1月2日にタンザニア人、インド人、ネパール人、中国人の留学生(全員20代の男)と一緒にハイキングへ行ってきた。「We Are the World」を歌いながら。いやしらんけど。
中国人とインド人の話はまえに書いたんで、今回はネパール人から聞いた話を書いていこう。
インドと中国、象とパンダにはさまれたネパールってこんな国
面積:14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍)
人口:2,970万人(2019年)
首都:カトマンズ
民族:パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等
言語:ネパール語
宗教:ヒンドゥー教徒(81.3%)、仏教徒(9.0%)、イスラム教徒(4.4%)他
外務省HPの「ネパール(Nepal)基礎データ」から。
・山国、でもないネパール
静岡にある浜石岳を登っている途中、ネパール人は上の風景を見て故郷を思い出すという。
きょねん日本へ来てから、コロナ禍もあってあまり外出してなかったから、山といえば浜松市内から遠くに見えるものしか見たことがない。
「そうか、ネパールは山国だからね」とボクが寄せた共感を、「いや、そうでもない」とあっさり否定しやがりました。
彼いわく、たしかにヒマラヤ山脈のあるネパールには山が多い。
でも、自分が住んでいる南部(インド側)には平地が広がっているから、「ネパール=山国」というイメージは基本的に正しいのだけど、そうではない部分もある。
でもネパールにいたころは山を見る機会が多かったから、日本のこんな景色はそれと重なる。
(でもあちらはきっと、もっとスケールが大きい)
ちなみにヒマラヤとはサンスクリット語で「ヒマ(雪)」と「ア-ラヤ(すみか)」をくっつけた言葉で、「雪の住みか」「雪のあるところ」といった意味。
・ネパール人にとってのエベレスト
日本の「雪の住みか」、富士山の頭がチョコンと見えると、インド人やネパール人から「おお~」と感嘆の声が。
この山は日本のシンボルで、富士山を自慢に思う人も多いと思われ。
ネパールは小さな国で自慢できるものが少ないから、高さ約9000mで世界一高いエベレストはまさに誇りだとか。
でも富士山と違って、エベレストを身近に感じることはない。
普通のネパール人はテレビやネット、レストランにあるポスターで見るぐらいで、直接エベレストを見ることはほとんどない。
新幹線で座ったまま窓から眺められるような山じゃないから、富士山とは何というか距離感が違う。
富士山はレジャーで頂上まで登ることができるけど、エベレスト登山にはトンデモナイお金がかかるから普通の人にはとてもムリ。
彼の話を聞いていると、ネパール人にとってエベレストは「高嶺の山」という感じで、同じ「自慢の山」といっても、日本人にとっての富士山のような親しみのある山ではないようだ。
いまネットで見てみたら、エベレストの入山料だけで約110万円する。それに装備や保険代などの諸費用を含めると総額で700万円ほど。
ネパール人の平均年収は20万円〜30万円ほどというから、一般人がその30倍なんて額を出せるはずもなし。
ご近所感覚の富士山でよかった。
・グルカ兵
彼がネパール人として自慢に思えることは、エベレストのほかにグルカ兵がある。
山岳民族の彼らは体格は小さくても、勇気があって俊敏でとても強いし、命令に忠実だから軍の兵士に向いている。
ちなみに厳密にいうと、グルカ族という民族集団はいない。
マガル族、グルン族、ライ族など複数のネパールの山岳民族をまとめて「グルカ」という。
その強さが認められたグルカは大英帝国の時代には軍人に採用され、イギリス軍としてインドをはじめて世界各地で戦い、その勇猛さが知られるようになった。
現在でもイギリス陸軍には、グルカ兵で構成されるグルカ旅団がある。
1982年のフォークランド紛争の時には、「グルカの兵が攻めてきた!」と聞いて逃げ出すアルゼンチン部隊もあったとか。
現在でも彼らはイギリスで高く評価されていて、2004年にはブレア首相により、完全なイギリス市民権を与えられるようになる。
日本とも(不幸な)縁がある。
第二次世界大戦中、イギリス軍兵士として参加していたグルカ兵はビルマで日本軍と戦った。
「ビルマの竪琴」には日本軍がグルカ兵を恐れて、彼らがいた村落を避けて通ったという内容の記述がある。
グルカ兵(19世紀)
・食文化
日本とネパールには共通点がけっこう多い。
山が多いし主食は米、日本人とネパール人の外見はけっこう似ているし、控えめで穏やかな性格の人が多い。
でも彼のように、インドに近いところに住むネパール人は自己主張が激しいらしい。
でも、内陸国で海のないネパールと島国の日本では食文化がまったく違う。
シーフードが充実している日本と違って、ネパールには海の幸がほとんどない。もう、“ない”と言い切っていいレベル。スシや刺身みたいに、肉を生で食べる文化もない。
ネパールでも川や湖で魚が獲れるから、魚料理がなくもないけど一般的ではない。
インドと中国の間にあるネパールはヒンドゥー教や仏教など、歴史的・文化的にどちらの国からも影響も受けていて、カレーやモモ(チベットの餃子)をよく食べる。
モモ
ネパール人がランチで持ってきたKhichdi というコメ料理。
これはもともとインドの料理で、インド人もよく食べるらしい。
この料理が元ネタとなって ケジャリー というイギリス料理ができた。
新年のご挨拶が遅れましたが、今年もよろしくお願いいたします。
おお、まさかグルカ兵の話が出てくるとは!
ミリタリーマニアには有名ですが、ネパールの方には一般でも有名なんですね。
山岳地帯の人は軍人として優秀な場合が多いようです。
大抵の国で山岳部隊は精鋭ですし、イギリスのハイランダーズや
台湾原住民から編成されたたかさ高砂義勇隊などなど。
あまりコメントしませんが、いつも興味深く拝見しております。
本年も更新を楽しみにしております!
あけおめです。
今年もよろしくお願いします。
別のネパール人はグルカを「サムライ」と言っていました。
言ったことは必ず守るからで、グルカの人なら安心してお金を貸すことができると。
今年もがんばって走って行きますよ!