留学生として日本の大学に通っていて、日本語はペラペラのベトナム人女性と、日常会話なら問題なしのベトナム人男性とご飯を食べに行ってきた。
ということで今回は、そのとき彼らから聞いた話を紹介しようと思う。
ベトナムってこんな国。
面積:32万9,241平方キロメートル(日本の約9割)
人口:約9,762万人(日本の約8割)
首都:ハノイ
民族:キン族(越人)約86%、他に53の少数民族
ソース:外務省ホームページ「ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ」
ーーここ数年、日本ではベトナム人の犯罪が増えています。
それについてどう思いますか?
ベトナム人女性:
ベトナム人犯罪は多いですけど、わたしには直接関係ないですね。
周りの人は、わたしがどんな人間か知って付き合っていますから、特に変化はありません。
ベトナム人男性:
コンビニのアルバイトでレジ打ちをしてたら、お客さんから「シンチャオ(Xin chào)」って言われてビックリしました。
「こんにちは」っていうベトナム語です。
ベトナム人を嫌う人もいますけど、そういうイイ人もいますし、いろいろですよ。
ーーこのまえはベトナム正月の「テト」でしたね。
ボクは世界史の授業で「テト攻勢」をならってこの言葉をおぼえました。
この戦闘はベトナムでも有名ですか?
*ベトナム戦争が行われていた1968年の正月、北ベトナム軍が南ベトナム&アメリカ軍に攻撃をしかけた。このテト攻勢はその後、北ベトナムが優位に戦いを進める転機となる。
ベトナム人女性:
「テト攻勢」って何ですか?
(ベトナム語の「Sự kiện Tết Mậu Thân」を見ても首をひねる2人。)
そんな戦いがあったんですね、いま初めて知りました。
ベトナム人男性:
ベトナム戦争に関心のある日本人は多くてよく質問されます。
ボクの知らないことを知っていて、逆に教えてもらうこともあります。
現在のベトナムのことも、もっと知ってほしいんですけどね。
ーー日本の生活で困ったことはある?
ベトナム人男性:
言葉の壁です。
日常会話ならできますけど、もっと日本語がうまくなっていろんな人と深い話をしたいです。
日本は清潔で安全で快適に生活できますから、言葉以外で困ることはないです。
ベトナム人女性:わたしは日本語で困ることはありません。(ですよねー)
いま困っていることといえば、ダルマの処分ですね。
家にダルマがあるんですけど、ゴミ箱に捨てることもできないし、あれはどうやって処分していいのかワカリマセン。
ーー中国・韓国・ベトナムでは犬肉を食べる文化があります。
でも最近、中韓ではこれをやめる動きが進んでいますが、あなたはどう思いますか?
ベトナム人女性:
これには反対も賛成もできません。
わたしは食べませんけど父は好きですし、それをやめさせたいとは思いません。
ベトナム人男性:
ボクも食べませんけど、でも、それもベトナムの食文化や伝統だと思います。
犬食を廃止することはいいんでけど、それを仕事にしている人の生活は守らないといけません。
ベトナム人女性:
国が違えば、食べる物も変わるのは当たり前のことですよ。
日本人はクジラやイルカを食べますけど、ベトナム人は食べません。
ベトナム人男性:
ボクはアメリカ人の態度がムカつきますね。
ーーというと?
ベトナム人男性:
アメリカ人は「犬肉を食べるな!」と自分の価値観を押し付けてきます。
アメリカは好きですけど、そういうエラソーなところは嫌いです。
ベトナム人女性:
でもアメリカ人はまだいいですよ。
わたしがムカつくのは、間違ったことを言う中国人です。
ーーというと?
ベトナム人女性:
ベトナム人がアオザイを着た写真をSNSにアップすると、「それは中国文化だ」とデタラメなことを言ってくる中国人がいます。
それで、ベトナム人とケンカになることもあります。
日本の伝統衣装が着物なら、ベトナムのそれはアオザイ。
ベトナム語でアオ(上衣)とザイ(長い)を組み合わせたアオザイは、「長い服(上着)」という意味になる。
ということで、ベトナム人の店員さんを見かけたら、「シンチャオ」とあいさつをしてみよう。
きっと喜ぶから。
それとベトナム戦争もいいけれど、ベトナムの文化や現代の生活にも目を向けてみよう。
あとは、ダルマの正しい処分方法を知っておけばカンペキだ。
ベトナムの国民的英雄&”テロリスト”の「ヴォー・ティ・サウ」
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