈悲”の具体例をこれからご覧いただこう。
今月はじめ、韓国が中国にこんなお願いをする。
中央日報日本語版(2021.09.03)
韓中経済協力会議…中国に文化コンテンツの活性化「協力」要請
中国の経済力や市場の大きさは韓国にとってすごく魅力的で、コレを抜きにして韓国の経済成長は考えられない。
それで韓国外交部(外務省)が中国政府に、韓国のゲームや映画などの文化コンテンツの交流が活発化するよう協力を求めた。
外交部の要請をみると両国間の航空便の増便や、韓国企業が中国でスムーズに活動できるよう依頼するなど、韓国が中国経済に頼っている現状がよくわかる。
こんな感じに韓国が中国へ「文化コンテンツの活性化をお願いしまーす」と依頼して、一週間もたたないうちにコレだ。
中央日報日本語版の記事(2021.09.08)
中国当局の大々的な芸能界浄化運動がK-POPファンクラブの取締り強化など第2の限韓令(韓流制限令)の兆しを見せている。
BLACKPINKなど中国ファン21件の微博アカウント停止…K-POPに第2限韓令
簡単にいえば、中国共産党の価値観に反するものは中国から追放されるということ。
たとえばBTS(防弾少年団)のメンバーの誕生日を祝うために、航空機のラッピング広告を出そうと募金活動を始めたSNSには60日間の使用禁止措置が下された。
こうやって金を集める活動は、中国的には「非理性的」だから認められないという。
中国の官営メディアはこう強調する。
「中国のスター追従文化は韓国が根源で、中国当局が行う芸能界浄化キャンペーンで韓国スターも例外ではない」
「このような措置は外国芸能人、特に韓国アイドルのファンクラブが芸能界浄化措置の対象になる」
こうした理由から「浄化キャンペーン」として、K-POP界のツートップ・BTSとBLACKPINKのメンバーをはじめ21件のファンアカウントがバンされた。
といっても数十日だけだから、これは警告の意味が強そう。
「規制はK-POP産業に対して追加の打撃になるだろう」という中国に、韓国の芸能事務所の関係者は「これまでの『限韓令』とは違う次元の圧迫が始まるのではないだろうか」と戦々恐々。
しかもこれは始まりで、規制が今後どこまで広がるのか見通しがつかない。
中央日報日本語版(2021.09.08)
最近中国当局が芸能界に対して大々的な捜査政局を作りながらK-POPまで狙うようになると、韓国芸能企画事務所はその「火の粉」がどこまで及ぶのかを考えて悩みが深くなっている。
「中国の限韓令、いま始まったばかり」…BTS・BLACKPINKのファンアカウント続々停止
韓国が国として、韓流文化コンテンツの交流が活発化するよう中国政府に協力を依頼する。
するとすぐにアカウントの停止など、容赦とハンパのない「限韓令」を発する。
しかもこれは始まりに過ぎない。
「違う次元の圧迫が…」という韓国側の不安をみると、「中国の外交戦術は無慈悲」という指摘はおそろしく正確だった。
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