【日本の原風景】外国人が“6月の田んぼ”を好きな理由

 

きのう7月2日から、「半夏生(はんげしょう)」の季節が始まった。
半夏生は農家にとっては畑仕事や田植えを終える目安になっていて、このときまでにひと仕事を終えたら、数日の休みをとることが多い。
福井県大野市では焼きサバを食べる風習があるし、讃岐では半夏生の日に、うどんを食べるのがお約束だから7月2日は「うどんの日」。
関西で7月2日は「タコの日」になっている。
田んぼに植えた苗がタコの足のように、地面にしっかり根付くようにという願いを込められているとか。

【日本人と季節の移ろい】半夏生の由来と各地の行事を知ろう

 

 

わが静岡では、日本のほとんどでそうだと思うけど、半夏生に近づく6月になると、水の張られた田んぼをあちこちで見ることができる。
その風景がとても日本らしいということで、大好きという外国人はけっこう多い。
このまえもデリー出身のインド人とご飯を食べていたら、この時期は、空や周囲の景色を鏡のように映し出す水田が登場するから、それを見るために散歩コースを変えているという話を聞いた。
パンをよく食べるインド北部では小麦畑ならめずらしくないけれど、水田はとても目に新鮮に映るらしい。

同じ理由で、日本の「水田ファン」になった欧米人は何人もいる。
これはイギリス人がSNSに投稿したメッセージ。

・Flooding the rice fields has begun. It’s always nice to see the pretty reflections every year.
田んぼの水張りが始まりました。毎年、きれいな「反射」を見ることができるのは嬉しいです。

このメッセージにはこんな返信がくる。

Even though I know the amount of water used is crazy, I find rice paddies very pretty too!
ビックリするほどたくさんの水を使っているのは分かっていても、わたしも田んぼはとてもきれいだと思う!

このイギリス人は別の日にも、写真を添えてこう投稿する。

・Gotta love rice field reflections
田んぼの映り込みが大好き。

・You bored of rice field pictures yet?
No? Good me neither 🙂

もう田んぼの写真に飽きた?
まだ?いいね、私もまだ。

 

 

日本で生まれ育った人なら、水の張った田んぼはフツウ過ぎて、それを見て足を止めることはまずない。
日本人を感激させるような水田はかなり特別で、上のインド人やイギリス人なら、朝から晩まで見ていても飽きないし、きっと一生の思い出になる。
そんな日本人でも、ほとんどの人は田んぼの「reflections」に飽きることはないし、毎年それを見れば季節の移り変わりを感じると思う。
外国人にとっては、この上ないほど日本らしい風景だ。

 

 

パン文化の国の人にとって、なじみがあるのはきっとこんな風景だ。

 

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!」

ヨーロッパ 目次 ③

外国人の質問「すしを食べるのは箸か素手か?」の答え

外国人の好きな日本文化:縁起物や精霊馬としての「ナス」

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。