日本人が韓国人を理解できないワケ 頭よりハートで考える

 

韓国を最も知る日本人と言っていい人物に、元駐韓日本大使の武藤正敏氏がいる。
日本と韓国は文化的には近い関係で、互いに親近感を抱いているという武藤氏は、それでも韓国人は日本人にとって理解がむずかしいという。

ダイアモンドオンライン(2021.12.31)

韓国・文政権を「日本がついに無視」、対日政策で迷走の1年を振り返る

武藤氏によると、その根本原因は「韓国人が頭ではなくハートで考える」から。
日本に対して感情的に行動する韓国人を、日本人が頭で考え、論理的に理解しようとするのはとても困難だとしてこう指摘する。

「韓国の外交は、日韓関係ばかりでなく対米関係、対中関係などでも国益ではなく感情で動いている。」

「韓国の外交が国益で動いていれば、交渉の余地はある。しかし、歴史問題において韓国の外交はとても国益に基づく行動とは思えない。」

では、日本に対する感情とは何かといえば、それは「戦前の被害者意識」によるものだ。
日本を許そうという気持ちがあっても、日本はそれに応えてくれない。むしろ保守的になって、嫌韓に向かっているとみる韓国人が多いらしい。

元慰安婦訴訟でも韓国の裁判所は、日本政府の「主権免除」の主張を認めることもあれば、それを否定して日本に賠償を命じることもある。
まったく逆の判断を下すのは、裁判所が国際法に基づいたり、感情(世論)に基準を置いたりするから。
だから判断がバラバラになって、司法が迷走してしまう。

 

1965年の日韓請求権協定をひっくり返し、日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟もこれと同じく、頭ではなくハートで考えている。

中央日報(2018.11.02)

日本が否定してきた植民支配の不法性を大法院が直接再確認したという点で被害者のための正義を実現したのが判決の意義だ。

徴用の“恨”は晴らしたが…日本に反論する外交戦は今から

 

正義を実現して、日本への恨みを晴らした!
で、そのあとのプランは?
こんな判決を下したら、日本が特大反発するのは韓国側も分かっていたはず。
日本は事前に何度も警告していたのだから。

この判決で困ったのはむしろ韓国政府という見方もある。
シン・ガクス元駐日大使はこの判決を尊重すれば、韓国政府の予算で被害補償を行うことができなくなる一方で、日本企業に強制執行をすれば外交紛争は避けられないという。
この予言は的中して、文政権はこれまで4年間、板ばさみになってこの問題をまったく前に進めることができなかった。
「“恨”は晴らした」とハートで考えて感情的に判断するから、「外交戦は今から」だなんて、急に打ち切りになったアニメの最終話みたいなオチになる。
国益中心で論理的に考える日本人にとって、この事態はまったく想像を超えているから、呆れるか絶望するかもう笑うしかない。
これも根本をたどると「戦前の被害者意識」がある。
日本人のハートはこの意識でできていないから、理解がホントにむずかしい。

でもこうした政治や歴史問題とは違って、共感したり心を揺さぶる文化的なものなら、日韓はけっこう分かり合える。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。