【驚いて埋めた】韓国としては、とてもイヤな“任那日本府”

韓国に新しい文化遺産が生まれるらしい。

聯合ニュース（2023.05.11）

韓国「伽耶古墳群」が世界遺産へ　ユネスコ諮問機関が登録を勧告

伽耶（かや）とは３～６世紀ごろ、朝鮮半島の南部にあった小さな国々のこと。
＊加羅（から）ともいう。
この時代の７つの遺跡で構成される「伽耶古墳群」が、ユネスコの世界文化遺産に登録される見通しだ。
とてもメデタイことだから、今回はそれにちなんで日韓の古代史について書いていこう。

伽耶という古代の国家群については、５世紀に高句麗が建立した「広開土王（こうかいどおう）碑文」にその記述がある。
その碑文によると、倭（日本）が朝鮮半島にあった百済や新羅と戦って勝利し、その人民を臣民とした。
でもこれだと、朝鮮人が日本人に支配されたということになるから、いまの韓国でこの説は否定され、逆に、高句麗が海を越えてやってきて倭を破ったという解釈が主流だ。（好太王碑）
歴史はひとつでも、見方が正反対になるということが日韓ではよくある。

朝鮮半島の南部にはこの伽耶と重なるようにして、任那（みまな、にんな）という地域があった。
この任那も「日韓の歴史あるある」のひとつで、意見が対立している。
日本ではこの地域から、日本独自の前方後円墳が見つかっていて、こんな大きな墳墓は権力者しか造ることができないから、任那には日本の勢力圏があったと考えられている。
ほかにもヒスイの勾玉（まがたま）が新羅・百済・任那の広い範囲で大量に出てきた。
朝鮮半島にヒスイの原産地はなく、これらは新潟県にある遺跡のものと同じであることが分かり、日本から輸出されたものであることが判明した。
そしてこの地域に設置された任那日本府（みまなにほんふ）から、百済・高句麗・新羅の文化が日本へもたらされたと考えられている。（全員がそうではないけど）
でも韓国では、任那日本府の存在は消去されて、この三国から先進的な文化や文明が日本へ伝わったとされている。

韓国の視点からすると、任那日本府は「日本の代表的な歴史歪曲の一つ」とこの中央日報の記事にある。（2012.04.21）

韓国の古墳が語る、「任那日本府説」は虚構

古代史において、朝鮮人が日本人を支配していたのはいいが、その逆はない。ありえない。
韓国ではそれが通説になっているから、そんな歴史認識をひっくり返す遺跡が発見された時は本当にビックリしたようだ。

約1500年前の墳墓を調べたところ、その内部は５～６世紀に九州で造られた倭人（日本人）の貴族の墓と構造がそっくりで、墓の入口で行われた祭祀の跡までほとんど同じだった。
天井と壁面には、弥生時代以降の古墳の特徴である朱漆が塗られた跡が残っていた。
そんなことで墓を調べた韓国の専門家は、

「日本の古墳で確認された祭礼の遺物と類似の内容物と配置が注目される」
「九州の倭人の墓に入った時と印象がまったく同じだった」

と驚きを隠せないようす。
となると、葬られたのはその地域の支配階級にいた日本人で、任那日本府は存在したのか？
残念ながら、そのナゾは分かっていない。

ハンギョレ新聞（2021-03-21）

考古学者らは5～6世紀の日本の古墳とそっくりな墓の構造に驚き、すぐに土で覆われ再び埋められてしまったことにがっかりした。

朝鮮半島最大の古代の墓、開けた直後に閉じた理由は

朝鮮半島で最大の墓が日本の墓とソックリだと分かったら、言葉を失うのはわかる。
そしてもし、もし日本人の墓と判明してしまったら…、と考えると「ええーい、すぐに土で覆ってまた埋めてしまえー」となるのも理解はできる。
でも、やっていいことじゃない。
こんなコトをして、「韓国の古墳が語る、「任那日本府説」は虚構」と強調されてもむなしい。
世界遺産になるという「伽耶古墳群」は十分チェックしたはずで、ビックリして「開けた直後に閉じた」というオチにはならないと思うが。
それにしても、韓国の古墳さんにフルに語らせてほしかった。
ということで日本と韓国では歴史認識が正反対でも、2000年ほどの交流があることは間違いない。