【違法の少女像】法律無視の“反日愛国”になげく韓国人

 

韓国の国立大学で「平和の少女像」を校内の敷地に設置したい学生グループと、それを認めない大学側との対立がつづいていた。
*正確には慰安婦像だけど、ここでは韓国側の視点で「(平和の)少女像」の表現を使う。

それで学生側が”奇襲”をしかけた。
夜間にクレーンやトラックを校内に入れて、電撃的に像を設置して大学側をあ然とさせる。
大学側は許可なく不法に像を建てたと学生グループを非難し、この不法の像を撤去するよう求め、学生側がそれに応じない場合、法令に基づいて強制撤去することもあると警告した。
韓国の国立大学で少女像が設置されるのはこれが初めて。

【日韓友好】“平和の少女像”の撤去を求める韓国人

夜襲で像を設置した学生グループは”正義”と考えていて、もし像に傷をつけたら、「すべての責任を大学側に問う」と逆に大学側を脅す。

 

 

この像は平和と不法を象徴している。
だから大学の学生内でも意見は分かれて、像に花束を置く人もいれば、あれは撤去すべきという人もいて分断が広がっているという。
あきれたというか韓国的な光景は、この少女像を参拝に訪れた政治家がいたこと。

ここ10年ほどで、こんな少女像や徴用工の像が韓国のあちこちに設置されて、いまでは100体を超えている。
韓国で初めて少女像が登場したのは2011年だ。
この時もソウルの日本大使館前に、違法に建てられて物議をかもした。
その後、この像と不法問題はセットになって全国へ拡散していく。
今回、像が建てられた大学のすぐ近くにある公園にも、以前不法に少女像が設置された。

こうした像を「反日象徴造形物」と表現する韓国メディアの中央日報は、コラムでこんな問題を指摘する。(2022.09.01)

ほとんど建てるたびに不法論議が起こった。さらに理解できないのは不法造形物だからといって撤去されたこともほとんどない。銅像を作った側は「何が問題なのか」という立場で、これを取り締まる行政機関は途方に暮れる。法が銅像の前で力を失いつつある。

【コラム】韓国大田市の「平和の少女像」論議

 

「反日愛国」を正義と考えていてる人間には、不法行為を非難されても罪悪感なんてかけらもなく、「何が問題なのか」と開き直る。
そして像に手を触れたら、「すべての責任を問う」と相手を脅す。
少女像を建てることは基本的に国民感情に合っていて、不法を承知でこれを支持する人も多いから、取り締まる行政機関が困ってしまう。

「建てるたびに不法論議が起こった」というのはホントにそのとおり。
数年前に釜山市で、韓国の国内法と国際法(外交関係に関するウィーン条約)の2つの法に反して市民団体が少女像を建てた時、法治を優先する市長が毅然とした態度で像を撤去した。
でも負けた。
法を守った市長よりも、違法行為をはたらいた市民団体を支持する声のほうが多くて、市長は結局、「市民、労働者の皆さんに心配をかけたことを謝罪する」と頭を下げる。
そして撤去した像を市民団体に戻すことを約束した。
これに市民団体は大歓喜。
「官と民が手を取り合って民族の自尊心のために一つになった事例は韓国全土で釜山しかない」と記者会見で勝利宣言を行う。

でも、「民族の自尊心のため」と言えば、何でもできるような無法状態を黙って見ていられない人もいる。
朝鮮日報が社説で猛批判した。(2019/04/19)

労働者像を撤去したのは国として当然やるべき行為だった。ところが法律を執行した釜山市が違法行為者に謝罪し膝を屈した。世の中にこんな国があるだろうか。

法を執行した釜山市長が無法者に謝罪、こんな国がほかにあるのか

 

「反日愛国」が法を超える正義になってしまうと、法を守った側が破った側に膝を屈して謝罪しないといけなくなる。
像ができるたびに法が力を失いつつある。
こんな国は韓国ぐらいだ。

 

韓国社会にある「反日であれば、何をしても構わない」という発想を日本ではよく「反日無罪」という。
韓国メディアはそれに困惑し、怒っているけれど、韓国のメディアや政治家がそんな空気を生み出している面もある。

2018年に韓国軍が「レーダー照射問題」を起こして日本との論争に発展した際、韓国国防省が資料としてホームページに公開した映像のサムネイルに、日本を悪く見せる合成画像が使われた。
写真の捏造を指摘された国防省当局者は「編集されている」と平気で認めたから、時事通信のソウル支局長をしていた記者が「地球コラム」でこうあきれる。

これには正直、あぜんとするほかなかった。韓国では、日本との歴史問題では「被害者」である自分たちは多少行き過ぎたことをしても許されるという空気がある、とよく言われる。「反日無罪」とも言われるが、今回もそれが出たようだ。

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違法に像を建てて「何が問題なのか」と開き直る人たちもいれば、そんな現状をなげく韓国人もたくさんいる。
でも、「不法造形物」を訪ねて参拝した政治家もいる。
「反日愛国」なら行き過ぎた行為でも許される、そんな雰囲気をつくってきた政府やメディアにも責任はある。

 

 

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2 件のコメント

  • 韓国にはこんな言葉があります。”憲法上のむれ法”.
    正規法律より多くの群衆の感情にともなう主張を優先することに対する嘲弄の意味です。
    その言葉が現実になった事例の代表的な事件が、まさにパク·クネ大統領弾劾ろうそく集会でした。その群衆が集まって正当な投票で選出された大統領の下野を要求し、裁判所は群衆の手を挙げてくれました。未開の国でのみ可能なことが、G10の国である韓国で起きたのです。
    少女像の設置と撤去問題も、韓国のそのような未開の国民意識を示しているのです。

  • 「憲法上のむれ法」は初耳です。
    情や法を大事にすることには良い面も悪い面もあります。
    これは日韓の大きな違いです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。