【時間凍結】ロザリア、“世界一美しいミイラ”と言われる少女

 

江戸時代、忍者の画眉丸(がびまる)が極楽浄土といわれる島へ行って、不老不死の仙薬を探して持ち帰る。
そんなストーリーのアニメ『地獄楽』がいま絶賛放送中。

 

 

永遠の命がほしいーー。
2000年以上前、そう願った秦の始皇帝は徐福に「不老不死の薬を探して持ち帰れ」と命じた。
「まじかっ」と徐福はビックリしたかもしれないが、勅命(皇帝の命令)だから断るわけにもいかない。
そんなわけで徐福は、不老不死の霊薬があるというウワサの島へ霊薬を取りに出かけた。
『地獄楽』の元ネタのひとつはこの徐福伝説だ。

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永遠の命なんて人間の力を超えたところにあるから、実現することは不可能にきまってる。
でも、時間を凍結させることなら可能だ。

 

1920年12月6日、イタリアで急性肺炎によって、ロザリア・ロンバルドという少女がわずか1歳と11ヶ月でこの世を去った。
でも、父はそれを認めなかった。
超ハイレベルのエンバーミング(遺体を長期保存する技法)がされた結果、ミイラとなったロザリアの遺体は、100年以上がすぎたいまでも「亡くなったのは最近?」と思ってしまうほど”生き生き”している。

 

ロザリア・ロンバルドのミイラ

 

肌の状態などはいまでも完璧といっていいほど良く、ロザリアがどんな少女だったかはっきり分かる。
この見た目はもう100年以上のトキの経過を無効化している。
それがあまりに不自然だったから、「どこかでロウ人形とすり替えられたのでは?」という疑惑が持ち上がった。
でくわしく調査した結果、脳や眼球、臓器が確認され、ロザリア本人であることが証明された。
「世界一美しい少女のミイラ」と言われる彼女の遺体は、パレルモにある修道会の地下納骨堂(カタコンベ)に眠っている。
父親のはかなくも、強い希望でミイラ化されたロザリア。
父は毎日のように彼女の元を訪れていたが、「決して変わることのない娘の姿により深い悲しみを覚えるようになり、やがて彼女の元を訪れることはなくなったという」と日本語版ウィキベテアに書いてある。
ロザリア・ロンバルド
でも、英語の文献ではそんな文章は見つからなかったから、これはどっかの誰かの想像と思われ。
父親が娘の死を受け入れて土葬することができず、時間を止めることを望んだのは間違いない。
『地獄楽』のオチもこんなんだったりして。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。