先月、静岡に住んでいるインド人5人と、パキスタン人と中国人、そして私の合計8人で、田舎道を歩きながら桜を楽しんだ。
今回は、そのとき中国人から聞いた話を中心に紹介しよう。

スマホの機能に表れる国民性
みんなで桜の写真を撮った後、パキスタン人が「どのスマホの画像がいちばんキレイなんだ?」と言い出して、民主主義(挙手)でそれを決めることになった。
その結果、サムスンやiPhoneを押しのけて、1位に輝いたのがインド人が持っていたスマホだった。
彼はSNSへの投稿をものすごく意識して、きれいな写真が撮れる機種を選び抜いて中国メーカーの「シャオミ」のスマホにしたという。
ーーそんなことで、シャオミのスマホが「キレイ・オブ・キレイ」になったわけだけど、中国人としてはどう思う?
中国人:彼は正しい選択をしたなって思いますね。
どこの国でもスマホって、消費者のリクエストに応える形で開発されるじゃないですか?
ーーだろうね。
中:だから、スマホの機能にはその国の「らしさ」が表れています。盗撮防止のために、撮影する時にシャッター音が鳴る日本のスマホみたいに。
ーーコラ。
でも、あるポーランド人が日本でスマホを買って、「こんなトラップがあるなんて知らなかった!」って後悔していた。
で、スマホの機能に国民性が表れているなら、中国のスマホにはどんな特徴があるんだ?
中:21世紀の今、自分のSNSに、食事や観光地の写真を載せることは全人類がやっています。
日本人に比べると、中国人には「自慢したい」という気持ちがとても強いんです。
私の経験から、これは断言できます。
ーーたしかに、中国の人たちはメンツや見栄をすごく大切にする。
これは一昔前の話だけど、中国人が知り合いとレストランで食事をすると、会計のときに「俺が払う!」「いや、ここは俺にまかせろ!」って揉めるっていうからね。
「日本人は割り勘にするから、すごく情けなく見える」って言う中国人もいた。
中:今でも、日本人と中国人にはそんな気質の違いがありますね。
中国ではとくに若い女性はSNSに夢中で、ネットで注目を引く画像を常に求めています。
メーカー側もその気持ちに応えて、カメラの性能を重視した設計のスマホが多いんです。
ーーだから、中国製のスマホはきれいな写真が撮れるんだ。
世界的な「セルフィー大好き」民族のインド人が気に入ったということも、その説の正しさを裏付けている。
中:そうでなかったら、中国では生き残れないので、「写真映え」で選ぶなら中国製は十分アリですよ。
それに「シャオミ」は大手メーカーなので、保証もしっかりしているはずですし。
ーーたしかに。
Amazonで上位に表示される、正体不明の中華企業は1ミリも信用できないけど、「シャオミ」や「ハイアール」なら大丈夫そう。
中:こらこら。

ハイキングの途中、道路沿いで小さな青い花(上の写真)が咲いていた。
中国人がそれを見てこんな話をした。
日中の自然観の違い
中:わたしは日本に住んで1年半ほどになります。こういうとき、「自分は変わったな」って思うんですよ。
ーーそうなんだ…。何を言ってんのか分からないけど。
中:中国にいたときは、こういうきれいな花を見つけたら、手にとって美しさを楽しんでいました。
でも、日本では草花を大切にする文化があって、その感覚が自然と身についたので、今はもうそんなことはしません。
ーー自然を尊重する日本人の価値観は神道の影響が大きい。
環境保護に敏感になったのは良いことだ。
でも、きれいな花を手で摘んだとして、そのあとはどうするの?
中:手にとって細かく見て、美しさを味わったら捨てます。
ーーそれだと、自分しか楽しめないな。
だからたまに、桜の枝を振って花びらを散らす中国人がいるのか。
中:あ〜、それは本当にダメですね。
ほとんどの中国人も、それがマナー違反だってことは分かっています。
でも、「ネット映え」しか頭にない人は、周囲の目も桜の気持ちにも気づかないんです。

日中の漢字という共通文化
ーーおや、こんなところにフクロウの置物があるぞ。
日本でフクロウは「縁起の良い生き物」とされているんだ。
中:そうなんですか。
ーーその理由は「漢字マジック」だ。
「不苦労」「福来朗(福が来る)」「福老(豊かに老いる)」という文字を見ると明るい気分になるから。
中:なるほど!
中国では反対に、フクロウに対して悪いイメージがある気がしますけど、その文字を見ると明るい気分になりますね。
ーー西洋文化でもフクロウには「知恵」という良いイメージと、「不吉や死」というダークな印象がある。
日本と海外では、「吉兆」が逆転することがたまにあるんだ。
トルコ人やリトアニア人はクロネコヤマトのトラックを見て、「黒猫は悪いイメージがあるから、会社のロゴに使うのはちょっと変」と言っていた。

※「子(雛)が親鳥を食べる」という話があるため、梟(フクロウ)には「親不孝」や「下剋上」といった悪いイメージがある。
死刑囚の首をさらす「梟首」や、盗賊のリーダーを「梟雄」などのように、「梟」という漢字がダークな意味で使われるのはそれが理由だ。
ーーそれにしても、君が中国人で良かったよ。
漢字が分からないアメリカ人に説明したけど、いまいち話が伝わらなくて白けてしまったから。
台湾人も一瞬で分かって、「面白いですね!」と良い反応をしてくれた。
中:日本で生活していて、親しみを感じるのはそこなんです。
韓国やベトナムも昔は漢字を使っていましたが、今では廃止されて、国民は読み書きができません。中国以外で、日常的に使う国は世界で日本だけですから。
ーー海外の中華系コミュニティをのぞけば、一般的に使っているのは日本人だけだろうね。漢字は日本語の一部になっているから、もう切り離すことはできない。
韓国やベトナムはそれをやったけど。
おまけ
ある中国人は『佐川急便』という文字を見て、「大便がもれそうで急いでいる」という状態を想像した。
これも「漢字の民」ならではのかん違いだ。


コメント