8月29日の誘いに戸惑う韓国人
知人に、日本に住んでいた20代の韓国人男性がいる。
彼が日本企業で働いていたある日、日本人の友人からこんな誘いの連絡をもらった。
「来週の8月29日は“肉の日”で、安く焼肉を食べることができるから、いっしょに夕食を食べに行かないか?」
その日本人は韓国が好きで韓国語を学んでいたから、たまに会って食事をしながら話をしていた。
その日は空いていたが、彼は即答を避け、すこし考えてからOKと返信した。
安く肉を食べられるというのは魅力的だ。しかし、韓国人としては、8月29日に日本人と食事をすることには、すこし複雑な思いがあったらしい。
韓国民族最大の恥辱、「庚戌国恥」とは?
日本が韓国を統治していた歴史は、日本人の多くが知っているだろう。
しかし、それが1910年にはじまったことを知っている人は、きっと半分もいない。
さらに、その日が8月29日だったことを知っている人は、韓国に興味のある日本人でもかなり少ないと思われる。
1910年8月29日、「韓国皇帝が大韓帝国の一切の統治権を完全かつ永久に日本国皇帝(天皇)に譲与する」という内容の日韓併合条約(韓国併合ニ関スル条約)が発効し、朝鮮半島は日本の一部となった。
韓国ではこの日を「庚戌(かのえいぬ)の年に起きた国家の恥」という意味で「庚戌国恥」と呼ぶ。
韓国人にとっては、国家が滅亡した民族的な悲劇の日だ。
だから、駐日韓国大使館はホームページで、主権を失って日本の植民地に転落した日韓併合を「韓国民族最大の恥辱」と表現している。
「国恥日」の過ごし方と韓国社会の視点
この日はいわば「国の命日」だから、韓国では悲しみや屈辱を忘れないように弔旗を掲げたり、黒のネクタイをして冷たい粥を食べたりする人もいる。
今年、韓国の政府機関「国家報勲部(국가보훈부)」は Xに、国民が「国恥の歴史」を振り返ることができる場所として以下の2つを挙げている。
・庚戌国恥が決まった「興福軒(昌徳宮)」
・併合条約が調印された南山の「韓国統監府官邸(統監官邸)」の跡地
8월 29일은 대한제국의 국권이 피탈된 경술국치일입니다.
경술국치의 역사를 현장에서 돌아볼 수 있는 장소로는
창덕궁 대조전 동쪽 부속 건물인 흥복헌과
남산의 통감관저터가 있습니다.📷 2026 국가보훈부 서포터즈 #레클리스 임중빈#국가보훈부 #흥복헌 #통감관저터 #경술국치 pic.twitter.com/lNfJSyIi6J
— 국가보훈부 (@hun2day) August 28, 2026
この日、韓国の人たちがSNSに投じたコメントを見ると、「国恥日」に対する思いがわかる。
・言葉、名前、土地、人々まで踏みにじられた歴史がここから始まった。
・歴史を忘れず、祖国の大切さを再認識する半旗掲揚運動に、皆様の積極的なご参加をお願いいたします。🙏
・日本による韓国侵略は、韓民族の政治的、経済的、文化的な権利を剥奪しただけでなく、朝鮮半島の分断と戦争の種を残しました。
・日本帝国主義と親日売国奴たちが結託して「日韓併合条約」が公布され、5000年続いた国家の主権と領土、国民の自由が根こそぎ奪われた。
・今日、博物館では「国恥の日親日派記録カード作り」を通じて、国恥の日の意味を振り返ります。 博物館で歴史と向き合ってみてください。
8月における日韓の「温度差」
日本と韓国にとって毎年8月は、過去と向き合う「歴史月間」になる。
日本では6日と9日は原爆が投下された日、そして15日は天皇が国民に降伏を伝え、戦争が終わった日だ。
日本にとって今でもこの3日間は重要な日で、政府は犠牲者に哀悼の意を捧げ、平和を誓う。
一方、韓国にとっては、日本の終戦記念日である15日は、統治から解放され、主権が戻ってきた輝かしい日(光復節)だ。
そして、29日は「民族最大の恥辱」の日になる。
知人の韓国人からすると、8月に大きな「温度差」があることが気になったという。
日本は自国の被害に目を向けるだけで、隣国にあたえた被害を見ようとしない。
8月には歴史について深く考えて反省をするのなら、そこに韓国の「国恥日」を加えてほしい。
彼は日本に3年ほど住んでいたが、8月29日がどんな日なのかを知っている日本人と出会ったことがなかった。
韓国が好きで、普通の日本人よりも韓国にくわしい日本人でさえ知らなかった。
日本の立場は理解できるが8月には韓国の「痛み」も気にかけてくれると嬉しいと彼は話していた。
これは韓国社会に一般的にある見方だ。
8月の日本の態度について、加害性から目を背け、「被害者コスプレ」をしていると非難する人もいる。

韓国に関心があるなら、「国恥日」を知るべき
韓国の立場は理解できるとしても、日本との歴史認識の違いは埋められない。
韓国側は、日韓併合を強制的なもので「不法」とみなすが、日本は「合法」だったと主張している。
戦後、日韓はこの点について話し合ったが、認識を一致させることはできなかった。まず間違いなく、それはこれからも不可能だ。
ちなみに、イギリスの専門家も「日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」という見解をしめした。

戦後に生まれた日本人に、日韓併合の責任はない。
一般的には、8月29日は「肉の日」と認識していればいい。
しかし、韓国人と付き合いのある人なら、「国恥日」であることは知っておいたほうがいい。
8月には、韓国にとっても「痛ましい歴史の日」があることを知っているだけでも、きっと韓国人は好印象をもつはずだ。

コメント
コメント一覧 (2件)
恥辱であることは明らかです。 なぜなら、2000年(韓国では5000年に達すると言われています)以上続いていた国家が滅亡し、異民族に統合されたからです。
しかし、その原因を自らの発展の失敗に求めず、凶暴な隣国の野蛮な欲望のせいだと弁解することは、別の失敗の始まりです。事実を直視しなければ反省できず、そうすることで自分の過ちを正し、成長していくことができます。しかし、今の韓国は…やはり日本のせいばかりで、もどかしいです。
朝鮮王朝の末期、政府や役人の腐敗はひどく、政治家も主導権を握ろうと分裂し対立していました。
そのため、大韓帝国は「内側から滅んだ」という面があります。
しかし、韓国のメディアはその点をほとんど触れません。